あれこれテストする XI
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まな板PC2台、お盆PC4台、作りかけのPCが山をなしている。にも拘わらず、新たなPCを組むことになった。 (2011.10.28) |
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最後のXP_PC (2011.10.28)
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我家のメインPCは「ASUS P5WDG2-WS Pro + E6850 + HD4670」にXPを入れた数世代前の仕様である。2006年11月に組み立てて以来5年間、M/Bに重大なトラブルはなくその地位を保ってきた。一度SCSIカードの接触不良から危うくデータを失いかけたが、クローンHDDのお蔭でどうにか乗り切ることができた。 ところが一週間程前からPhotoShopにエラーが頻発するようになった。 機嫌が良ければ問題なく動くので未だ原因を特定できない。兎に角このPCには膨大なアプリケーションが入っている。使わなくなったものは順次アンインストールしているのだが「レジストリお掃除ソフト」を使っても何処かに痕跡が残り動作を阻害している可能性がある。再インストールすれば2~3日はかかり仕事に障りがでる。Win7上では動かないソフトを多用しているためVirtual-XPのパフォーマンスと安定性が向上するまでXPは棄てられない。そうなると道は一つ、新たなXP-PCを組み立てる他はない。 Win7上では動作に問題のあるソフト 「角川 地名大辞典」「角川 古語大辞典」「大空社 群書類従」など では部品構成をどうするか。別ページの「中スペックMini-ITX」用にHD6870を外された「GA-P55A-UD4 + i7 860」が埃を被っている。二世代前とは言えXPなら十分、問題はSSD選びか。東芝のコントローラーを載せたKingston SVP100S2/96Gではどうだろうか。 そこで手持ちの部品を総動員し、 【CPU】 Core i7 860 【CPUクーラー】 グランド鎌クロス 【M/B】 GIGABYTE GA-P55A-UD4 【MEM】 DDR3 1333 2GB×2 【VGA】 SAPPHIRE HD6670 【SSD1】 Kingston SVP100S2/96G(システム用) 【SSD2】 未定(Adobeソフト用) 【HDD1】 未定(データ用) 【HDD2】 未定(バックアップ用) 【RamDisk】 GIGA i-RAM + DDR400 1GBx4 【DVD】 Pioneer DVR-S17J-SV 【PSU】 Seasonic SS-650KM 【Case】 Abee M0の予定 【OS】 WinXP Pro32 をまな板に組んだ。 XPのインストールはWin7の倍以上時間がかかった。 と言うのもXPはアクチべーションを済ませないとWindows Updateからのインストールに制限があり、やむなく自動Updateに任せたからだ。ところがATIのドライバ導入時「Microsoft .NET Framework Version2.0がインストールされていない」と警告され、結局一部は手動Updateすることになった。更には、このM/Bは2年前の製品のため、付属するドライバやユーティリティーの殆ど全てをUpdateすることになり、思いの外時間がかかてしまった。そもそもXPはSSDを使っても起動終了が遅く再起動に手間取る。これもまたWin7の倍くらいか。 とブツブツ言いながらも無事にXPのセットアップを終え、馴染みのある画面が現れた。 ・GIGA i-RAMを載せたせいか、アイドル時の消費電力は高く72Wもある。 予定のストレージを全て載せれば80Wを超えそうだ。 ・電源 Seasonic SS-650KM はベンチ時以外殆ど回らない。 ・CPUクーラー グランド鎌クロスに付属するファンは800rpm辺りから煩くなる。 ・HD6670はオリジナルのままだが十分に静か。 ・i-RAMのメモリ及び基板温度は40℃くらい(室温25.0℃) ・その他、温度に関する限り不安要素はない。 さて、問題はこれからだ。Win3.1時代のソフトを何本も入れなくてはならい。一部は自動的にインストールできず、自分でiniファイルを書き換える必要がある。久し振りなので手順を覚えているかどうか自信がない。 仕方ない、少しでも面倒を避けるためにアクチしよう。 ライセンスに予備はなく、お蔵入りしたPCのXPを使い回す他はない。電話のお世話になることを覚悟の上で手続きを始めたら何事もなくスンナリ通った。審査の基準が緩くなったのだろうか・・・ |
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Core2Duo E6850を載せたメインPCと本機との能力差は大きく、明らかに体感できる。IE8やExplororが飛ぶように展開する。動画の再生もまた然り、Adobe Flash1080PコンテンツやBD版StarWarsも極めて良好、今のところ不都合はない。おっと、このPCは道楽用ではない。オフィス・Adobe・辞書類など仕事用だ。 さてAdobe CS2の内、ファイル管理ソフト「Adobe Bridge」は取り分けディスクアクセスが多い。放って置くとHDD内は不連続ファイルだらけになる。定期的にデフラグをかけなくては目に見えてディスクアクセスは低下する。そうしたじゃじゃ馬ソフトをSSDに収めるのは忍びないが何事も物は試し、独立したSSDに入れてみよう。そこで手持ちの中からIntel SSD 320 80GBを選んだ。またHDDの候補としたSeagate NSシリーズは現在品薄状態にあり入手は難しい。タイの大洪水のせいだろうか。結局、手持ちの中から3.5" 750GBと2.5" 1TBを使うことにした。動画ファイルを置かなければ十分間に合うであろう。
