Mini-ITX

INTEL DH57JG + Pentium G6950   最終更新日 : 2018/05/02

12月はDFI P55-T36 + Xeon L3426、1月はD510MO、2月はZOTAC H55-ITX + i3 530、
そして、INTEL DH57JG + Pentium G6950。

相変わらず凄まじいペースだ。そんなに作ってどうするの、と言われること間違いなし。
だが心配には及ばない。小型静音省電力PCが主流になりつつある昨今、それぞれ嫁入り先は決まっている。と言い訳を述べておこう。

では INTEL DH57JG + Pentium G6950 の顛末を紹介しよう。
本ページの前半部分は「あれこれテスト」ページから転載した。 (2010.3.2)

リテールクーラーの改竄 (2010.2.28)

今日(2/28)昼頃、DH57JGが届くことになった。2chスレの情報によれば、田コネがM/Bのど真ん中にあることからCPUクーラー選びが難しく、H55-ITXで実績のある桜扇 ISGC100は不可とのこと。Dynatron K129ならどうにかなりそうに思えるが三連続は避けたい。手元にある他のクーラーはどれも大きい。とするとリテールクーラーか。L3426に付属するクーラーは比較的静かではあるが他のLGA1156に付属する同型クーラーはやや五月蝿い。使い込めば更にノイズは増すであろう。

考え込むこと小一時間。そうだ、リテールクーラーのファンを交換すれば良い。
ファンとプラプッシュピンとが一体になっているためこれまで躊躇してきたが、他に方法がなければ止むを得まい。両者を切り離そう。

斯くして金ノコの登場と相成った。
案ずるより産むが易し、心配されたプラプッシュピン部分の強度低下もそれほどではなかった。
(i5-750用クーラーが犠牲になった)

切り離したCPUクーラーのヒートシンク&プラプッシュピン取付部分は24mm高。
これに25mm厚のファンを載せれば凡そ50mm、12mm厚なら30mm台後半に収まる。
ファンの取り付けは、例によってPF-Leval Armを使えば良い。

この目論見は吉とでるか否か・・・   (2010.2.28 AM2:00)

DH57JGが届いた (2010.2.28)

2/28 AM11:00、DH57JGが届いた。早速CPUクーラーを試した。
 ・昨夜細工したリテールクーラー:OK
 ・Dynatron K129:OK (但し、バックプレートは使えない)
 ・桜扇 ISGC100:↓

桜扇 ISGC100の場合、そのままでは不可だがヒートパイプを少し曲げれば取り付けできそうだ。試しに親指の腹で強く押してみた。思いの外簡単。田コネに当たらない程度曲げた。
後からの抜き差しは無理だが、先にケーブルを田コネに挿しておけば十分使えそうだ。

【桜扇 ISGC100と田コネの絡み】
ケーブルはpicoPSU150付属品(プラグイン式)
他の電源を使う場合は延長ケーブルが必要か。

以下の構成でまな板に組んだ。
 【CPU】 Pentium G6950
 【CPUクーラー】 桜扇 ISGC100
 【M/B】 Intel DH57JG
 【MEM】 CFD DDR3-1333 1GB×2
 【SSD】 Transcend TS128GSSD25S-M (他のPCから一時流用)
 【BDドライブ】 Pioneer BDR-S05J (毎度テスト用)
 【電源】 picoPSU150 + 150W ACアダプター
 【OS】 Win7HP32

結果は、
 【Win7スコア】 6.1 5.5 4.3 4.9 5.9
 【3DMark06】 1284 (SM2:390 SM3:512 CPU:2395)
 【Yume1024×768最高】 6676
 【Superπ104万桁】 16秒
 【アイドル時消費電力】 20W
 【3DMark06ベンチ時ピーク消費電力】 53W
 【BD再生】 良好(PowerDVD9Ultra2528)
 【DVDアプコン再生】 良好(PowerDVD9Ultra2528)

桜扇は写真写りが良い。
このM/BのFront panel headerは右上隅にある。ケースによっては届かないかも。
桜扇 ISGC100はM/Bの裏からナットで留める。

