Mini-ITX

ZOTAC GF9300-D-E + Xeon L3110   最終更新日 : 2020/05/23
このページは、2ch「Mini-ITX Nano-ITX Pico-ITX 総合 -17- 」スレのスペシャルレポです。
  http://pc11.2ch.net/test/read.cgi/jisaku/1236672340/   (2009.3.7)
顛末

前作「MINIX+4850e(後に9350e)+C10」に味を占め、もう一台Mini-ITX-PCを組むことにした。寝室のアナログTVを止め、地デジ対応BD-PCにする予定である。運良く第一回入荷分の「ZOTAC GF9300-D-E」が手に入った。

Mini-ITX-PCの最大の悩みはケースである。前回はAbee社のC10を使ったので、今回は他社の製品から選んだ。第一候補の「Silverstone SS-SG05」は未発売。けれどもGF9300-D-Eは今が旬。せっかち者なので第二候補の「SST-PT09B-120W 」を購入した。

  (2007/6/26にAlbatron KI690-AM2 を購入し、ケースが決まらぬまま21ヶ月経った。
  未だ仮組すらしていない。旬を過ぎたM/Bが何枚か転がっている。勿体ない。)

さて、先日(3/2)BD再生ソフトPowerDVD9Ultraが発売された。当該スレではウイルスソフトやサウンドボード絡みのトラブルが報告されている。今のところ我家のPC(HD4850・GF9800GTXとも)では無問題。ところがDVDのアプコン機能であるTT-HDはかなりのCPUパワーを要求する。手持ちの「Pentium D E5200」では物足りない。そこで、最近発売になったC2Qの省電力シリーズを検討したが、今回はACアダプタ仕様なのでTDP65Wでは少し不安である。あれこれ迷った末、TDP45Wの「Xeon L3110」に決めた。何故かMini-ITX+Xeonは製作意欲をそそる。

明日(3/8)主要部品が揃う予定である。しかしながら締め切り間近の野暮用があって直ぐには製作に取りかかれない。暫く部品を並べて鑑賞することになりそう。 できれば、3/15頃までに仕上げたい。(2009.3.7)

予定変更 (2009.3.10)

3/9、Silverstone SST-SG05B ITX 3/11発売との報があった。早速注文し、3/12着との知らせを受けた。既に届いた SST-PT09B-120W は別の用途に宛て、組立は一時見合わせることになった。

Mini-ITXはATXやMicro-ATX較べて留意事項が多い。そこで、少し細かい点をレポする。ITXに慣れた方は、適当に読み飛ばしてね。

パーツ一覧 (2009.3.22現在)

品  目
メーカー
型  番
使用感等
CPU
Intel
Xeon L3110 TDP45W
低消費電力
CPUクーラー
Scythe
手裏剣
我家では3個目
リテンション
Ainex
BS-775
バックプレーを付け、ネジ留めにした
マザーボード
ZOTAC
GF9300-D-E
Mini-ITX最強か?
メモリ
SanMax
DDR2-800 1GB×2 
4GBにするかも
HDD
Western Digital
WD3200BJKT 320GB 7200RPM
WD製品は8年振り 少し煩い
BDドライブ
Silverstone
SST-TOB02 SLIM-BD
BDは再生のみ 運転音が煩い
ケース
Silverstone
SST-SG05B ITX
フロント120mmファンに安心感がある
電源
ケース内蔵
ファンを交換した
HDDケーブル
親和産業
SS-SASC-SS02L (20cm)
配線すっきり
Mini-ITX必須アイテムかと
BDドライブケーブル
OS
Vista HomePremium SP1
BDや地デジにはVistaが無難か?

BDスリムドライブ (2009.3.16)

昨年Atom登載のM/BをIW-BM639BSに収めた時、最も手こずったのは、DVDスリムドライブPioneer DVR-K17RSの取り付けだった。スリムドライブは径2mmのビスで固定するが、特に強くねじ込まなくとも、ビスが内部でトレーに接触し出し入れに不具合がでた。市販の平ワッシャを咬ましたが厚みが足りず効果無し。そこで1mmのアクリル版からワッシャを作り、やっと問題を解決した。(その時、2mmビス用のスプリングワッシャは手元になかった)

そこで先ず、今回予定のソニーNECオプティアーク BC-5500Aをテストした。Dirac Slimdrive-IDE変換アダプタでは問題なく動作したが、同社のSlimdrive-SATA変換アダプタではドライブの電源が入らない。Ainex社の変換アダプタでもだめ。えーい面倒だ。Silverstone社のSST-TOB02 SLIM-BDを求めた。このドライブにはSlimdrive-SATA変換アダプタが同梱されているので。ドライブが到着し電源を入れた。やはりダメだった。結局、スリムドライブをSATA接続する時は、SATAケーブルを接続しないと電源が入らない仕様だったのだ。このことが判るまで無駄な時間を費やした。

その後、SG05へのスリムドライブ取り付けは、ケース付属の2mmビス+平ワッシャ+スプリングワッシャでOKになった。ワッシャ無しではトレーは開かない。

Silverstone SST-SG05B (2009.3.16)

SG05Bは、先に購入したSST-PT09Bに較べて質感が劣る。黒塗装は安っぽく、鉄板はペラペラ。そして見た目でかい。但し、フロント120mmファンは安心感があって好ましい。電源テスト用コネクタを使って電源を入れた。無負荷では電源ファンは回らない。フロント120mmはノイジーなので躊躇せず800rpmのGentleTyphoonに換えた。

いよいよ組立である。まな板で仮組せず、いきなりの本組立は久しぶりだ。ここでまた問題発生。 LGA755用のプラ固定部品は論外なので即取り外し、AINEXのBS-775 LGA775用バックプレートを使ってビス固定しようとしたら、手裏剣は高さが低いため、そのビスにプラスドライバが入らない。ラジオペンチをつかってボチボチ回すこと**分。その間にラジオペンチで手の皮を挿むこと数度。かなり痛い思いをしてどうにか取り付けた。短L型のドライバがあれば苦労無しのはずだが。(短L型ドライバについては後述する)

OSのインストール (2009.3.16)

これまでの経験から、BDの鑑賞にはVistaの方が無難と心得ている。世間で言われるほどVistaはトロくない。特にPC間のデータ転送はXpより数段速く好ましい。Xeon L3110、GF9300、RAM2GBならスペック的に全く問題なし。

使用したVistaは旧版。SP1に到達するまでかなりの時間がかかった。インスト中にトラブルなし。PowerDVDの最新版9Ultaraもすんなり入った。3DMark06も一発で起動した。

CPUファン (2009.3.16)

