P55M-GD45 + i5 750   最終更新日 : 2018/05/02

Zotac G41ITX-A-E + Pentium DC E6600で作ったUbuntu PCは、その後快調に動いている。だが、1台きりのUbuntu PCにトラブルが起こったらタイヘン、復旧に数日かかるかも知れない。やはり予備PCを作ろう。(2010.6.20)

2台目の Ubuntu PC  (2010.6.20)

手持ちの部品だけで数台組めるが、前回よりスペックを上げるか下げるか、そこが思案の為所だ。 Geode・Turion・PentiumM等も面白そうだが、いずれも既に過去のもの。 最新のCPUに較べると処理能力だけではなく消費電力も見劣りする。ならばスペックを上げたPCを考えよう。CPUはLGA1156、M/BはP55ではどうだろうか。UbuntuはP55に対応するか、はたまたHTやTBが発動するか不明ではあるが、兎に角試してみよう。

そこで、以下の部品を選びまな板に据えた。
 【M/B】MSI P55M-GD45
 【CPU】Intel i5-750
 【CPUクーラー】Noctua NH-U9B
 【メモリ】Kingstone KVR1333D3N9K2/4G
 【SSD】X25-V SSDSA2MP040G2R5
 【VGA】GALAXY GF PGT240/512D3
 【DVD】PIONEER DVR-S17J-SV
 【サウンドカード】ONKYO SE-150PCI
 【電源】Skydigital PowerStation2 PS2-T350EF 80PLUS

Ubuntu 10.04はスンナリ入った。 GT240もSE-150PCIも問題なし。 システムモニタから4コアの動作が確認できた。

では、TBはどうだろうか。Ubuntu上で確認する方法が判らないので、BIOSでTBをON/OFFし、Virtual WinXP上でSuperπを走らせてみた。
 ・BIOSでTB ONの時、Superπ104万桁14秒
 ・BIOSでTB OFFの時、Superπ104万桁17秒
多分発動しているのであろう。

序でにHTも確認しよう。i5 750はHTに未対応なので i7 860に差し替えた。
システムモニタに8スレッド分のチャートがズラーっと並んだ。
 ・この時、Virtual WinXP上でSuperπ104万桁13秒。

i7 860は別用途なので i5 750に戻し、BCLKを弄ってみた。
 ・BCLK133MHzの時、Virtual WinXP上でSuperπ104万桁14秒
 ・BCLK146MHzの時、Virtual WinXP上でSuperπ104万桁13秒
 ・BCLK166MHzの時、Virtual WinXP上でSuperπ104万桁12秒

ベンチマークテストの度にVirtualBoxを起動するのは不本意だ。Ubuntu対応ソフトを探そう。

Intel BXXTS100H LGA1156  (2010.6.20)

今回、一つだけ部品を購入した。 Intelの別売CPUクーラーBXXTS100H LGA1156。

 ・PWMファンだが、QモードとPモードがある。QはQuiet、PはPerformanceか。
 ・Pモードのノイズは高回転時としては許容範囲だが、Qモードに切り替えファンの回転数を
  落してもそれほど静かにならない。
 ・Qモード時の冷え具合はやや不満。ほぼ同サイズのNoctua NH-U9Bより2℃ほど高い。
 ・取付方法はプラプッシュピンではなく、バックプレート付きの手回しビス式。これは好ましい。
 ・バックプレートはM/Bの裏面に両面テープで貼り付ける仕様なので、M/Bを外さなくともCPU
  の交換ができる。
 ・ファンはビス1本で固定され、簡単に取り外しができる。好みのファンに交換可能。
 ・軽いOC向けか。静音PCには?
 ・純正の安心感と固定方法の改良が取り得か。

Ubuntu 再々々インストール  (2010.6.27)

2台目のUbuntu-PCをOSライブラリーにする予定はない。XPを追加するだけなら40GBのSSDで間に合う筈だ。

UbuntuとVirtual-XPを入れてSSDは16GiB使用済み、残りは20GiBほど。テスト用のDVD&CDファイルを加えて24GiB、残り12GiB。ここまでは良かった。(2010.6.22)
 *Ubuntuは自動的にスワップ領域をつくるのでSSDの全てをファイルシステム領域として使えない。
 *Ubuntuでは、しばしばGiB(ギビバイト)単位で表示される。 1GiB=2の30乘B=1,073,741,824B

Ubuntu用のベンチマークソフトを探したら「phoronix test suite」が見付かった。入れ始めたらなかなか終わらない。既にSSDの残りは10GBを切っている。Webで調べたら「・・・インストールめっちゃ時間かかりました。丸一日以上は覚悟しといたほうがいいかも・・・」とか。
これは不味い、SSDに入りきらないだろう。直ちに中止した。(2010.6.23)