どう見てもバックプレートの取付は難しい。
CPU固定金具にFOXCONNの刻銘が・・・
次にTITANのENTERTAINERを試してみよう。

どこにも当たらず収まった。
ファンの軸音が少し煩いが、好みの92mmファンに交換可能なので良しとしよう。
冷却能力は桜扇 ISGC100より好成績。CPU温度は2~3℃下がった。
ところが少々問題あり。ヒートパイプと拡張スロットが接近するため、カードによってはVGAクーラーの留め金に当たる。要注意だ。

クーラーを逆向きに取り付ければ良さそうに見えるがそうは行かない。拡張スロットは使用不可になる。

次は改竄したルテールクーラーの番だ。 クーラーだけではなくCPUをi5-661に交換し、TBが発動するかどうか試してみよう。

 ・TBの発動を確認した。133MHz×27≒3600MHzで動作した。
 ・BCLK146MHzでの動作も確認した。146MHz×27≒3950Mhz OK。
(2010.3.1 AM2:20)

高さ37mmのLGA1156クーラー (2010.3.2)

DH57JG + i5-661の結果は、
 【Win7スコア】 6.9 5.5 4.9 5.5 5.9
 【3DMark06】 1981 (SM2:601 SM3:791 CPU:3648)
 【Yume1024×768最高】 10126
 【Superπ104万桁】 12秒
 【アイドル時消費電力】 20W
 【3DMark06ベンチ時ピーク消費電力】 80W
 【BD再生】 良好(PowerDVD9Ultra2528)
 【DVDアプコン再生】 良好(PowerDVD9Ultra2528)

H55-ITX + i5-661の時より多少成績は劣るが、これはメモリが2GBに半減したことによるものと考えられる。総じて良好な結果と言えよう。特にアイドル時消費電力20Wは素晴らしい。

ではBCLKを133MHzから146MHzに上げたらどうなるか。ベンチ結果は全体に向上するが、CPUファン120×12mmでは厳しい。高負荷時CPU温度は60℃を超える。やはりOCするなら、もう少し強力なクーラーに換えたい。今回はPentium G6950を使ったローコストPCに仕上げる予定なので120×12mmファンで良しとしよう。 

CPUファンはScythe KAZE-JYUNI Slim1200rpm。
可変抵抗を使って1000rpmに減速した。
OCするには力不足。
高さ37mmのLGA1156クーラーが出来上がった。
これなら薄手のケースにも収まるだろう。

【余談】
現在 3/2 AM7:00 朝飯前。昨日から閲覧不能になった2chがまだ復旧しない。これほど長時間の不通は初めて(?)のことと思われるので記録に留めて置こう。

JPS-T3500M付属のACアダプタ電源 (2010.3.2)

ではケースをどうするか。今回は廉価&極小路線。となれば候補は限られる。
S110は前に使った。あれこれ各社のケースを見比べた結果、JPS-T3500M80Wを選んだ。
 T3500M W200×H92×D235 4.32L
 S110   W190×H83×D200 3.15L

S110より一回り大きいが、それでも十分コンパクトだ。このケースの評判は余り耳にしない。
人気がないのだろうか。確かに曲線仕上げのデザインは好みが分かれるかもしれない。

心配な点が幾つかある。
 ①抑も今回の改竄リテールクーラー付きDH57JGは収まるだろうか。
 ②付属のACアダプタ電源は使えるだろうか。容量80Wで足りるか。鳴きは入らないか。
 ③このケースにはファンが一つもない。メッシュ構造とは言え、内部の温度上昇はどうだろうか。

順に確認する他はない。先ず②について検証しよう。 (室温22℃)
現在まな板で使っているpicoPSU150を外し、T3500M付属のACアダプタ電源に換えてみた。
 ・アイドル時消費電力は2W増し22Wになった。
 ・アイドル時のACアダプタ外部表面最高温度は35℃、DC-DC基板最高温度も35℃。
 ・DC-DC基板に豆ヒートシンクを貼り付けた。効果は僅か。

このPCで最も消費電力が多くなる場面はDVDのアプコン再生時であろう。
そこでDVDを1時間ほどかけてみた。
 ・消費電力は52~54W。(BD再生時は45~48W)
 ・ACアダプタ外部表面最高温度は48℃。DC-DC基板最高温度は51℃。
  ケースに収めれば更に温度は上昇するであろう。夏場が心配だ。