M/BのBIOS Setupで「CPU SmartFan Control」を「Enabled」にしてからVistaのインストを開始したのだが、どうもCPUファンは常時全開のようだ。手裏剣と雖も全開では五月蝿い。その後、「CPU SmartFan Control」を「Disabled」にして、「CPU Fan Control」を「9」にした。この時のCPUファン回転数は約1560rpmで、許容範囲のノイズレベルになった。季節によってこの数値を調節すれば良いようだ。

電源問題 (2009.3.16)

CPUファンが静かになったら、電源ファンが気になりだした。SG05は開口部が広いので、天板側板一体のケースカバーを取り付けても、ノイズレベルはあまり変化しない。そこで考えること小一時間。Mini-ITXは、机の上などATXに較べて比較的耳に近い位置に置かれる。とするとSG05登載の電源ではノイズレベルは合格点に達しない。試しに電源をSNE-450DHに換えてみた。ノイズレベルは下り許容値ギリギリになった。ところが別の問題が発生した。

SG05に登載された電源の時、アイドル時消費電力は35W。SNE-450DHの時は45W。無視できない差である。ならば、登載電源のファンを交換してみよう、と早速バラした。ところが有るはずの80mm角15mm厚のファンは他のPCに取り付けて在庫なし。現在ファンの到着待ちである。

電源ファンの交換 (2009.3.18)

購入した80mm角15mm厚のファンは、XINRUILIAN RDL8015S(2000rpm)とValueWave D80BM-12B (1500rpm)の2種。試運転の上前者を選びケースに収めた。ファンコンを使って少し減速した。結果は良好。かなり静かになった。よって、

 ファンを交換したSG05付属電源 > SNE-450DH > ファン交換前のSG05付属電源、

となった。総合的にみて、SG05に付属の電源は悪くない。電源効率が良く発熱も少ない。「80PLUS認証取得」は伊達ではないようだ。

HDDのノイズ (2009.3.18)

う~ん、今度は2.5inch-HDDのノイズが気になりだした。WD社のWD3200BJKTは、MINIXに使ったSeagate社のST9250421ASGより少し煩い。Vistaスコアも5.7で0.2劣る。ただし発熱は低く、22~25℃程度である。一見、SG05は開放部分が多く、まな板で組んだ時と余り変わらないのでは、と思えるが、実際はそうでもない。ケースカバーを外すとHDDの温度は2~3度高くなる。フロントファンが効いているようだ。ところがHDDのノイズレベルはケースカバーの有無に無関係。抑も、2.5incn-HDDが最大のノイズ源であることに気付くまで2日かかった。

GF9600GSO (2009.3.18)

GF9300-ITXにはPCI-Ex16のスロットがある。折角なので試してみよう。そこで、9600GTの省電力バージョンと言われる9600GSOを挿してみた。どうしたことかGPUファンは常時全開。トンデモなく煩い。ファン回転数調節機能はどこかにあるのだろうか。煩いのを我慢してドライバをインストールし、試しに3DMark06を走らせた。スコアは9169でまずまず。ところがM/BのMCP値は80℃に達した。オンボードVGAの時は、3DMark06ベンチ時最高60℃程度。PCI-Ex16にVGAカードを挿すならば、チップセットにファンを乗せる必要がありそうだ。このPCでゲームをする予定はない。BDをFull-HDで問題なく再生できればよい。とするならばオンボードVGAで十分である。2時間後9600GSOを外した。 (GF9600GSOはGPUクーラーを交換して、Micro-ATX M/Bで使う予定。ケースはIn-win社の"Matrix" )

明るい悩み (2009.3.18)

このPCは、現在耳元から70cmほどの位置にある。上に述べた2.5inch-HDDの運転音が際立って聞こえる。大した音ではないのだが気になり出しらとダメ。
そこで、
 ①HDDをS社の製品に換える。
 ②HDDを静音化ボックスに入れる。
を検討していたら、パソコンハウス東映で、2.5インチHDD静音化ボックス「QUIET DRIVE2.5」の在庫整理中とのこと。この製品は2年ほど前に発売され、大した評判にもならずに消えて行ったように記憶している。ダメ元で注文した。もし、それでも思わしくなかったら、またその時悩めばよいのだ。

QUIET DRIVE2.5 (2009.3.19)

「QUIET DRIVE2.5」が届いた。スマドラに較べて作りは?だ。見るからに期待できそうにない。早速組み込んでみたが、案の定予想通りだった。だが無いよりは数段まし。耳障りな音は低減し、静音PCの末席に仲間入りできるかどうかギリギリの線になった。

先のことは判らないが、取り敢えずこれで我慢することにして、明日は写真撮影と各種の計測を行おう。

めでたし! (2009.3.21)

3/20、写真撮影の前に各部の設定を確認した。ケーブルの結束良し。ネジ締め良し。ところが音だしダメ。オーディオ系が全滅、アナログもS/PDIFもサウンドタブから消えている。そこで、

  ・Zotacのチップセットドライバ再インストール → ダメ
  ・VistaSP1版で再インストール → ダメ
  ・Vista旧版で再インストール  → ダメ

チップセットが逝ったのだろうか。9600GSOで試した時、MCP温度が80℃に上昇したせいか、CPUファンの回転数を落とし過ぎたせいか、或いは陽気のせいか、仕方ない修理に出そう。
その前にシステムの設定を確認しておこう、とBIOSの「HD Audio」設定を開いてみた。

 ①Disabled ②Internal Codec ③External Codec ④INT Codec + EXT Codec

の4項目がある。EXTは使う予定がないので、②に設定してあった。デフォルトは④。ところが、②ではVista上から「HD Audio」を全く認識しない、と判るまで丸1日費やした。少し腑に落ちないが、設定を④に戻して めでたし!

チップセットのヒートシンクにファンを載せる (2009.3.22)

2chのスレではチップセットの温度(MCP温度)について、いくつかレポが上がっている。アイドル時、低い場合で40℃、高い場合は95℃に達するとか。製品によってヒートシンクのグリスの利きに差があるのだろうか。我家ではアイドル時51~52℃。念のために40mm角のファンを取り付けることにした。

そこで三種の製品で試した。T&T(WideWork)社の40mm角(3000rpm)のファンは10mmと20mm厚の二種の内、20mm厚の方が静かだった。XINRUILIAN社のRDL-4010S(4200rpm)は、少し減速すれば十分静かになるのだが、取り付け穴が細く、ヒートシンクへの固定方法に難があった。

結局、T&T社の40mm角20厚 3000rpmのファンを選んだ。取付はヒートシンクの羽根を少し曲げ、長さ38mm径3.5mmの木ねじで留めた。木ねじは二ヵ所だがグラグラ感はない。前記二連ファンコンに繋いだ。結果は良好。減速せずとも十分静かである。

制振シートを貼り付ける (2009.3.22)

