いまどきのNT4-PC  最終更新日 : 2018/05/02

Windows7の発売が10月22日に迫っているにも拘わらず、未だにWindowsNT4を手放せない。その理由は → 「NT4を使い続ける理由」へ。

このPCは2007年11月に組み上げたが、2chスレではNT4の話題がほとんどストップ状態だったためにアップが遅れていた。自分としても最後のNT4-PCになると思われるので、遅ればせながら紹介することにした。(2009.7.21)

P4SCT + Pentium4 3.2GHz + Matrox P750

NTは3.1~3.5~3.51~4.0と5台のPCを使って引き継いできた。その5番目のPCはPentium3を使って8年前(2001年)に製作した。1昨年(2007年)オーバーホールをして快調に稼働しているが、そろそろHDDやM/Bのコンデンサの寿命が心配、お迎えが来る前に後継機を考えなくてはならない。マルチコア全盛の昨今、もう少し高性能なPCに仕上げたい。然しながら、NT4はPCI-Exが使えずAGP仕様のM/Bに限られる。そのAGPカードもNT4をサポートする現役の製品はMatroxだけになってしまった。

NT4はSCSI-HDDなら十分満足の行くパフォーマンスを得られるものの、IDE-HDDでは容量が制限され転送速度も不満。SATAは正規ドライバが見当たらない。SCSIは風前の灯火状態で、近い将来実質廃版になる可能性がある。もしNT4対応のSATAカードがあれば、そうした問題は解決できる。そこで入手可能なカードを探したら二枚のカードが見つかった。早速試したところ、二枚とも起動ドライブの設定が可能な筈なのだが、残念ながら手元にある三種のM/Bでは何れも不可だった。そこで、システムドライブをSCSI、データドライブをSATAに決めた。

では、M/Bをどうするか。AGP対応のM/Bは現在でもカタログ上に数種見えるが、信頼性を第一に考えて、SupermicroのP4SCT を選んだ。ところが、P4SCTはNT4のインストール不可。FDDから起動しCD-ROMを入れた後、SCSIドライバを読み込むとき何故かFDDを認識しない。以前、試した時は問題なかったのに・・・

結局、他のM/BでNT4をインストールし、パーティションコマンダーを使ってシステム領域を4GBから8GBに拡張し、そのHDDをP4SCTに接続してようやくOKになった。一度インストールすればその後は問題なし。

念のためにコピーコマンダーを使ってクローンHDDをつくった。もし、HDDが不調になり、OSやアプリケーションを一からインストールすると、手順が分かっていても半日、忘れると数日かかることもある。

パーツ一覧

品  目
メーカー
型  番
使用感等
CPU
Intel
Pentium4 3.2GHz Northwood
久し振りのお出まし
CPUクーラー
Thermalright
我家の定番
CPUクーラーファン
XINRUILIAN
RDL1225S-PWM
値段の割りには高性能
マザーボード
Supermicro
3本のPCI-Xスロットあり
メモリ
Corsair
PC3200 DDR-SDRAM 500MB×2
特に不都合なし
ビデオカード
Matrox
やはりMatroxは発色が良い
ビデオカードヒートシンク
ZALMAN
P750対応の製品は他に見当たらない
ビデオカードファン
ZALMAN
回転数 約70%で使用
SCSI-カード
Adaptec
相変わらず高い
SCSI-HDD
HGST
73GB 15000rpm やや煩い
SATA-カード
玄人志向
ヤフオクで購入
SATA-HDD
Seagate
静かで低発熱
HDDケース
GUP
我家の定番
DVD
Pioneer
NTでも無問題
LANカード
BUFFALO
1000でなくては
電源
Scythe
まあ静か 特に問題なし
ケース
Antec
安いが静音性は今一

お姿
NT4にUSBを導入する (2009.7.24)

USBを公式にサポートするのはWin2000から。WinNT4はPentium3+メモリ128MBで十分動く。Pentium4+メモリ256MBで文句なし。自作歴の長い人ならジャンク箱の部品で十分組み立て可能に思われる。 もしNT4上でUSBが動作することが知られていれば、今でも使う人はもう少しいたのではないだろうか。