次に、ACアダプタをpicoPSUで使った150Wタイプに換えてみた。(DC-DC基板はそのまま)
 ・アイドル時消費電力は22Wで変わらず。
 ・アイドル時のACアダプタ外部表面最高温度は24℃、DC-DC基板30℃台。
 ・DVDアプコン再生時消費電力は51~53W。(BD再生時は44~47W)
 ・DVDアプコン再生1時間後のACアダプタタ外部表面最高温度は39℃。
  DC-DC基板最高温度は51℃。

以上の結果を踏まえ、
 ・T3500M付属のDC-DC変換基板は使う。(廉価路線なので)
 ・現在i5-661を載せているが、G6950ならもう少し消費電力は下がるであろう。
 ・DC-DC変換基板に40mmファンを載せる。
 ・ACアダプタについては更に検証を進める。

Lynnfield CPU で試す (2010.3.3)

このままケースに収めて一丁上がりでは物足りない。 本ページをご覧の多くの方は Lynnfieldではどうか気になるのでは。そこで、その期待を裏切らぬために、先ずi5-750で試してみよう。

i5-750で試すならVGAカードは必須。350WのSFX電源に換え、HD5670を載せた。
結果は、
 【Win7スコア】7.3 5.5 7.0 7.0 5.9
 【3DMark06】11236(SM2:4066 SM3:4986 CPU:4322)
 【Yume1024×768最高】51443
 【Superπ104万桁】14秒
 【アイドル時消費電力】46W
 【3DMark06ベンチ時ピーク消費電力】137W
 【アイドル時CPU温度】29~38℃ (コアによって様々 Everest5.30読み)
 【高負荷時CPU温度】55~58℃

DH57JGのマニュアルではi5-750はサポート外となっているが、TBも発動し3.2GHzで動作した。メモリを2GBから4GBに増量すれば更に良い結果が得られるであろう。

だが、P55-T66の時に比べてCPU温度は5~8℃高い。DH57JGにi5/i7シリーズを載せるなら強力なクーラーを使うことになろう。INTELがサポート外にした理由はこの辺りにありそうだ。

う~ん、まだ不満そうな声が聞こえてくる・・・ はい、L3426は明日試します。(2010.3.3 AM0:30)


都合により予定を変更し、急遽 DH57JG + L3426 + HD5670 を試すことにした。
 【Win7スコア】7.3 5.5 7.0 7.0 5.9
 【3DMark06】10816(SM2:4063 SM3:4993 CPU:3455)
 【Yume1024×768最高】52241
 【Superπ104万桁】13秒
 【アイドル時消費電力】43W
 【3DMark06ベンチ時ピーク消費電力】118W
 【アイドル時CPU温度 Everest 5.30読み】32℃
 【アイドル時CPU温度 H/W Monitor 1.15読み】71~74℃
 【高負荷時CPU温度 Everest 5.30読み】43℃
 【高負荷時CPU温度 H/W Monitor 1.15読み】76~84℃

・TB・HTとも発動し3.2GHzで動作した。
・H/W Monitor 1.15はL3426に未対応と思われる。
・ヒートシンクの実測温度は高負荷時45℃程度。
・i5-750に比べて3DMark06 CPU値が思わしくない点が気になる。
・今のところ他に問題は見当たらない。

本日はこれまで。 (20103.3 AM2:40)

昨夜はベンチテストを連続して行い、尚かつ室温が25℃近くまで上昇したため、アイドル時CPU温度が高めにでた。再測定値(室温21℃)は左の通りである。

← クリックすると拡大します。
OCするか否か (2010.3.3)

DH57JGでL3426が動くとなれば話は変わる。OCに挑戦したくなる。
その前に、INTELはなぜLynnfield CPUをサポート外にしたのか推理して見よう。

 ・ZOTAC H55-ITXはLynnfield CPUをサポートしている。
 ・Lynnfield CPUはClarkdale CPUよりTDP値が高い。
 ・Lynnfield CPUはTB/R値(Turbo Boost時のClock/定格Clock)が高い。
 ・プロセスルールはLynnfield:45nm、Clarkdale:32nm。
  発熱量はLynnfield CPUの方が多いと考えられる。
 ・Mini-ITX M/BはMicroATXやATXに比べて狭いケースに収められ排熱機能も貧弱なため、
  熱耐性に問題が生じ易いのではないか。
 ・Mini-ITX M/Bの中にはTDPを65Wまでと制限し、更に高いTDPのCPUを載せる場合は、
  冷却能力に十分余裕のあるクーラーの使用を推奨している例もある。