SG05の鉄板は0.7mmでペラペラである。(因みにSST-PT09Bは、本体1mm・天板1.5mm・フロント2.9mm) BDやDVDをかけた時、スリムドライブの運転音がかなり煩い。そこで、WideWork社のWW-1532-1制振シートを導入した。SG05はメッシュ部分が多く、貼り付け可能な面は限られる。天板の半分、右側面の半分、そして底面。制振シート(210×300×3㎜)を1枚使い切った。多少スリムドライブの運転音が静かになり、ケース全体の振動も減少した。確かに、制振シート1枚980円分の効果は認められた。

アマデウス (2009.3.22)

スリムドライブの運転音が少し静かになったのでBDを鑑賞した。作品は最新BD「アマデウス」、上映時間3時間。PowerDVD9Ultraは最後まで問題なく再生した。S/PDIF出力もDolbyDigitalできちんと再生した。BD再生時の消費電力は44W、CPU使用率は2~10%をうろうろ。発色も良好。MINIX登載の780Gを上回る能力のようだ。

実はアマデウスを3時間通して観たのは今回が初めてだ。これまでTVで何度も放映されたが、いつも途中で寝入ってしまった。ところが5.1chサウンドでガンガン鳴らせば、とても寝られたものではない。映像は25年前の作品にしては極めて良好。何と言っても、モーツアルトの若妻コンスタンツェの豊満な胸が眩しかった。有名な「もろだしシーン」はBDで極めて鮮明・・・

勿論、ネビル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団の演奏も良かった。 「魔笛」の超絶技巧アリア「夜の女王のアリア」も弩迫力だった。

「5.1chシステム」
品 目
メーカー
型 番
感 想
設置場所
AV・Amp
Denon
AVC1890
既に旧型になってしまった
PCラック
Front SP
JBL
A620×2
使い込んだら良くなった
PCラックの上
Center SP
Denon
SC-C55XG-M
可もなく不可もなく
Displayの背後
Surround SP
JBL
4312M×2
これはお勧め
反対側の壁面
Subwoofer
JBL
BASS8
物足りない
机の下
Display
NANAO
FlexScan S2411W
我家のDisplayは全てNANAO
他社製品との比較はできない
机の上

測定結果 (2009.3.22)

【測定条件】
・マザーボードは定格動作
・室温21℃
・使用BD:アマデウス
・温度測定ソフト:EVEREST Ultimate Edition
・電力測定:ワットチェッカー (ACライン:99.8V)

アイドル時
CPU温度
BD再生時
CPU温度
BD再生時
CPU使用率
35~36℃
36~37℃
 2~10% 平均7%

チップセット
ヒートシンク
アイドル時
MCP温度
BD再生時
MCP温度
3DMark06ベンチ時
MCP温度
ファンなし
50~52℃
未測定
58~60℃
ファンあり
45~47℃
50~52℃
53~55℃

アイドル時
消費電力
起動時
ピーク消費電力
BD再生時
消費電力
3DMark06ベンチ時
ピーク消費電力
35~36W
 56W
44W
 62W

Superπ
104万桁
Yumeベンチ
1024×768最高
3DMark06スコア
Vistaスコア
16秒
6812
1835
 5.6 5.9 4.7 5.2 5.7

大手裏剣 Ⅰ(2009.6.15)

大手裏剣が発売になった。従来の手裏剣に較べてファンが100mから120mmにサイズアップし、高さは6mm低くなって58mm。 2chのMini-ITXスレでは、その話題で盛り上がっている。

多くの人柱諸氏のレポによれば、MINIXの場合は概ね取り付け可能だが、9300-ITXではケースからはみ出るとのこと。そこで遅ればせながら手持ちのケースで試してみた。

9300-ITXに大手裏剣を載せた時、
 【ケースからはみ出る】 C10・SS-SG05・SST-PT09B・S110
 【一工夫すれば収まる】INWIN-BM639BS・Antec ISK300-65

・BM639BSの場合、80mmの排気ファンを外すことになる。このケースは天板や側板がメッシュ構造ではないので別途排熱処理を考えなくてはならない。ケースのデザインが好みに合わないのでやる気が起きない。

・ISK300の場合、80×25mmの排気ファンを80×15mmに替えれば取り付け可能。ところがスリムドライブ&2.5"ドライブ固定金具を大幅に変更することになる。これがかなり面倒な細工になりそう。その細工にアルミ材を使うとケース全体の剛性が心配になる。他のCPUクーラーの方が良いと思う。

以上、9300ITXにとっては残念な結果がでた。 だが、簡単に引き下がったのでは面白くない。何とか工夫してみよう。

SS-SG05+9300ITX+大手裏剣の場合、ケースからはみ出るのは1mm強。大手裏剣やM/Bの取り付け穴の遊びを最大限に活用すれば1mm弱のはみ出しとなる。SG-05のケースカバーはペラペラなので、側板が少し撓んでもよければ収めることは可能だ。ということで無理矢理押し込んでしまった。ペラペラが幸いするとは思ってもみなかった。だが、かなり痛そう。如何に収まるとはいえ痛いのは不味い。とても人には薦められない。抑も、大手裏剣に対して常に横から力を加えるのは好ましくない。何かの拍子にCPUクーラーが浮いたり、或いはM/Bを痛めたりする可能性がある。

暫し思案の末、閃いた。大手裏剣の取り付け金具を少し曲げれば素直に収まるかもしれない。諦めるのはまだ早いかも・・・

【ヒラメキに従い用意したもの】
 工 具:ラジオペンチ、ドライバー、ヤスリ、千枚通し、ハサミ
 測定具:スケール(150&300mm)、ノギス
 固定具:Scythe SCCSI-775 CPUクーラースタビライザー775
 その他:シリコングリス、エアスプレー、両面テープ少々

大手裏剣Ⅱ(2009.6.18)
(写真1)
右:旧型手裏剣 ファン100mm ヒートシンク105mm。
左:大手裏剣 ファン120mm ヒートシンク125mm。

ファンの面積比 1:1.44
(写真2)
上からデジタルノギス、穴の径を計るスケール、
150mm&300mmスケール。
(写真3)
木工用の段差計測具 1/10mmまで計れる。
10年程前に自作。桜材使用。
(写真4)
右はScythe SCCSI-775。
左上2個の金具は旧型手裏剣用。
左下2個の金具は大手裏剣用。
 ネジを留める部分が変更されている。
 手裏剣Rev,2の金具は大手裏剣用と同じ。
 旧型手裏剣用が好都合。
(写真5)
大手裏剣用の固定金具を用い、特に留意することなくSG-05に取り付けた。(クランプは写真撮影のため)
(写真6)
上の写真の一部を拡大。大手裏剣は2.3mmケースからはみ出た。前回は1.3mmだった。ラフに取り付けると1mm程度は直ぐに差が出る。