これまでNT4でUSBを使えるようにする試みは多くの人によってなされてきた。
 ・Windows95,NT4.0でUSBを使用する方法
  → http://members.at.infoseek.co.jp/kapper1224/PC15.html
 ・Woodhead's Home
  → http://www.geocities.com/mypublic99/ などなど。
 ・そうした中からDELL社のNT4-USBドライバ R62200.EXEを採用した。Downloadは、
  → http://ftp1.us.dell.com/utility/R62200.EXE

このR62200.EXEはなかなかの優れものだ。Flashメモリ・マウス・キーボードなど何れもOK。
 ・Flashメモリはプラグ&プレイ可。但しUSB1.x相当なので転送速度は遅い。
 ・マウスも動作するが、ホイールは使えない。
 ・キーボードは特に問題なし。
 ・USB接続のFDDは起動前に接続すれば動作するが、プラグ&プレイは不可。
 ・プリンタやスキャナは試していない。
マウスやキーボードは兎も角、Flashメモリがプラグ&プレイで使えるのは便利だ。

NT4に大容量HDDを導入する (2009.7.25)

NT4にIDEまたはSATA-HDDを接続する場合、NT4のバージョンやM/Bによって容量の制限がある。最も良い条件下でもWin2000と同様137GBの壁にぶつかる。SCSIの場合は2TBと言われるが、こちらは価格の壁がある。SCSIカードを載せるなら、all-SCSIでも良いのだが、相変わらずドライブは高い。例えば、73GB:2~3万円、147GB:3~4万円、300GB:6万円超である。147GBあたりが購入できる限界だ。 そうは言ってもデータサイズが肥大化した昨今、せめて300GBは欲しい。

NT4はシステム領域をHDDの先頭から8GBの範囲内に置かなくてはならない。大容量のSCSI-HDDを使っても、8GBを超える領域はアプリケーションまたはデータ領域として使うことになる。データ領域のHDDならSCSI-HDDでなくとも転送速度に不満はない。 大切なデータはファイルサーバー、或いは複数のPCにバックアップすれば、SCSI-HDDの信頼性に頼る必要はない。個人ユースならSATA-HDDで十分だ。と言うことで、NT4対応のSATAカードを使うことにした。このカードはOSからみてSCSIデバイスとして認識され137GBの壁を超えることができる。

そこで、玄人志向のSERIALATA1.5-PCをヤフオクから購入した。仕様は以下の通りである。
 ・搭載チップ: SiliconImage Sil3112
 ・データ転送速度: 150MB/s
 ・コネクタ形状: SerialATAコネクタ2ポート
   (内部2、または内部1+外部1)
 
・対応OS: Windows98/Me/NT4.0/2000/XP

つまりSATA1規格のカードである。最近はSATA2が主流であるから物足りないが、NT4をサポートするカードは限られるのでやむを得まい。

ところが、CrystalDiskMark2.1で計測するとそれほど遅くはない。(NT4では同Mark2.2は動かない)

左上の写真は、SERIALATA1.5-PCに繋いだ250GB7200rpmのSATA-HDDのデータ。4KBのRandom Readが少し遅いが満足の行く結果だ。

左中の写真は、29320A-Rに繋いだ73GB15000
rpmSCSI-HDDのデータ。64bit接続にしては物足りない。最近の大容量SATA-HDDに較べてプラッタ容量が小さく、ヘッドの移動量が大きいせいだろうか。とは言え、単体のHDDとしては良好だ。
左下の写真は本機のデスクトップ画面。
(写真をクリックすると拡大する。約3MB)

壁紙はWin7RCから流用した。
「いまどきのNT4-PC」と呼んでも良いかなぁ~

さて、SERIALATA1.5-PCには2個のSATA端子がある。その一つをeSATAブラケットを使って外部接続した。500GB7200rpmのSATA-HDDで試したところ、eSATA-SATA変換ケーブルと外部ACアダプタ電源を使って全く問題なし。500GB全領域単一のドライブとして認識した。

使用ソフトについて (2009.7.25)

NT4は今でも十分使えるが、相当なハンデがある。
 ・マイクロソフト社のサポート終了。
 ・ハードウェア各社のサポートも殆ど終了。
 ・ソフトウェア各社のサポートも殆ど終了。
 ・インストールが面倒。