つまり、Lynnfield CPUをサポート外にした理由は、一重に発熱量の問題ではないだろうか。



Name
Rating
Clock
Core
/Thread
TurboBoost
Clock
L3
TDP
GPU
Clock
Process
Rule
TB/R
Lynnfield
i7
870
2.93GHz
4C/8T
3.60GHz
8MB
95W
-
45nm
1.229
i7
860
2.80GHz
4C/8T
3.46GHz
8MB
95W
-
45nm
1.236
i7
860S
2.53GHz
4C/8T
3.46GHz
8MB
82W
-
45nm
1.368
i5
750
2.66GHz
4C/4T
3.20GHz
8MB
95W
-
45nm
1.203
i5
750S
2.40GHz
4C/4T
3.20GHz
8MB
82W
-
45nm
1.333
Xeon
L3426
1.87GHz
4C/8T
3.20GHz
8MB
45W
-
45nm
1.711
Clarkdale
i5
670
3.46GHz
2C/4T
3.73GHz
4MB
73W
733MHz
32nm
1.078
i5
661
3.33GHz
2C/4T
3.60GHz
4MB
87W
900MHz
32nm
1.081
i5
660
3.33GHz
2C/4T
3.60GHz
4MB
73W
733MHz
32nm
1.081
i5
650
3.20GHz
2C/4T
3.46GHz
4MB
73W
733MHz
32nm
1.081
i3
540
3.06GHz
2C/4T
-
4MB
73W
733MHz
32nm
-
i3
530
2.93GHz
2C/4T
-
4MB
73W
733MHz
32nm
-
Pentium
G6950
2.80GHz
2C/2T
-
3MB
73W
533MHz
32nm
-


以上の推理に基づきリテール品より冷却能力の高いクーラーを探そう。と言ってもCPUの位置がメモリと拡張スロットに近く、120mmファン登載のクーラーは無理。92mmファン登載タイプを検討することにしよう。(件の改竄クーラーは例外)

上の方で試した桜扇ISGC100やENTERTAINERはヒートシンクのボリュームに不満が残る。改造しなくともDH57JGに載り、尚かつ拡張スロットを犠牲にしない中型クーラーはあるだろうか。

OC注意報 (2010.3.4)

では、BCLKを上げる算段をしよう。
 ・クーラーをNoctua NH-U9B SE2に換えた。
  拡張スロットへの影響はないがファンがメモリに被る。それでもどうにかギリギリ収まった。
 ・メモリを一気に2GBから8GBに増量した。

先ず、定格値133MHzの一割増し146MHzで行こう。
結果は、
 【Win7スコア】7.2 7.5 7.0 7.0 5.9
 【3DMark06】10959(SM2:4045 SM3:4974 CPU:3786)
 【Yume1024×768最高】52414
 【Superπ104万桁】12秒
 【アイドル時消費電力】42W
 【3DMark06ベンチ時ピーク消費電力】128W

 ・Win7スコアのメモリ値が5.5から7.5へ大幅にアップした。
 ・3DMark06 CPU値は3455から3786へ一割アップした。
  だが、i5-750の場合はメモリ2GBでも3DMark06 CPU値は4322だった。
 ・その他の値はあまり代わり映えしない。

う~ん、今一つだ。
ならばP55-T36の例に倣い、BCLKを133MHzの二割増し160MHzに上げてみよう。
結果は、

 POSTせず BIOSをクリアしてもダメ 電池を抜いて暫く放置してから挿し直してもダメ

M/Bが逝ったか さあ、どうしよう・・・ 
こうした時はジタバタしても始まらない。全ての部品を取り外して寝るに限る。(2010.3.4 AM0:30)


3/4早朝、恐る恐る部品を元に戻して電源ON。 昨夜のトラブルが嘘のようにPOSTした。
つまり、DH57JGのBCLK限界値は146~160MHzの何処かにあることが判った。
とするとOCの旨味はない。定格動作でクーラーやケースを薄型にした方がメリットは大きい。

よって、今回もまたOCは見送ることになった。 (2010.3.4 AM7:30)