では、2.5~3.0mmほど大手裏剣をケースの内側へ寄せる工夫をしよう。
(写真7)
大手裏剣の取り付け位置を3mm程ずらすためには一ヶ所だけの工夫では無理。各所から少しずつ捻出することになる。M/Bの取り付け穴は径3.8mm、使用するビスは3mm、つまり最大0.4mm確保できる。実際には、I/Oプレートの都合があるので、0.3mmが精一杯か。
(写真8)
段差計測具を使って大手裏剣のヒートシンク取り付け誤差を計る。

左右の誤差は0.3mだった。
もう少し誤差あると好都合だったのだが。
上の旧型手裏剣は1.2mmの誤差がある。
(写真9)
CPUクーラーの取り付け穴(FSB1333と刻印のある両側)。右はポリワッシャーを両面テープで固定。左は置いただけ。両面テープを使わないと取り付けに手間取る。この時、取り付け穴にビスを差し込んで正確に貼り付けよう。ポリワッシャの内径は4.2mm。
(写真10)
旧型手裏剣の取り付け金具を用い、取り付け穴の遊びを最大限に生かして取り付けた。ケースはみ出し分は0.2mm。
(写真11)
左の写真は旧型手裏剣の取り付け金具。その気になれば曲げられる。 ビスを留める穴の部分を写真下方向へ曲げれば、その分大手裏剣は上方向へ移動する。できれば、ここで1mm程確保したい。

強く曲げた時、ビス穴の位置が狭まる。この件については後述する。
(写真12)
旧型手裏剣の取り付け金具を1mm曲げたことにより、ケースはみ出し分はマイナス0.8mmとなった。

よしよし、これでケースカバーは大手裏剣に当たらない。問題は解決した。

だが、旧型手裏剣の取り付け金具がない場合はどうするか。大手裏剣用の取り付け金具では0.4mmの遊びを生かせない。金具がヒートシンクやコンデンサに当たる。ならば、その分を他で捻出しよう。

(写真13)
大手裏剣のヒートシンクはアルミ製。簡単に削れる筈だ。と言ってもヤスリやニッパーではなく、今回はダイアモンド砥石で試してみよう。

左の写真の内、左上から3番目の最も粒度の荒い砥石(#220番)を使った。
(写真14)
研ぎ桶。ここで大手裏剣を研いだ。ダイアモンド砥石は少量の水でOK。凡そ10分かかった。左のノズル付き容器は水差。中に竹炭が入ってる。
(写真15)
研ぎ上がった大手裏剣。
0.3mm研いで125.0mmが124.7mmになった。
エアースプレーでフィンの汚れを落として置こう。

「包丁研ぎにはダイアモンド砥石が一番だ」と言えば家族を説得しやすい。是非お試しを。
(写真16)
以上の結果、大手裏剣のはみ出しは、マイナス1.3mmとなった。

この値は取り付け金具の曲げ具合によって微妙に変化する。
(写真17)
上の写真を拡大した。目盛は1mm。スケール左の黒っぽい部分がケースカバーと大手裏剣との透間1.3mmだ。これで十分であろう。

一連の工夫で、2.3+1.3=3.6mm 大手裏剣を移動することができた。

各部の温度やノイズ等、動作テストは次回に・・・
大手裏剣Ⅲ (2009.6.23)
(写真18)
前節(写真11)で、取り付け金具を強く曲げた時、ビスの穴の位置が狭まると述べた。その様子は左の写真の通りである。取り付け金具は弓なりになっているが、上と下とでは湾曲の形状が異なる。金具を固定する大振りの手回しビスナットの取り付け穴には多少遊びがあるので、その移動可能な範囲で最大に曲げてみた。この時、バッププレートの穴の位置と合致するように微調節する必要がある。ビスがスムースに入るかどうか事前によく確認して置こう。

(写真19)
9300ITXに大手裏剣を収めた。チップセットヒートシンクには前回と同様40×20mmファンを載せた。
メモリはヒートスプレッダの有無に拘わらず大手裏剣の前に取り付けて置かないと後からでは無理。

【前回測定時から変更した点】
 ・スリムBDドライブUJ120をSATA→USB変換し、内部USBピンヘッダ接続した。
  その変換アダプタは2~3W消費するため、全体の消費電力はその分増えた。
 ・OSをWin7RC64bit版に入れ替えた。
 ・HDDをAHCIモードにした。
 ・EVEREST Ultimate Edition4.6からEVEREST Corporate Edition5.02に変更した。
  後者の方が少し高めの温度表示となる。

【大手裏剣と従来の手裏剣 アイドル時の各部温度】

大手裏剣と従来の手裏剣との比較をするために、両者を付け替えて計測した。併せて、SST-PT09B+9300ITX+C2Q8200sのデータを載せた。計測は6/21~22に及び、室温は同じ26℃でも微妙な差(最大0.9℃)がある。得られたデータは参考値程度に留めたい。

 【温度測定】 Everest5.02
 【室温】 26℃ (=25.5~26.4℃)
 【部屋の通風】 空気清浄機のみ
 【計測条件】それぞれ起動30分後に計測した

ケース
SS-SG05
SST-PT09B
OS
Win7RC 64bit
Win7RC 32bit
CPU
XEON L3110
C2Q 8200s
CPUクーラー
大手裏剣
手裏剣
桜扇 ISGC-100
ファン回転数
全回転
1620rpm
約70%
1140rpm
全回転
2200rpm
約70%
1520rpm
約70%
1140rpm
チップセットクーラー
M/B付属のヒートシンク
Noctua NC-U6
チップセットクーラーファン
40×20mm 約2000rpm
60×20mm 約1200rpm
CPU#1温度
36℃
37℃
38℃
39℃
36℃
CPU#2温度
44℃
44℃
44℃
44℃
42℃
CPU#3温度
-
-
-
-
36℃
CPU#4温度
-
-
-
-
31℃
MPC温度
48℃
51℃
52℃
53℃
43℃
GPU温度
43℃
46℃
47℃
48℃
38℃
CPUファンのノイズ
少し煩い
静か
煩い
静か
静か

【上表の結果について】
・手裏剣のファン全回転時のデータより、大手裏剣のファンを70%に減速した時の方が良い結果となった。その差は些かだが、Mini-ITXにとっては貴重な差だ。
・手裏剣のファン全開時より大手裏剣のファン全開時の方がノイズレベルは低い。一絞りすれば十分耐えられる。
・手裏剣から大手裏剣に交換する意味はある。但し、過大な期待は禁物かと。
・しかしながら、9300ITXにとって大手裏剣が最良の選択とは言えない。もしチップセットの上方に余裕があれば、従来の手裏剣または桜扇 + Noctua NC-U6 の方がより好成績だ。
・上表には記さなかったが、大手裏剣のファン及びチップセットクーラーファンを反転して吸い上げにした時、CPU温度は殆ど変わらず、MCP温度やGPU温度は1~2℃上昇した。

