Mini-ITX

Wind Board   最終更新日 : 2020/05/23

しばらく放置してあった"Wind Board"をメンテした。本サイト初登場である。 (2010.10.16)

Atom230 (2010.10.16)

我家には2台のAtom機がある。1台はWHSを入れたD510MO、もう1台はXPを入れたMSIのWind Board(Atom230)である。 後者は「遅い 煩い 絵が汚い」と3拍子揃ったPCなるが故に、事務室の片隅に置かれ誰からも顧みられることなく不遇の身であった。ところがアルバイトの学生から休憩時間に使いたいとの申し出があり、組み立ててから2年振りにオーバーホールすることになった。

余り使われていなかったので埃はそれ程でもなかったが、何やらHDDが異音を発している。高温多湿な場所に長く置かれた所為かもしれない。 これは不味い。HDD昇天の前触れに違いない。早速交換することにしたのだが、適当なHDDの持ち合わせがない。有るのは5400rpm許り。止むなく別のPCで試運転中のSSDを一時流用しXPを入れた。

このPCには初期の液晶モニタであるNANAO E141L(購入価格198K円)を繋いでいたのだが、今回はVGA→DVI&HDMI変換アダプタREX-VGA2DVI-PWを介し、同じくNANAOのS2411Wに接続した。何と1920×1200画面が綺麗に映るではないか。D510とNanao L885のD-sub接続より良好とは予想外だった。REX-VGA2DVI-PWを使った場合、VGAケーブル部分は25cm程度で大部分はHDMIケーブルとなる。D-sub接続の画質はGPUだけではなく、接続の方法やケーブルの種類に大きく左右されるようだ。更に、使ったSSDが最新のCrucial CTFDDAC064MAGなので、ディスクパフォーマンスは極めて良い。Webの閲覧やDVDの再生に不満はない。流石にFull-HDコンテンツは厳しいが、総じて組立当初とは比べ物にならない程の結果が得られた。よって、
 【遅い件】 SSDを使えばかなり改善される
 【煩い件】 HDDをSSDに替え 電源をpico化すれば解決する
 【絵が汚い件】 VGA→DVI&HDMI変換アダプタを使えば数段良くなる

だが、Wind BoardにREX-VGA2DVI-PWもCruciaのSSDも勿体ない。遅いのを承知でSSDの内容を2.5" 5400rpm HDDにそっくりコピーした。

【CrystalDiskMark3.0】
 上の写真はCrucialのSSD
 下の写真は2.5"5400rpm HDD

ここまで違いがあると同じPCとは思えない。
さて、どうしたものか・・・
PCI仕様のビデオカード (2010.10.17)

Wind Board + REX-VGA2DVI-PW + CruciaのSSD で決りをつけるか・・・
折角だ、もう少し遊んでみよう。

物置にPCI仕様のビデオカードが何枚かある筈だ。確か、X1300・RADEON 9250・Millennium。3枚の中ではX1300が最も新しく性能も良いだろう。幸い苦もなく見つけ出しWind Boardに取り付けた。だが絵が出ない。BIOSで確認したら、PCIスロットに挿したカードが優先ではなかった。設定を変更して再起動、今度は無事に絵が出た。

【GX-X1300/P256】
Web上から最新のドライバをDLした。
やはりX1300の発色は良い。規定値のままでも
明るさとコントラストが適度で見易い。

気をよくしたところで 3DMarrk06とYumeriaを走らせた。

GPU
Intel 82945G
(On Board GPU)
X1300 PCI仕様
(Buffalo GX-X1300/P256)
3DMark06
Score:93
SM2:43
SM3:N/A
CPU:494
Score:666
SM2:228
SM3:265
CPU:494
Yume1024×768最高
2262
3866
アイドル時消費電力
25W
42W

945Gでは3DMark06に未対応のステージがあり一部省略されたが、X1300では一応完走した。
だが、問題あり。Atom機のアイドル時消費電力42Wは許し難い。X1300を取り付けてHDファイルが滑らかに再生できるのならまだしも、CPUの能力が追いつかずSD止まりであることに変わりはない。

次に、PCIスロットにGigabitLANカードを挿してみた。回線速度は向上したが、これまた消費電力は5W増した。やはり、Atomは何も足さずに使う方がよいのかも・・・

素のAtomでHD動画を観る (2010.10.17)

このまま引き下がったのでは面白くない。もう少し工夫をしてみよう。

X1300を挿した時、消費電力が増すだけではなく、何故かCPU使用率も上がる。このカードはAVIVOやDual Limkに対応するものの動画再生支援機能がないために、返って負荷が高まるのだろうか。或いはPCI接続の転送レートはオンボードGPUより劣るのだろうか。

試しに、ネットワーク上にあるBS hiから録画したFull-HD TSファイルをVLCで再生した。945Gの時はCPU使用率70~90%、X1300の時は80~100%になった。何れもカク付くが945Gの方がマシ。また、100BASE規格のオンボードLANをUSB接続のGigabitLANに替えたら、945Gのカク付きは減り、画面サイズを小さくすればHDファイルの再生もどうにか可能になった。一方X1300ではカク付きが酷く視聴に耐えない。 次に、オンボードサウンドを切り、PCIスロットにサウンドカードを挿した。CPU使用率は更に下がったが、それでもカク付きは取り切れなかった。