絵と音 (2010.3.5)

再びG6950に戻しVGAカードも外した。
 ・CPU温度よし
 ・Event Viewerにエラー表示なし
 ・Everest5.30やH/W Monitor1.15に不都合な点は見当たらない
 ・BDの再生よし
 ・9UltraによるDVDアプコン再生・・カクつく 時々画面が流れる
 ・TMT3によるDVDアプコン再生・・音が出ない

どうしたことか快調だったDVDのアプコン再生がおかしい。
前回からの変更点は、
 ・幾つかのWin7ファイルがUpdateされた
 ・Intel Graphic Media Accelerator HD を最新版にUpdateした
 ・TMT3をVer.3.0.1.161からVer3.0.12.170にUpdateした

やはりG6950では力不足か、否、前回は問題なかった筈だ。考え込むこと?時間余り。
先ず、TMT3の問題を解決しよう。最も手っ取り早いのは前のバージョンに戻すことだ。
 ・TMT3から音が出た
 ・9Ultraのカクカクも直った
 ・Media CenterからTMT3も9Ultraも問題なく再生できた
何のことはない。TMT3の新パッチが悪さをしていたようだ。

では、DH57JG内蔵GPUの感想を述べよう。
 ・発色・コントラスト・画質とも悪くない γ値を弄らなくとも済む
 ・特にDVDアプコン再生時の映像は好ましい
 ・少し木目は荒いが、某社のカードに比べれば十分良好

また、DH57JG登載のRealtek ALC889の音はどうだろうか。
 ・24bit96KHzをサポートする
 ・少し硬めの音質だが On Board Soundとしてはかなり良い

小煩いことを言わなければ、DH57JG & G6950登載のデバイスで絵も音も十分と言えよう。
                                          (2010.3.5 AM0:30)


以下の節は、始めH55-ITXのページに置いたものの、ある不都合が生じたため移動してきた。

LPスロット用ファンコンをつくる (2010.3.6)

「こっちの方が絵がキレイ、交換してよ」と家人にせがまれた。
家人は無類の映画好き。暇さえあればBSを観ている。家人用のPCは9300-ITX。お気に召したのは DH57JG+i5-661。確かに両者を比べればJGの方がキレイだ。

このことは薄々気になっていた。実は最近、GF9300やGF9400ばかりかGT210もGT240も動画の再生が芳しくないのだ。半年前まではそうではなかった。画質に限って言えば、ATIとの差は拡がっているように思える。特に地デジ画面の差は大きい。誰が観ても明らかだ。 ドライバのバージョンによっては良好なこともあるので、今後に期待をかける他はない。

仕方がない。交換しよう。だが、i5-661は職員用なので、i3-530で手を打つことにした。となるとVGAカードを外して地デジカードを挿さなくてはならない。それも3波対応でなくてはダメなのだ。

さて、ここで問題。地デジカードは以外に熱を持つ。ファンを載せる程ではないがエアフローは十分確保したい。ところが、交換するIN-WIN MS651Bの拡張スロット付近にファンはない。隣接スロットを開放にすると虫が入る恐れがある。ならば、風通しの良いスロットカバーブラケットを探すことにしよう・・・ だが、見付からない。そうした時は自作する他はない。

う~ん、何事も序でだ。ファンコンも取り付けよう。ところで、これまでLPスロット用ファンコンはあっただろうか。聞いたことがない。そうした小物づくりは現在進行中のケースづくりの練習にもなり好都合だ、と理屈を付けておこう。

ファンの回転数制御法は色々あるが、可変抵抗を挿入する方法が最も簡単だ。抵抗値は100~200Ωで良いだろう。手元に16φのボリュームがある。半田付けをすれば直ぐに使える。