【ベンチ結果及びBD&DVDアプコン再生】

 【再生ソフト】 PowerDVD9Ultra 1719
 【使用BD】 007慰めの報酬
 【使用DVD】 R・シュトラウス「バラの騎士」C・クライバー
 【再生解像度】 1920×1080 
 【CPU使用率測定】 タスクマネージャー
 【温度測定】 Everest5.02
 【電力測定】 ワットチェッカー
 【室温】 26℃ (=25.5~26.4℃)
 【部屋の通風】 空気清浄機のみ

 ケース  SS-SG05
 OS  Win7RC 64bit
 CPU  XEON L3110
 CPUクーラー  大手裏剣
 CPUファン回転数  1140rpm 約70%
 チップセットクーラー  M/B付属のヒートシンク
 チップセットクーラーファン  40×20mm 約2000rpm
3DMark06
Score
1,848
Superπ
104万桁
16秒
Yume
1024×768最高
9,839
Windows7RC
Score
6.5 5.5 4.5 4.3 5.8

計測項目
アイドル時
BD
再生時
DVD
アプコン再生時
3DMark06ベンチ
ピーク時
 CPU#1温度
37℃
38℃
45℃
44℃
 CPU#2温度
44℃
44℃
45℃
46℃
 MCP温度
50℃
51℃
57℃
56℃
 GPU温度
45℃
46℃
52℃
51℃
 消費電力
39W
平均48W
平均71W
65W
 CPU使用率
0%
1~14%
平均7%
70~95%
平均80%
100%
*DVDのアプコンはPowerDVD9Ultra1719 TTHD=4 TTL=0 TTM=弱 で再生した。

(TTHD=TrueTeatre HD、TTL=TrueTeatre Lighting、TTM=TrueTeatre Motion)

手裏剣 + AINEX HV-6989 (2009.6.24)

前節で 大手裏剣 + M/B付属ヒートシンク + 40×20mmファンより、旧手裏剣(または桜扇) + Noctua NC-U6 + 60×40mmファンの方が良い結果が得られた。と述べたら、Noctua NC-U6は生産中止で流通在庫もなしとか。そこで代わりのチップセットクーラーを探した。あれこれ検討の結果、AINEX HV-6989を選んだ。ところが、そのままではヒートシンク同志が当たる。例によって手裏剣の取り付け金具を曲げてみよう。

これは簡単だった。前節とは逆に手裏剣が外側に移動するよう金具を曲げればよい。また、HV-6989の取り付け位置は多少融通が利くので苦労なく収めることができた。

だが、HV-6989はファンを取り付ける仕様ではない。ファンを載せるには一工夫しなくてはならない。そのためにはヒートシンクのフィンが平面上に配列されていなければならない。一見揃って見えるが、平らな板の上に置くとガタガタする。先ず、このガタガタを取り除こう。

(写真20)
我家にあって最も平面性の確かな物と言えば、鉋の裏出しに使う「金板」だ。この上でがたつきを確認しよう。2mmくらいの誤差があった。これではファンが歪んでしまう。

(写真21)
そこで、前回と同様ダイアモンド砥石を使って平面誤差を修整した。研ぎは凡そ5分。これでファンとピッタリ。

(写真22)
60×20mmファンは園芸用のビニタイで留めた。4ヶ所留めなので問題はないと思う。この時、ファンの取り付け穴付近に厚さ1mm径5mmのゴム材を両面テープで貼り付けた。ゴムを挿まないとビビる可能性がある。結果は左の通り。説得力のある姿だ。

M/Bへの取り付けは、HV-6989付属のプッシュピンではなくビスナットで留めた。

【アイドル時の各部温度】

 【温度測定】 Everest5.02
 【室温】 26℃ 
 【部屋の通風】 空気清浄機のみ
 【計測条件】起動30分後に計測


計測項目
アイドル時
 CPU#1温度
36℃
 CPU#2温度
44℃
 MCP温度
43℃
 GPU温度
38℃
ケースをSG05からSG06Sに替えた (2009.7.2)

その理由は、
 ・SG05はフロントファンが剥き出しのため内部のノイズが正面に漏れ易く、全体のノイズレベル
  が同程度でも煩く感じられる。吸気口を両サイドにすれば、多少は改善されるであろう。
 ・最近、黒ケースばかりなのでシルバーも良いかも。
 ・人柱のため。

ところが問題発生。上面及び左右の三方を覆うケースカバーがペラペラで、チョット触っただけでもペコポコ音がする。SG05のケースカバーも薄いが音は出ない。

さてどうするか。カバーを補強する他はない。では、その素材は。アルミ、鉄、プラスチック、木材等々か。ケースカバーを無理なく収めるためには、補強材の厚みは6mm程度が限界である。厚手のアルミや鉄は加工が難しい。薄手の素材を使ってL型にする方法もあるが、手持ちの素材は、それでも厚みが足りない。プラスチックでは撓みに弱い。では木材はどうだろうか。

手持ちの木材で比較的撓みに強い素材は、黒檀・ブビンガ・樫・カエデ等々。数年前、木工仲間から譲り受けた黒檀材は、L600・W150・T6mmで、今回の補強材としては最適だ。

(写真23)
黒檀の加工は手鋸では疲れる。
DELTA社のテーブルソーで幅18mmに切断した。
(写真24)
必要な長さに切断した。
長さを決める装置は10年ほど前に自作した。
精度は1/5mmくらい。
(写真25)
鏡に貼り付けた粘着式サンドペーパーで仕上げた。それぞれ410×110mm。
(写真26)
左の写真の通り、補強材を両面テープで貼り付けた。 メッシュ部分のみビスナットで留めた。更に天板に制振シートを貼り付けた。結果は極めて良好。もうペコポコしない。
(写真27)
シルバーのスリムBDドライブは見当たらないので黒にしたが悪くない。SS社の紹介写真より見栄えが良い。実際に使ってみるとスリムドライブ部分の凹みに納得する。メディアの出し入れに安心感があって好ましい。
桜扇ISGC-100 (2009.7.2)

(写真28)
ケースカバーに補強材を貼り付けたため、CPUクーラーを手裏剣より5mm出の少ない桜扇ISGC-100に替えた。別掲の「ZOTAC GF9300-D-E + C2Q Q8200s PartⅡ」で述べた通り、冷却性能は手裏剣に優るかもしれない。

(写真29)
桜扇に付属のファン(写真左)でも十分静かだが、Noctua社のNF-B9 92×25mmファンに替えてみた。殆ど差は無いようであるが、Noctua社のファンはノイズ成分が少し低音気味なので耳当たりが良い。だが、敢えて交換する程のことはないと思う。
このNoctua社のファンはPWMタイプではなく、抵抗を挿入して回転数を調節する仕様。付属の抵抗を使って約1000rpmに減速した。
picoPSU-150-XT (2009.7.2)