だが、古いソフトを使う限り何とか乗り切れる。プリンタドライバは、もう少しサポートが続きそうだ。最大の問題はセキュリティーソフトだ。 これまで使ってきたNOD32は本年中でサポートが終了する。その後どうするかは思案中だ。

では、本機で使用しているソフトを紹介しよう。

種別
ソフト名
備   考
OS
WindowsNT4.0 最終版
SP4相当か SP6aにアップデートして使用
日本語変換
ATOK14
NT4で使える最終版
エディター
Hidemaru
すべてのWindowsOSで動く
オフィスソフト
Office2000、EXCEL95
エクセルマクロのためにこのPCがある
ワープロ
PageMaker6.0&7.0、 InDesign2
主に古いファイルの閲覧用
新規ファイルは別のPCで
画像処理
Adobe Photoshop6
動作が軽くて使い易い
図版処理
Adobe Illustrator10、
MicrografxDesigner4
辞書
広辞苑・古語辞典・地名辞典他多数
大部分仮想CDに収めている 動作は無問題
その他
Adobe Flash Player7
時々動作しないWebサイトがある
Adobe Reader7.0.9(英語版)
ほとんどのPDFファイルが読める
Everest Corporate Edition 5.02
NT4~Win7RC64bit版まで使える
Internet Explorer6.0
7.0より軽快
Opera9.27
自作サイトのの確認用
QuickTime Player6.4
ほとんど使わない
Virtual Disk for WindowsNT
大いに活躍している
ウイルスソフト
NOD32
本年中でNT4のサポート終了

測定結果 (2009.7.25)

では測定をしよう。と言っても、NT4で動作するベンチソフトは限られる。
今ではあまり使われなくなったHDBENCH、及びSuperπを走らせて見よう。

ALL
Integer
Float
MemoryR
MemoryW
MemoryRW
DirectDraw
Rectangle
60,037
73,003
122,819
188,135
71,504
139,426
59
42,170
Text
Ellipse
BitBlt
Read
Write
RRead
RWrite
Drive
43,600
17,400
129
89,745
81,854
28,861
7,558
C:\100MB


・上の結果の見方を忘れてしまった。875Pを載せた他のM/Bより全体に低調かもしれない。
・Superπ104万桁:46秒。
・アイドル時消費電力:93W、HDBENCH時ピーク値:175W。

突然起動しなくなった (2009.7.26)

原因は直ぐに判った。起動時に長いビープ音が続く時は概ねメモリのトラブルだ。メモリを外して無水エタノールで接点の汚れを落とし、メモリスロットをエアスプレーで掃除し、電源ON。
何事もなかったかのように無事回復した。購入記録を確認したら、7年前に求めたメモリだった。接触不良が起きても不思議はない。その上、メモリの仕様はDDR333。これでは遅いわけだ。別のPCからDDR400-512MB×2を引きはがして取り替えた。HDBENCHのデータは数%向上した。メモリを替えたので、FSBを200MHzから210MHzに上げてみた。更に数%向上した。安定動作第一主義なので、OCは滅多に行わないが、室温28℃の時、CPU温度は40℃を超えないので良しとしよう。Superπは46秒から42秒になった。

ALL
Integer
Float
MemoryR
MemoryW
MemoryRW
DirectDraw
Rectangle
64,624
76,835
129,120
207,707
83,473
193,867
59
42,166
Text
Ellipse
BitBlt
Read
Write
RRead
RWrite
Drive
43,534
17,580
130
90,941
82,914
29,646
7,446
C:\100MB


*上のデータを見ると BitBlt の数値が低い。これは画面を1920×1200にしたためで、HDBENCHの標準画面である
  1024×768では、BitBltは480くらいになる。


NT4がサポートする最大メモリは512MBだったように記憶している(あまり自信はない)。 このPCを起動すると約130MBのメモリを使用する。インストールしたすべてのアプリケーションを起動すると使用メモリは約380MB。1GBは過剰のようだがペアメモリなのでそのまま使うことにした。

さて、組み立ててから凡そ1年半。当初はそうでもなかったが、かなりノイジーに感じる。各所のファンを交換しよう・・・とは思うのだが、Mini-ITXに慣れて、重いATX-PCは扱いがしんどい。