仕方ない、SSDを諦めてHDDに替えよう。何だ、いつか来た道ではないか。と言うことで、500GBのHDDに再インストールした。ところが今度は別の問題が生じた。phoronix test suiteが入らないのだ。途中でエラー表示がでてそのままダンマリ。再々インストールしても同様。phoronix test suiteはもう少し調べてから入れることにしよう。
結局、Ubuntuを再々々インストールする羽目になった。(2010.6.24)

備忘録 (2010.6.27)

この際だ。後日の為にインストールの手順を記して置こう。

Ubuntu
VirtualBox
HDD使用量
備考
Ubuntu 10.04 インストール
2.5GiB
至って簡単
Ubuntu 10.04 Update
2.9GiB
これも簡単
VirtualBox インストール
3.0GiB
Web情報を参考に入れた
VB-WinXP インストール
4.7GiB
XPは要認証
ATOK X3 for Linux
各種ユーティリティー
インストール
6.2GiB
ATOK X3はJustの
Webマニュアル通りに入れた
WinXP Update
各種ユーティリティー
インストール
8.4GiB
XP SP3にUpdateした

HDD
形式
容量
2010.6.27現在の使用状況と使用量
HDD1
2.5"SATA
450GiB
Ubuntu領域
5.8GiB
Virtual WinXP領域
14.6GiB
合計
20.4GiB
HDD2
2.5"SATA
587GiB
CDライブラリー
約180GiB
HDD3
3.5"SATA
1834GiB
DVDライブラリー
約800GiB

ケース選び (2010.6.27)

では、ケースはどうするか。手持ちの空ケースは Abee D1 と Antec NSK3480など・・・
HDDは消音ボックス入り2.5"2台、スマドラ入り3.5"1台。NSK3480では少し手狭だ。仕方ない。
取って置きのD1に入れよう。

D1には5"ベイが1つしかない。DVDドライブを据えるとスマドラの置場に困る。アルミ板で取付金具を作れば良いのだが、今回は横着を決め込み、DVDはUSB切替器から取り込むことにしよう。

スマドラ入りHDDは、前か後にファンを配したいところではあるが、D1は電源を底に取り付ける仕様なので、リアファンは背面の上部にあり、スマドラのベゼルから入り込む風に期待できる。兎に角試してみよう。もし、温度が許容値を超える様なら、その時考えればよい。

DualBootを試す (2010.6.29)

仕上げる前にベンチマークテストをした。今回もまた比較し易いように別のHDDにWin7を
入れて計測した。
 ・Win7 Score 7.3 7.5 6.8 6.8 5.6
 ・3DMrak06 10293 (SM2:4083、SM3:4082、CPU:4324)
 ・Superπ104万桁 13秒
 ・アイドル時消費電力:42W 高負荷時消費電力:140W
5400rpmの2.5"HDDを使ったため、Win7ScoreのHDD値が少し低めだが概ね良好と言えよう。

さて、何事も序でだ。別のHDDにWin7を入れたので、DualBootを試してみよう。
 ① PCの起動時にUbuntu LiveCD入れてインストールする。
 ② Win7の起動中にUbuntu LiveCD入れてインストールする。

先ず①を試した。
 ・LiveCDを起動し「試用」と「インストール」の選択画面からインストールを選ぶ。
 ・既にインストールしたWin7のHDD領域の一部をUbuntu用に割り当る。
 ・特に問題なくUbuntuはインストールできた。
 ・再起動するとOS選択画面がでる。デフォルトではUbuntuが優先起動となる。
 ・パフォーマンスや安定性に問題はなく、Ubuntuを単独に入れた場合と変わりない。

次に②を試した。
 ・Win7起動中にUbuntu LiveCDを入れると「Wubi=Windows-based Ubuntu Installer」が
  自動的に起動する。
 ・画面の指示に従い、割り当てるHDD領域のサイズを決める。30GBが上限だった。
 ・インストール後、再起動するとOS選択画面が2度出る。
 ・Ubuntuを2回選択すると、残りのインストール作業が始まる。
 ・再起動後Ubuntuを立ち上げてインストール完了。

或る雑誌には「Wubiを使ってUbuntuを導入した場合、Win7の仮想HDD領域にインストールするためパフォーマンスがやや低下する」とあったが、今回の i5 750 + GT240 ではそうした低下は感じられなかった。ほんの数時間試しただけなので明確には言えないが、Ubuntu主体なら①、Win7主体なら②を選べば良さそう思える。

Ubuntu 10.04 の省電力機能 (2010.6.29)