更に静音化するために、SG06付属の電源を外しpicoPSU-150-XTに替えた。 このDC-DCコンバーターは12V専用のため、ヤフオクで12V-150Wのアダプタを入手したのだが、その中古品には問題があった。このアダプタを繋ぐと、5.1chのサブウーファーからブーンとハム音がするのだ。アースの取り方を工夫すれば直るとは思うが、取り敢えず別の12V-110WタイプのACアダプタに替えた。やはりACアダプタ電源は静かで良い。picoPSU-150-XTの発熱も50℃を超えずまあまあだ。

ところがである。この110Wのアダプタを使って、2時間ほどDVDのアプコン再生(CPU使用率:平均65%)をしたら、アダプタ本体がかなり熱くなった。やはり150Wタイプが望ましいようだ。

60×20mmの排気ファンを取り付ける (2009.7.2)

さて、SG06の電源取付穴が丸空きなので、60×20mmファンをぶら下げた。結構良い風が吹き出している。ここでまた思案すること小一時間。ケースを改造すれば80mmファンの取り付けは可能だが、そのままでは60mmファンが限界。それでもファンの取り付け穴を新たに開けなくてはならない。ケースに傷を付けずに収める方法を考えよう。 そうだ、5mm厚程度の木材を使えばビスの頭は埋め込める。木材の取り付けは電源用のネジ穴を使えば良い。

(写真30)
L130・W68・T5mmの胡桃材を使って60mmファンの取付補助具を作った。ファン部分の穴は糸鋸盤で開けた。ケース背面の色に合わせてグレーに塗装した。(色が合わなかった。黒の方が良かったかも)
(写真31)
ファンの穴がずれて見えるが、これは写真を撮る角度のせい。穴は正確に空いている。

ネジの埋め込みに注目を。薄手のアルミ材ではこうは行かない。

Mini-ITXを始めてから木工房(元車庫)への出入りが増えた。カミさんが「包丁研いで」と五月蝿いので、万能包丁2・柳刃包丁1・出刃包丁1、併せて4本の包丁を研いだ。研ぎ場は木工房内にあるので止むを得まい。これも快適なPCライフのためだ。

フロントファンを交換した (2009.7.3)

かなり静かになった。これで良しとするか・・・。否、何処かで何かが唸っている。だが、なかなか原因が判らない。エアコンを回すと気付かない程度の音だが、深夜になればハッキリ聞こえる。ふと、ケースカバーを少し開けてみたらピタリと止んだ。どうもフロントファンが唸るようだ。このファンはケース付属のものではなく、800rpmのGentleTyphoonを600rpmに減速していた。SG05の時は何事もなかったのだが。

GentleTyphoonシリーズは、他のファンに較べて羽根の面積が広い。空気を吸い込む時の抵抗がその分大きいのかもしれない。吸入口が前面から両サイドになったことが原因のようだ。 ならば、羽根の面積が小さいファンに替えてみよう。 手持ちの中からNoctua社のNF-S12Bを選んだ。このファンは、付属の抵抗を使って600・900・1200rpmの3段階に調節できる。今回は600rpmに設定した。

(写真32 右がNF-S12B) 
左の写真の通り、羽根の形状と面積が全く違う。
結果は吉。唸りは止まり、更に静かになった。

最近、Noctua社のファンがあちこちで活躍するようになった。
12V-150W ACアダプタ (2009.7.3)

12V-110Wのアダプタをshort-circuit.comから購入した12V-150Wタイプに替えた。このアダプタはpicoPSU-150-XTと組み合わせ品なので間違いないであろう。否、ウーファーから極々些かにハム音が聞こえる。無視できるレベルだが、後では無理、今の内に対策を講じよう。しかしながら、発熱は治まった。12V-110Wタイプに較べるとかなり低い。(この件については、後日計測しよう)

(写真33) 
4種のACアダプタ。 左から、
 ・short-circuit.comから購入した150Wタイプ
 ・SST-PT09B に付属の120Wタイプ
 ・オリオスペックから購入した110Wタイプ
 ・Aopen S110BKに付属の90Wタイプ


写真
購入先
型番
容量
寸法
体積
左から
1番目
short-circuit.com
から購入
ST-C-150-
1200_1250CT
12V
12.5A
150W
169×85×45mm
約0.65L
左から
2番目
SST-PT09B
に付属
FSP-120-AAB
19V
6.32A
120W
167×65×37mm
約0.40L
左から
3番目
オリオスペック
から購入
EA11203A
12~17V
8.5A
110W
169×60×35mm
約0.34L
左から
4番目
Aopen S110BK
に付属
FSP090-DMAB1
19V
4.74A
90W
159×49×32mm
約0.25L

リアファンの大口径化 (2009.7.5)

Mini-ITX Nano-ITX Pico-ITX 総合 -21-スレの >>225 ラミ使い氏から、
 ・SG06の背面ファン6cmは小さすぎない?
 ・得意の工作で、10~12cmファンを斜めに付けてみてはどうですか?
 ・私の提案としては、ラミネータを使用しダクトを作成してみてはいかが?
との提案を受けた。

確かにSG06に60mmのリアファンでは物足りない。もう少し大きなファンに取り替えよう。
 ・リアパネルを加工すれば80~100mmのファンは取り付け可能。無理をすれば120mmも収まる
  が、その場合、リアパネルの強度が問題となる。
 ・リアパネルに穴を開けると元に戻らない。VGAカードを挿すなら150W程度のACアダプタ電源
  では容量が不足するばかりか、アダプタ本体の発熱が問題となる。SG06付属の電源の方が
  無難だ。一応、VGAカードの可能性を残して置こう。
 ・リアパネルに傷を付けず電源の取り付け穴を利用する場合、つまりファンを斜めに取り付ける
  ならば、これも80~100mmは楽勝、ギリギリ120mmも可能。

そこで、Micrografx Designerを使って実寸図を起こして検討した結果、
 ・ファンは92×25mmとする。
 ・傾ける角度は、水平状態から30度とする。
 ・ファンのハウジングは、アルミと木材のハイブリッド構成にする。
 ・ハウジング内の共鳴を抑えるため、内部にフェルトを貼り付ける。
 ・使用する素材は、4mm厚のMDF板、6mm厚の桜材、1mm厚のアルミ材とする。

4mm厚のMDF板を接合する場合、そのまま釘や木ネジ、或いはボンドで平留めにすると強度が心配。たとえ1mmでも切り欠きしたい。 切り欠きすれば二面接合となりボンド付けでも強度は得られる。但し、正確な切り欠きをするためにはルーター加工となる。

ルーターテーブル(8年前に自作した)の使用は半年振り、スムースに動作するか不安だった。案の定ルーターは回らない。原因を突き止めるためにオーバーホールした。ルーター内に目一杯切り子がこびり付いていた。これでは不調も当然だ。 ところが原因は他にあった。AC100V 3ピン-2ピン変換プラグが接触不良を起こしていたのだ。この手のトラブルはPCでもよくあることだ。