だが、使い物にならなかった。
発熱が酷いのだ。よく調べたら0.1Wクラスだった。
このまま使い続けたら、炭素皮膜が焼損しファンは停止するであろう。

そこで、中学時代の理科を復習し、オームの法則により何Wクラスのボリュームを使ったらよいか計算した。

ファンコン用可変抵抗の電力 (12V駆動の場合)
ファンの
定格電流
ファンの
内部抵抗
挿入抵抗
100Ω
90Ω
80Ω
70Ω
60Ω
50Ω
40Ω
30Ω
20Ω
10Ω
0.30A
40Ω
0.735W
0.767W
0.800W
0.833W
0.864W
0.889W
0.900W
0.882W
0.800W
0.576W
0.25A
48Ω
0.657W
0.681W
0.703W
0.724W
0.741W
0.750W
0.744W
0.710W
0.623W
0.428W
0.20A
60Ω
0.563W
0.576W
0.588W
0.596W
0.600W
0.595W
0.576W
0.533W
0.450W
0.294W
0.15A
80Ω
0.444W
0.448W
0.450W
0.448W
0.441W
0.426W
0.400W
0.357W
0.288W
0.178W
0.10A
120Ω
0.298W
0.294W
0.288W
0.279W
0.267W
0.249W
0.225W
0.192W
0.147W
0.085W

よって、ファンの定格値が12V 0.1~0.2A程度なら、0.5Wクラスのボリュームとなる。安全率2を掛けて1W。そうなると炭素被膜タイプではなく巻線タイプの製品から探すことになる。 だが安くない、炭素被膜タイプの?倍もする。

そこで、図面を起こし1.5mm厚のアルミ板で工作した。所用時間は約1.5時間。

【可変抵抗】
左、巻線仕様 1.2W 25φ
中、炭素皮膜仕様 0.25W 16φ
右、炭素皮膜仕様 0.1W 16φ
【LPスロット用ファンコン】
ブラケットに 12×3mmの風穴を 6個所開けた。
1.5mm厚では差込み部分が嵌らないのでクサビ状に削りだした。そのためスロットと良く密着する。
(風穴は糸鋸盤を使って開けた)
長いケーブルは12V供給端子へ
短い方はファンへ繋ぐ
地デジカードは熱い (2010.3.8)

H55-ITX+i5-530に地デジカード IO-DATA GV-MVP/VS を載せたところ、何故かカードを認識しない。考えられる幾通りかの方法を試みたが×だった。カードの不調や接触不良も疑ったが、他のM/Bでは何事もなく動作するので、H55-ITXとの相性問題の疑いが濃い。

やむなくM/BをDH57JG + G6950に換えた。今度は問題なく地デジカードを認識した。ところが、DH57JG用に考えていたケース JPS-T3500M80Wには拡張スロットがない。そこで H55-ITX用のIN-WIN BM651Bと交換することにした。

全ての部品をケースに収め地デジを試運転した。地デジカードは予想以上に熱い。TVを1時間も掛け続ければ、ケース内の温度は50℃以上になる。前節の風穴付きLPブラケットでは焼石に水。やはりファンが必要だ。 抑も、この地デジカードを取り付けた場所はBM651Bの中でも最も風通しの悪いところ。このままではCPUやHDDの温度も相当高くなる。

そこで、地デジカード GV-MVP/VSにヒートシンクを貼り付けた。(VGAクーラー用豆ヒートシンクを使った)
次に、地デジカードとHDDの間に80×15mmファンを増設した。 (かぎ爪型ブラケットの製作時間は約40分)

BM651Bには吸気ファンがなく、内部にファンを増設しても空気を撹拌するだけで、どの程度の効果が得られるか心配されたが結果は良好、室温22℃の時、ケース内の最高温度は45度程度まで下がった。

Clarkdale内蔵のGPUについて (2010.3.9)

Mini-ITX M/Bで使われているHDCP対応の内蔵GPUには、
 ・Intel・・・X4500HD IGMA HD (Clarkdale内蔵GPUの内 i5-661 i3-530 G6950を試した)
 ・ATI・・・・HD3200 HD4200 (HD4200は試していない)
 ・nVidia・・GF9300 GF9400
などがある。

パフォーマンスを3DMark06で比較すると、
 GF9400 > i5-661 > GF9300 > i3-530 > HD3200 > G6950 > X4500HD
の順になろうか。

では、動画の再生能力はどうだろうか。BDやDVDの再生に関する限り何れも問題ないが、
再生品質を自分の好みでランク付けすると、
 IGMA HD(3種とも) > X4500HD > HD3200 > GF9300 > GF9400