Win上では負荷に応じてCPUクロックやGPUのコアクロック&メモリクロックが柔軟に変化するが、Ubuntu上ではどうだろうか。丁度良い機会だ。同じシステムにWin7とUbuntuを入れたので確認しておこう。

【Win7HPの場合】
 ・Win7 Score 7.3 7.5 6.8 6.8 5.6
 ・3DMrak06 10293 (SM2:4083、SM3:4082、CPU:4324)
 ・CPUクロックは BCLK133MHzの9倍から24倍まで変化する
 ・GT240のコアクロックは 135~550MHzまで変化する
 ・GT240のメモリクロックは 135~1800MHzまで変化する
 ・アイドル時消費電力 42W 高負荷時消費電力 140W

【Ubuntu10.04の場合】
 ・CPUクロックは 44%~100%まで12段階に変化する。
 ・GT240のコアクロックは 135・405・550MHzの3段階に変化する
 ・GT240のメモリクロックは 135・324・1800MHzの3段階に変化する
 ・アイドル時は上記数値の最小クロックで動作する。
 ・アイドル時消費電力 42W

つまり P55M-GD45 + i5 750 + GT240 の場合、Win7でもUbuntu10.04でも省電力機能の働き方はほぼ同じであることが判った。

では、GT240をGTS250に替えたらどうだろうか。
【Win7HPの場合】
 ・Win7 Score 7.3 7.5 6.9 6.9 5.6
 ・3DMrak06 15353 (SM2:6720、SM3:6524、CPU:4350)
 ・CPUクロックは BCLK133MHzの9倍から24倍まで変化する
 ・GTS250のコアクロックは 738MHz固定
 ・GTS250のメモリクロックは 1100MHz固定
 ・アイドル時消費電力 80W 高負荷時消費電力 208W

【Ubuntu10.04の場合】
 ・CPUクロックは 44%~100%まで12段階に変化する。
 ・GTS250のコアクロックは 738MHz固定
 ・GTS250のメモリクロックは 1100MHz固定
 ・アイドル時消費電力:80W

GTS250もGT240も省電力機能は、Win7・Ubuntu10.04とも同じであることが判った。
今回使用したGTS250は初期のカードでECOシリーズではない。最新のカードなら省電力機能は期待できるが、該当する製品は生憎手元にない。

さて、問題は両者のパフォーマンス。Win7で3DMrak06のベンチ結果は5割程度の差となるが、Ubuntu上では高負荷になる場面が少なく違いは判りにくい。 試しにHD動画を再生してみたが殆ど変わりない。Ubuntuでは高性能ビデオカードの力は発揮できず、消費電力が増すばかりのようだ。Ubuntuを主体とするなら、GT220かGT240あたりで十分と言えそうだ。

GT240 (2010.6.29)
Galaxy PGT240/512D5のクーラーを交換した。
ヒートシンクはZEROtherm GX810
ファンはScythe KAZE-JYU Slim 1000rpm

Win7では今一つだったが、Ubuntuでは好成績だ。
ZEROtherm GX810 このクーラーはファン回転数自動制御機能付きで購入当初は静かだったが、かなり使い込んだので、上記の通りファンを交換した。
Abee D1 (2010.7.18)

他のPCにかまけ、あと一歩のところで未完成のママだった。本格的な夏を迎え、少しでも快適なPCルームを目指し、このUbuntu2号機も収まるように机回りを模様替えした。兎に角決着を付けよう。 残るはフロント&リアファン選びだけだ。
 ・フロント: Scythe 風丸2 140x25mm 500rpm
 ・リア:Scythe Gentle Typhoon 120x25mm 500rpm
結局、無難な線に落ち着いた。ケースの内部に静音シートや制震シートを貼ることも考えたが、なくとも十分静かなPCに仕上がった。

サウンドカードは二世代前のONKYO SE-150PCI。今のところ特に不都合はない。
音の滑らかさは、 SE-200PCI LTD > SE-200PCI > SE-150PCI > SE-90PCI 価格の通りか。

室温29℃の時、ケースに収めた状態で、
 ・アイドル時GPU温度 36℃
 ・アイドル時HDD温度
  HDD1:34℃、HDD2:34℃、HDD3:37℃
 ・UbuntuはWin7に較べて高負荷になる場面が
  少ないので、CPU&GPUファンとも静かだ。
 ・lm-sensorsで i5 750のコア温度は測定できず。
  (PenDC E6600は測定可)

取って置きのAbee D1も漸く使い途が決まった。
風通しよし、作りも精度もよし。

この4コアCPUを載せたUbuntu2号機をメインに
前作の1号機をサブにする予定である。
一先ずおしまい・・・