と言うことで、7/4は思案に明け暮れ、7/5はルーターテーブルの調整に時間を費やしてしまった。何とか七夕までには仕上げたい。

リアファンを斜めに取り付けるⅠ (2009.7.8)

数ある電動工具の中でもルーターは取りわけ便利だ。溝掘り・切り欠き・化粧仕上げなど、従来の手工具に較べて高速で精密な加工ができる。ところが、その便利さを生かす精度の高いルーターテーブルは高価なプロ仕様の製品に限られ、アマ用はどれも作りが貧弱だ。M社・P社・T社と3社の製品を使ってみたものの、刃高の調節や位置決めが甘く、満足の行く精度は得られなかった。結局、3馬力超の強力ルーター、精度約1/20mmの位置決め装置、そして同じく精度約1/20mmの刃高調節装置を代行輸入で求め、自作のテーブルに取り付けた。結果は上々、思い通りの細工ができるようになった。我家にある電動工具の中では最も気に入っている。

道具自慢はこれくらいにして、リアファンのハウジングを作ろう。

(写真34)
ハウジングに使う部材をテーブルソーで切断し、鉋で仕上げる。右は小物用鉋かけ台、その左は木端(板などに長手方向の両側の端面)の仕上用。この時、鉋は直角に立てて削る。何れの台も自作。
(写真35)
はじめ4mm厚のMDF板を使う予定だったが、一部木ネジを使うことにしたので5.6mmに変更した。

ルーターでMDF板を1mm、桜材は5.6mm切り欠いた。

緑色部分が刃の昇降装置、金色部分が位置決め装置。両者とも1/512inch(約1/20mm)の目盛がある。
(写真36)
小さな板を30度に切断する作業は、テーブルソーでは危険を伴う。糸鋸盤が最も安全。切断面は鉋で仕上げる。
(写真37)
薄板の面を30度に切断する作業は、更に面倒だ。DELTA社の帯鋸を使って写真の通り切断した。

後に見えるホースは集塵用。工房内には集塵ホースが縦横に走っている。
(写真38)
左右及び天板になるMDF板をボンドで接着した。当て木を添えてクランプで固定し、待つこと数時間。
(写真39)
92mmのファン取り付け板は、1.5mmのアルミ板を用いた。手持ちの1mm板はサイズ不足だった。Micrografx Designerで図面を起こしスプレー糊で貼り付けた。 アルミ板のサイズは、107×112mm。

直線から曲線にかわるポイントに2mmの穴を開けた。この穴に糸鋸の刃を通す。
(写真40)
糸鋸盤で穴を刳り抜いた。最近、糸鋸盤をよく使うので少し慣れた。
(写真41)
使用したスプレー糊と糊剥がし剤は左の写真の通り。糊剥がし剤は刺激臭に要注意。なるべく屋外で使おう。
(写真42)
完成したリアファン用ハウジング。
所用時間は、
 7/4 構想と製図:約6時間
 7/5 ルーターテーブルの調整:約4時間
 7/6 木材部分の製作:約5時間
 7/7 アルミ部分の製作:約1時間

(写真43)
PCケースに取り付ける部分は桜材を用いた。
天井に厚さ2mmのフェルトを貼り付けた。

(写真44)
MDF板とアルミ板は、2×8mmの木ネジで留めた。この時、MDF板に径1.7mmの下穴を開ける。この作業を怠るとMDF板は直ぐに割れる。

(写真45)
ファンの選択に迷う。取り敢えずXINRUILIAN社のRDL9025SBK20 92×25mm 2000rpmを選んだ。
(写真46)
無事SG06に収まった。塗装につては思案中。

では、4日がかりの労作の成果は如何に・・・

前回の60mmファンと92mmファン斜め取り付け法を較べると、

 ・92mmファンの回転数約1000rpm、CPUファン吹き下ろしの時、
  CPU温度・MCP温度とも、60mmファンの時とあまり変わらず。
 ・92mmファン全開2000rpm、CPUファン吹き下ろしの時、
  CPU温度は殆ど変わらず、MCP温度はやや上昇する。

 ・92mmファンの回転数約1000rpm、CPUファン吸い上げの時、
  CPU温度・MCP温度とも、1~2度上昇する。
 ・92mmファン全開2000rpm、CPUファン吸い上げの時、
  CPU温度は些かに上昇、MCP温度は数度上昇する。

以上の結果から、背面に60mmファンを素直に取り付けて低速で回転させた時のデータが最も良好だった。リアファンを強力にすると、チップセットクーラーに取り付けた60mmファンの効果を損ねるようだ。


【みなさんありがとう】 (2009.7.9)

本ページは7/8 12:30に更新以来、12時間で300アクセス、サイト全体では1300アクセスを超えました。多くの方にご覧を頂き嬉しく思います。そして、2ch Mini-ITXスレのみなさんから激励や提言を受けました。返信が少し長くなりますので本節で申し述べます。

Q、>>380 「爺さんどんな悪さすればそんな金持ちになれるのか教えてくれw」
A、悪さはしていません。金持ちでもありません。工具類の総額は小型車一台分くらいです。
  5年ほどで揃えました。

Q、>>381 「エアフローを大幅に見直すことになるかもしれませんが斜め取り付けのファンを
  吸気にしてCPUファンも吹き下ろしにしてみるとどうでしょう」
A、はい、試してみます。

Q、>>389 「すげえな。どのPCも堅実な構成だな」
A、仕事用半分、道楽用半分なので、低発熱・静音・省電力、そして安定性を重視して作って
  います。そのために省電力タイプのCPUを選び、大きめのファンをゆらゆら回しています。

Q、>>390 「爺さんになら俺の母ちゃん貸してやってもいいぜ!」
A、有り難くお受けしたいと思います。但し、人畜無害で宜しければ。

Q、>>391 「爺さん、Mini-ITXでゲーム機つくってくれ」
A、以前まな板組で 9300ITX + Noctua NH-U9B + HR-05/IFX を試したことがあります。
  この組み合わせなら中スペックのVGAカードは載せられます。ところが収まるケースが
  見当たりません。もし自作するとなれば、SG06より少し背が高くなり、限りなくMicro-ATX
  用ケースに近付いてしまいます。爆音PCで良ければ簡単に作れますが・・・

リアファンを斜めに取り付けるⅡ (2009.7.10~12)

四日がかりで作った斜め取り付けリアファン用ハウジングをどうするか。あまり芳しくない結果となったが、このまま没にするのは忍びない。

ファンを排気ではなく吸気にしてはどうだろうか。この手法は、別掲の「ZOTAC GF9300-D-E + C2Q Q8200s Ⅰ」で使った二番煎じの感はあるが、兎に角一度試してみよう。