ところが、ネットワークドライブからローカルドライブにコピーしてから再生したところ、CPU使用率は数10%下がり、上記Full-HD TSファイルの再生品質は一気に向上した。ネットワーク越しのファイルコピー時にCPU使用率が平均50%もあることから、ネットワークを介さずに再生すれば、動きの激しい場面で多少のもたつきはあるものの、Atom230でもFull-HDコンテンツの再生は可能であることが判った。試しに、同じくBS hiから録画したオーケストラの演奏を再生したところ、音も映像も途切れることはなかった。(指揮棒や弦楽器の弓の動きに注目すれば、大凡の動画再生能力を知ることができる) よって、Wind Board(Atom 230)を快適に使うためには、
 ・システムドライブはSSDにしたい
 ・HD動画ファイルはローカルドライブに置く
 ・画面比率が16:9の場合、1920×1080では厳しく、1600×900か1440×810辺りが見易い
 ・できればサウンドカードまたはサウンドユニットを付け加えたい
 ・GigabitLANも然り

以上は、Atomを使い込んでいる人なら既知のことと思われるが、もしAtom 230の能力を軽んじているなら、認識を新たに・・・

Full-HD TSファイル コマ落ちなし (2010.10.18)

現在、OSはXP_SP3である。 Media Player10ではTSファイルの再生は×なので、専らVLCで観ている。VLCはオーディオ出力に難があり、ソースによってはダンマリのこともある。そうした時は、一旦「オーディオ:無効」にした後「オーディオ:トラック1」を選択すれば○になるのだが、チョイト観の時は面倒になる。そこで、PowerDVD7Ultraを入れてみた。(XPでは8Ultra以降の版より不都合が少ない) 7UltraでFull-HD TSファイルを掛けるとCPU使用率は80~90%に達し、カク付きも酷く使用に耐えない。

ところが、再びVLCで再生したら、CPU使用率は前より10~20%下がり、1920×1080表示で平均50%程度になった。動画の再生には不可思議なことが多い。 各ソフトで使われるフィルター類が相互に使い回されているのだろうか。 詳細については不案内だが、結果良しとしよう。その後、Media Playerを11にUPし、TSファイルの再生も可能になった。

これで、Wind Board + XP_SP3に於けるFull-HD TSファイル再生に関する問題点は全てクリアできた。 (時々滑らかではない場面もあるが、Atomに免じて許されよう)

しかしながら、MP4やDivX、及びYouTube上のHDファイルの再生は×である。Atom230+945Gの限界なのだろうか・・・

次なる問題点は、毎度のことながらケースである。本機はIN-WIN BM639BSに入れてあったのだが、元に戻すか他のケースに替えるか。Wind Boardは190×170mmあり、Mini-ITXではなくMini-DTXである。(MSIではMicroATXと称している) もう一日悩むことにしよう・・・


その後、PowerDVD10Ultraでも試したが、動画再生支援機能は利かなかった。
よって、Wind BoardでTSファイルを再生すると、CPU使用率は、
  VLC < Windows Media Player11 < PowerDVD
の順になり、VLCが最も良好であった。 (2010.10.19)

IN-WIN BM639BS に戻す (2010.10.26)

現在の構成は以下の通りである。
 【M/B】 MSI Wind Board
 【CPU】(Atom230)
 【CPUクーラーファン】 XINRUILIAN RDL8025S
 【メモリ】 SanMax DDR2-800 2GB×1
 【SSD】 Crucial CTFDDAC064MAG
 【HDD】 WD Scorpio WD3200BEVT×1 (消音ボックス入り)
 【DVD】 Pioneer DVR-K17 (ATAPI)
 【LAN】 PCI GU-1000T (USB接続)
 【Sound】 ONKYO SE-90PCI
 【VGA to DVI/HDMI変換アダプタ】 Ratoc REX-VGA2DVI-PW
 【電源】 picoPSU120
 【OS】 XP_SP3

諸々の事情により一週間ほどPC弄りを休んでいたが、その代わりに取り貯めたTSファイルを何本か観ることができた。Full-HDファイル再生時のCPU使用率は平均50%、HDファイルは30%程度。REX-VGA2DVI-PWのお蔭で絵は綺麗、SE-90PCIを挿したので音も良し。TSファイルを再生する上で何等不都合はない。Wind Board購入から2年を経てAtom230の実力を見直すことになるとは、何ともはや迂闊な話だ。

さて、ケースを決めなくてはならない。元のIN-WIN BM639BSでは面白くない。かと言って190×170mmのMini-DTX M/Bが収まるケースは限られる。Silver StoneのSST-SG05やSG06も候補になるが、何れも使用中。 他の手持ちケースも全部×。 仕方ない、BM639BSに戻そう・・・

BM639BSに戻すためには 少々細工がいる。
HDD1台からHDD、SSD各1台になったため、
SSD取付金具を作らなくてはならない。
IntelのSSDに付属する金具ではCPUヒートシンクにファンを載せた時バッティングする。

そこで、写真右下のU字型金具を作った。
素材は1.5mm厚のアルミ板。
製作時間はCADを含めて1時間程度。
これなら25mm厚のファンをCPUヒートシンクに載せられる。
CPUヒートシンクに80×25mmファンを載せた。
PF-Leval Armと市販の平金具を使って固定した。
2点留めだが大丈夫であろう。

picoPSU120は直挿し可能ではあるが、picoPSUのレギュレータが電源コネクタ脇の電解コンデンサに接触するため、150mmの延長コードを使った。
【Ratoc REX-VGA2DVI-PW】
 ・安くはないが 価格相応の効果は認められる
 ・DVI/HDMI両対応
 ・電源はUSB端子から取る
【IN-WIN BM639BS】
結局、元の鞘に収まった。
高級感はないがシンプルで嫌みはない。
ピンクと緑のフロントオーディ端子にカバーを取り付け黒塗装した。
何だか実物より写真の方が良く見える。
(トップのファンカバーは付け忘れた)
一先ずお終い・・・