NT4に関心のある人は極希だと思う。
本ページは一旦終了し、何か変化があった時に更新しよう。

本格的な夏になった。夏と言えば「日本の夏 Geodeの夏」だ。
次回は、そのGeode-PCを取り上げよう。

土用干し (2013.7.18)

♪ 夏がくれば思い出す はるかな尾瀬 遠い空~

夏の土用が近づくと古いPCを思い出し、陰干しをする習慣がある。今年はNT4-PCが引っ張り出された。最後のNT4機として 2007年11月に組み立て、2009年7月に本SiteにUPしたのだが、同年末、Security Soft"NOD32"がNT4のSupportを終了して以来、一度も顧みられることなく押入れに放置されていた。

本頁は、今でも毎月80~100回程度の閲覧数がある。その記録をみると、大部分はUSB関連と思われる。恐らく、まだまだ彼方此方でNT4機が使われ、Fileの移動にFDではなくUSBを使うにはどうすれば良いか検索した結果、本頁に辿り着くのであろう。

上に述べた通り、NT4はUSBをSupportしない。但し、非公式ながらUSBを使う手立てはある。2013/7/18現在でもDownloadできる DELL社のNT4-USB Driver R62200.EXE
  → http://ftp1.us.dell.com/utility/R62200.EXE を導入すれば、

 ・Flash MemoryはPlug and Play可。但しUSB1.x相当なので転送速度は遅い。
 ・USB Mouseも動作するが、Wheelは使えない。
 ・USB Keyboardは特に問題なし。
 ・USB接続のFDDは起動前に接続すれば動作するが、Plug and Playは不可。
となり、至って便利。

では、USB Memory について再確認しよう。
 ・FatでFormatされた2GBのMemory   ○
 ・Fat32でFormatされた2GBのMemory ×
 ・FatでFormatされた4GBのMemory   ○
 ・Fat32でFormatされた4GBのMemory ×

つまり"Fat32"でFormatされたMemoryは非対応であることがわかった。
更に、そのMemoryをNT4で"Fat Format"すると最後にErrorが出て使用不可。

よって、NT4でUSB Memoryを使うなら、
 ・DELL社のNT4-USB Driver R62200.EXEを導入する。
 ・MemoryはXPまたはWin7上で"Fat Format"する。

本機のSystem StorageはSSDではなく15000rpmのSCSI-HDDを使っている。SmartDrive入りだが、それでも動作音はよく聞こえる。ところが、久し振りに聞くSCSI-HDDの音は何故か心地よい。そして、全体に動きは軽快。Martox P750は絵が綺麗。丸1日連続運転した限りでは全く問題なし。 もし、適当なSecurity Softがあれば、まだまだ使えそう・・・

NT4-PCの引退 (2017.7.22)

昨日 NT4-PCを引っ張り出した。年貢の納め時はとっくに過ぎているのに、引退を先延ばしにしてきた理由は、本頁の閲覧が中々途切れなかったからである。NT4自体は仮想上で動作するが、一部周辺機器の代替が難しく、NT4のSupport完全終了後10年以上経っても未だに各方面で使われていると伝えられる。

凡そ1年振りにNT4-PCに火を入れた。15000rpmのSCSI-HDDはまだまだ健在。他の部品も不具合なし。それにしてもSuperMicroのM/Bは寿命が長い。
 ・Office95 / Office2000
 ・PageMaker 6.0 / 7.0
 ・Photoshop 6.0 / Illustrator 10 / In Design 2.0
等々、昔と変わりなく当たり前に動作した。Matrox P750による静止画像は相変わらず綺麗。Web非接続で用が足りる使い方なら、Pentium4 3.2GHz + NT4 は今日でも充分実用になる。但し、
 【起動所用時間】 77秒
 【終了所用時間】 30秒
 【Superπ104万桁】 45秒
 【Superπ104万桁実行時消費電力】 Max 157W
 【Idle時消費電力】 95W
なる点は如何ともし難い。それでもNT4がきびきび動作するのはOSが軽いからであろう。
と言うことで、どこにも不都合のないことを確認し、再び納戸へ帰って行った。
NT4-PCが解体されるのは、本頁の閲覧数が月10回を下回るようになってから・・・

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