結果は吉だった。室温27.8℃、起動1時間後のアイドル時各部温度は、

 CPU#1:36℃ CPU#2:44℃ MCP:43℃ GPU:38℃ HDD:32℃
60mm排気ファンの時と全く同じ値だが、室温が2℃上昇していることを考えれば十分効果は認められる。そこで、天板のメッシュを全て塞いでしまった。全く問題ないばかりか、全体にノイズレベルは下がり、かなり快適になった。

更に、天板の上が有効に使えて好都合。適当なトレーを置けば飲み物もOKだ。 予定していた別の方法は先送りにして、暫くこのまま様子を見ることにしよう。 

(写真47)
ハウジングを当分使うことにしたので塗装した。先ず砥の粉で目留めをした。しなくとも良いが仕上げが違う。この後、サンドペーパー&ウェスで余分な砥の粉を落とした。写真中に見える棒は三角状。
我家では塗装時の必需品。
(写真48)
艶消しの黒に塗装した。刷毛はスポンジ製。 塗りむらができにくく使い易い。
(写真49)
黒く塗ったリアファン斜め取り付けハウジング。
一見、黒のSFX電源に見える。

PC木工はこれくらいにして、次回は3波対応のデジタルチューナーを試してみよう。Win7RC64bit版で動作するかどうか・・・
3波対応デジタルチューナーGV-MVP/VS (2009.7.13)

以前、別のPCにIO-DATA社のGV-MVP/HS2を取り付けたところ「BSの映らないTVじゃやだ」と家族に言われ、すごすごと引き下がった苦い経験がある。そこで3波対応デジタルチューナーGV-MVP/VSなら納得して貰えるだろう、とこのWindows7RC64bit版に入れてみた。結果は×。ドライバやアプリは素直にインストールできたが、チャンネル収得時にブルー画面となり、自動的に再起動がかかる。3度試したが結果はみな同じ。このGV-MVP/VSはVista64bit版に対応とあり期待したが、Win7RC64bit版には未対応のようだ。何れバージョンアップされるまで待つことになりそうだ。今更Vistaには戻りたくない。

Win7RC64bit版は動画の再生が綺麗か? Ⅰ(2009.7.15)

最近はBDの再生ばかりでDVDの出番は少なかったのだが、このPCを使うようになって何故かDVDのアプコン再生が増えた。BDよりDVDのアプコン再生の方が格段にCPU使用率が高いことから、そのテストを繰り返す内、自分好みの設定が判ってきたようだ。すると画質が不満であまり観なかったDVDを次々に引っ張り出すようになった。そして、何台かのPCで見比べ、このWin7RC64bit版での再生が最も綺麗ではないかと思い始めた。DVDのアプコン再生をすると、アルバムよってはジャギーが目立ち輪郭が汚れることがあるのだが、Win7RC64bit版ではアンチエイリアス効果が良く利くのか、輪郭の汚れが少なく滑らかに感じる。果たして本当にそうであろうか。単なる気のせいかもしれない。けれども、この手の評価は難しい。 一人の判断では思い込みに左右され易い。少なくとも3人以上で見極めたい。そのためには時間がかかる。

Win7RC64bit版は動画の再生が綺麗か? Ⅱ(2009.7.18)

3人での確認は少し先になるが、DVD「崖の上のポニョ」で較べてみよう。

← 写真をクリックすると全画面表示となる。
 オリジナル画面の掲載は、著作権に抵触する恐れがあるため、
 後日リンクを解除します。念のため256色に減色しました。

左上の写真はWin7RC32bit版、左中の写真は同64bit版よるDVDアプコン再生画面。
PCはいずれも9300ITX。

再生ソフトは、PowerDVD9Ultra 1719 TTHD=3、TTL=1、TTM=弱
 *TTHD=TrueTeatre HD
 *TTL=TrueTeatre Lighting
 *TTM=TrueTeatre Motion

全く同じ設定にも拘わらず、発色とコントラストが違う。一見したところ上の方が綺麗に見えるが、実はそうとも言えない。写真では判りにくいが、よく見ると64bit版の方が些かにエッジの処理が滑らかだ。

ポニョではなく古いDVDをかけるとその差は更に顕著となる。人によっては32bit版の方が良いと言うかもしれないが、長く見続ければ64版の方に軍配が上がると思う。

その違いが32bitと64bitのOSの処理能力の差によるものか、ドライバの差によるものか、今のところ原因は不明だ。
左下の写真は、Win7RC64bit版でPowerDVD9Ultra
1719 アプコン効果なしの画面。エッジの汚れはないが、ピントの甘い写真に見える。
Windows7 Ultimate 64bit DSP版 (2009.10.23)

Win7 Ul 64bit DSP版をクリーンインストールした。OS本体のイントール所要時間は30分、OSのUpdataに15分、その他諸々のUpdateに15分、合計1時間。

 【Win7スコア】 6.5 5.9 4.6 5.5 5.8 (RC版では 6.5 5.5 4.5 4.3 5.8)
 【Yume1024最高】 9849
 【Superπ104万桁】 16秒
 【3DMark06】 1893
 【アイドル時消費電力】 34W (BIOSを最新版に替えたら数W減少した)
 【起動時ピーク消費電力】 58W
 【スリープ時消費電力】 31W ← ボクの勘違い
 【ベンチ時ピーク消費電力】 82W
 【電源OFF時待機消費電力】 1W

・ベンチ結果はRC版の時より些かに良好。
・Virus Softなしの時、起動時間は50秒。
・細部の確認とアプリのインストールはまだ。

今日はここまで。


スリープ時消費電力の件、知らぬは自分ばかりだった。ACPIモードを S3(STR)にして問題は解決した。本機のスリープ時消費電力は3Wになった。これまでスリープ機能を使っていなかったとは言え、恥ずかしい限りだ。ご免なさい。

助言を戴いた「Mini-ITX Nano-ITX Pico-ITX 総合-25-」スレの>>442 さんに深く感謝します。ありがとうございました。 (2009.10.24)

3波対応デジタルチューナー GV-MVP/VS が開通した (2009.10.24)

GV-MVP/VSがようやく開通した。9月に試したVista用ドライバ3.01ではダメだったが、Win7用ドライバ3.10では問題なく視聴できるようになった。 気が付いた点を上げれば、

・起動が遅い。P社のカードも遅いが。
・P社のカードに較べて放送波の変更に時間がかかる。
・デフォルト設定では少し白けた画面だったが、再生エフェクトタブの明るさとコントラストを
 調整したら、かなり見易くなった。
・視聴ソフトはP社のStationTVより使い易いかも。
・このカードは同社のGV-MVP/HS2より低発熱。
・開通後2時間。 まだ安定性については判らない。

 【GV-MVP/VSを挿す前のアイドル時消費電力】 34W
 【GV-MVP/VSを挿した時のアイドル時消費電力】 36W
 【Full-HDでBS hi視聴時の消費電力】 45~50W

つづく・・・