この順位は、精細感・発色・コントラスト・滑らかさ等を総合的に判断した。勿論、人によっては全く別の順になるかもしれない。

BDやDVDの場合、ソースによる画質の差が大きすぎてGPUの違いは一見判りにくいが、地デジ画像に関しては、身近に比較するTVなどがあれば、その差は明らかになる。何れのGPUも画像を細かくコントロールできる筈なのだが、デフォルト設定で不満がある場合は、どう足掻いても思うように調節しきれない。

その点、
 ・IntelのGPUはコントロール・パネルを弄らなくとも概ね満足の行く結果が得られる。
  (i5-661、i3-530、G6950の3種で試したが、画質に関する限り違いは感じられなかった)
 ・ATIの場合、ドライバにもよるが画面全体にモヤがかかる。
  γ値を塩梅すれば直ることもある。
 ・nVidiaの場合、画像の肌理が荒くHDをSDと見間違うこともある。
  微調整してもなかなか思うような結果は得られない。

ところが、動きの激しいソースで比較すると、必ずしも画質評価とは一致しない。
 ・Intelの場合は動きに追随しきれないことがある。
 ・ATIの場合は比較的追随性は良い。
 ・nVidiaの場合も特に不満は感じない。

内蔵GPUでハードなゲームをする人はいないと思うが、動画の再生品質は気になるところ。
とすると、画質を取るか動きの滑らかさを取るか、暫し悩まなくてはならないであろう。

 (2010.3.9 AM5:00 年寄りは朝が早いのだ)

これで完成としよう (2010.3.9)

PC+TV+Audio総合装置として所定の場所に設置した。
 ・LANは無線 (ルーターは1F 設置場所は2F 距離は約7m 感度良好)
 ・KeyboardとMouseはBleutooth (MousePadはSteelSeries QcK mini 63005 これは使い易い)
 ・DisplayはNanao EV2334W (値段相応か)
 ・SPはONKYO GX-500HD (S/PDIF接続 まだ音が硬い 使い込めば良くなるか)
 ・TVはリモコンで操作する (放送波の切替が面倒)

久しぶりに部屋を片付けた。
いつまでこの状態が続くことやら。
いずれBM651Bが縦置きになるかも。
HD7750 (2012.3.1)

玄人志向のRH7750-E1GHDを入手した。敢えてHD7750シリーズ中最安値の製品を選んだ訳は「ファン交換が楽そう」に思われたからだ。

どのM/Bで試すか思案の末、2010/03/09に組み上げ、同年12/21に引退した、本機「INTEL DH57JG+Pentium G6950」を選んだ。このPCに入れたWin7Pro64のライセンスはそのままで、使い途が決まれば何時でも再起可能状態にあった。

IN WIN BM651Bから全ての部品を取り外しObon上に据え直した。TVチューナーをやめ、CPUクーラーをSamuel 17に替え、メモリを4GBx2に増強してSW-ON。 無事に起動したのでSP1を当てた。
 【アイドル時消費電力】 20W 【高負荷時消費電力】52W

さて、このPCに載せたSSDは Intelの40GB製品、Win7Pro64ではもう少し容量をアップしたい。丁度「Crucial m4 64GB」の空がある。そこで、HDDコピーソフト「HD革命 Copy Drive Ver.4」を使ってクローンSSDをつくった。問題なし。そうだ、このSSDには「Crucial SSD M4シリーズ 不具合発生のお詫び」なる案内が来ていた。 趣旨は、
 【不具合内容】
  S.M.A.R.T.情報による誤った挙動のため、
  ドライブの電源投入時間が5,184時間を超えると正常動作しなくなる場合がある
  症状が発生した場合にも、保存されたデータに影響はございません
 【対象製品】
  下記の型番のSSDでファームウェアがRev.0309以外のものが対象です
  製品型番はSSDのラベル面に記載されています
  ※Rev0001,Rev0002,Rev0009など
とのことで、手元のSSDもその対象だった。

指定サイトの手順に従いファームウェアのUpdateを行った。
 http://faq2.dospara.co.jp/EokpControl?&tid=1417362&event=FE0006
こうした作業は経験が少ないため、何度も確認しながらUpdateを進めた。どうにか無事に終了しSW-ON。問題なし。

次に HD7750を試した。ドライバはAMDのサイトから「pre-certified版 Cata 12.2」をDLした。
「Oh 静かジャン!」と思われたのは起動後30分間だけ、GPU温度が上昇し、ファンの回転数が上がったら「ガサゴソガサゴソ」始まった。予定通りファンを交換しよう。

先ず、GPUクーラーを外す・・ビス4個。
クーラーカバーを外す・・ビス4個。
ファンを外す・・ビス3個。
ヒートシンクに3.2mmの穴を2個所開ける。
その穴にスペーサーを立てる。1個所はスペーサーにファンを直接取り付ける。もう一つの穴はスペーサーにアームを取り付けてからファンを固定する。
Noctuaの92x25mmファンを取り付けた。
結果は極めて良好。
計測データについては次回に・・・
泣虫 HD7750 (2012.3.10)

HDD7750の正規ドライバ「12-2_vista_win7_64_dd_ccc.exe」がUPされた。早速導入したら、CCCの情報タブにはCatalystバージョン12.3 と表示された。パフォーマンスは「pre-certified版Catalyst 12.2」と余り変わらず、テスト結果は以下の通りとなった。
 【Windows Experience Index】 6.4 7.2 7.4 7.4 7.9
 【3DMark06】 12836(SM2:6068 SM3:6670 CPU:2447)
 【3DMark Vantage】 8445(GPU:9986 CPU:5773)
 【FF14 High】 1765
 【Yume1024×768最高】 74888
 【Superπ104万桁】 16秒
 【アイドル時消費電力】 30W
 【3DMark06ベンチ時ピーク消費電力】 98W
 【CCCT Power Supply 実行時ピーク消費電力】 115W

CPUが2Core2ThreadのG6950のためスコアは物足りないが、消費電力の低さは注目に値する。これまで、電源にpicoPSU160を使った時、HD6670では厳しく、HD6570辺りが安心して使える限界だった。ところが、今回のHD7750にTDPの低いCPUを組み合わせれば、どうにか行けそうな気配がする。 近々、SilverStone SST-SG06Sに入れてみよう。

さて、玄人志向 HD7750の使い心地は如何に、
 ・上に述べた通り、消費電力に関する限り◎
 ・適当なファンに交換すれば静音性は◎、そのままでは△。
 ・パフォーマンスの評価は難しい。3DMark06やVantageの結果は○だが、FF14は×。
  カクカクどころか一時停止することもある。この現象はpre/正規両ドライバとも起こる。
 ・それだけではない。ビデオカードの負荷が増すと、ヒュルヒュルとカード鳴きを起こす。
  特にYumeria実行時は鳴きっぱなし。HDコンテンツの再生時も鳴く。
 ・評価点を10点満点とするなら、合格点の6点に達せず5点、もし鳴き止むなら7点か。

どうもじゃじゃ馬に当たったようだ。製品そのものに問題があるのか、或いは外れ品か・・・

HD7750を生かす (2012.3.31)

HD7750の導入から一月経った。その後の調子はどうだろうか。FF14ベンチ時のカクカク&一時停止の件、高負荷時に鳴き出す件、相変わらず同じ症状が続いている。かと言って、ヒートシンクに穴を開けてしまったので、返品も交換も修理もできない。早々と蔵入の運命か。

ところが、そうではない。 捨てる神あれば拾う神あり。ファンを交換したので至って静か。消費電力はこのクラスのカードとしては十分に低い。良い点はそれだけではない。絵が大層綺麗なのだ。最近のATI製GPUは押し並べて絵が綺麗だが、HD7750はその中でも一際良好だ。特に白の抜けがよく、暗い場面の多いソースで見較べるとその違いがハッキリする。 動画の再生に関する限り、手持ちのビデオカード?枚中、最良に思われる。

そうなると、
 ・YumeriaやFF14をしない。
 ・高負荷な使い方はぜず、精々Full-HD動画止まりとする。
 ・多少の鳴きは我慢する。

暫くこの方針で行くことにしよう・・・

1スロ仕様のHD7750に92x25mmファンを載せ
更にファンフィルターを取り付けた。
まだ1mmの余裕がある。
SG-06S付属のSFX電源を外し、
排気用に92x25mmファンを斜めに取り付けた。
 -ハウジングの工作について-
天板のメッシュ部分は制震シートで塞いだ。
スリムドライブ用のベゼルを入手したのだが・・・
結局、黒に落ち着いた。
一先ずお終い・・・