よってストレージは、 【SSD1】 Kingston SVP100S2 96G(システム用) 【SSD2】 Intel SSD 320 80GB(Adobeソフト用) 【HDD1】 Seagate Barracuda ES.2 ST3750330NS 3.5" 750GB(データ用) 【HDD2】 Western Digital WD10JPVT 2.5" 1TB(バックアップ用) とした。 今回使用したXPは32bit版。そうなるとメインメモリは4GBまでとなりRamDiskが欲しくなる。メモリを8GB載せ、その一部をRamDiskに使う手もあるが、起動時のリストアと終了時の バックアップのため再起動にトンデモない時間がかかる。全てのインストールが終わるまでは見合わせたい。そこでメインPC用の保守部品として求めた「GIGA i-RAM」の登場となった。 少しでもSSDへのディスクアクセスを減らせれば好都合なのだが・・・ |
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XPのインストールとUpdateは一晩で終わった。 ところがアプリケーションのセットアップは3日もかかった。その内訳は、 ・ Adobe CS2 / CS4 ・ PageMaker 6.0 / 7.0 ・ Designer4.1 ・ Office95 / 2000 ・ ATOK2011 ・ 地名大辞典 / 古語大辞典 / 群書類従 ・ 広辞苑 / 漢字源 / 英和辞典 / 日本史辞典 / 現代用語辞典 ・ 桐V9 ・ ProAtlas4 / 数値地図 ・ PowerDVD9 BD Edition / VLC ・ プリンタ2台分のドライバとユーティリティー ・ モリサワ PSフォント ・ 各種ベンチソフト / ユーティリティーソフトなど多数 古いソフトは自動更新できず、該当サイトから必要なファイルを探してUpdateした。Atlas4は全国の地図データを入れたためインストールに4時間以上かかった。DVDの挙動を見ると先読みせずにその都度読み書きしている。一旦HDDに取り込んでからインストールした方が良かったかも知れない。導入漏れのソフトは気付き次第入れることにしよう。 さて、Giga i-Ramに搭載可能なメモリは4GBまで。旧来のメインPCは2台載せて8GB。 案の定1台では容量不足だ。4GBでは仮想メモリ/Windows Tempファイル/インターネット一時ファイルで手一杯となり、Adobeソフトの作業フォルダを確保できない。 そこで、SLCタイプのSSD Intel SSDSA2VP020G201を導入することにした。その利点は、 ・Giga i-Ramと較べて体感速度に変わりはないが十分な領域を確保できるので心強い。 ・電源を落とした時、Giga i-Ramのバッテリーは1日持たず、部品の組み替えに手間取る とRamDiskを再設定しなければならない、SSDならその心配は無用だ。 ・消費電力は十分に低い。 結果は極めて良好。SW-ONからパスワード入力画面が出るまで55秒。Adobeソフトの起動に要する時間は旧メインPCに較べて半分程度。最後のXP_PCとして十分であろう。 暫く様子をみてからAbee M0に収めよう。その際、 ・メインPCに3.5"FDDは必要。(原稿をフロッピーで持参する人がいるのだ) ・HD6670は静かなビデオカードだが使い込めば煩くなる。その前にファンを替えよう。 ・今のところ蟹NICに不都合はないのだが、念のためにIntelのカードを挿そう。 問題はデータドライブに予定していた750GBの3.5"HDDである。発熱が酷く動作音も煩い。室温25℃の時、SmartDriveに入れた状態でHDD温度は45℃に達する。他の3.5"HDDは同じ条件で30℃台の半ばなのにどうしたことか。少し古いドライブのせいだろうか。一般的にHDDは使わずに長期間放置すると性能が劣化する傾向にあるがそれにしても煩く熱い。このところHDDの価格はタイの大洪水の影響を受けて暴騰している。かと言って先送りにはできない。数日前の5割高を承知で 2TBのHGST Deskstar 0S03224を求めた。 |
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AbeeのケースはM0・D1・C10を所有している。Micro-ATXのD1は使用中、Mini-ITXのC10は現在空家、ATXのM0は3年間使用後1年以上放置。 M0はW201xH474xD540mmと大振りなために置くべき場所が決まらず邪魔者扱いされてきた。今回メインPCを更新することになり、CM Stacker STC-T01-UWKに代わって首座に就くことになった。 M0の概要は、 ・奥行が十分にあることからドライブ類の収納が楽である ・9段ある5"ベイの構成は自由 ・フロントファン120mmx1、リアファン120mmx1 ・側板・天板とも穴なし ・電源は上置き 最近のケースに較べればやや窒息気味だが、遮音性は高く内部のノイズは漏れにくい。 その吸排気性能からミドルレンジのビデオカードまでなら十分に対応する。今回予定のHD6670なら全く問題はない。 ところが、久々にケースを開けたらHDDホルダーが見当たらない。 HDDはSmartDriveに入れるので3.5"ベイは無用と許り、外したホルダーを何処かに仕舞い込んでしまったのだ。探すとなれば半日はかかる。ならば別の手を考えよう。抑もHDDホルダー自体エアフローの障害物になる。寧ろ無い方がよい。HDDやSSDの固定はどうにでもなる。 さて、HD6670は手持ちのビデオカードの中では最も静かである。VGAクーラーが同じ仕様のHD4670もHD5670も当初は静かだった。ところが使い込む内にノイズレベルは上がり、HD4670は半年、HD5670は三月でファンを交換した。HD6670は他のPCから流用したものであり新品ではない。遠からずファンを交換することになろう。ならばケースに組み込む前に処置しよう。 CPUクーラー「グランド鎌クロス」に付属するPWM仕様の140mmファンは、600~700rpm程度の時は十分に静かなのだが800rpmを超えると途端に煩くなる。そこで、回転数固定仕様のNoctua NF-P14FLXに替えてみた。低回転時はグランド鎌クロス付属ファンとほぼ同じノイズレベルだが800rpm以上では大きな差がでた。またまたNoctuaで決りか。今回使用した M/B GA-P55A-UD4は、非PWMファンもBIOSから回転数の制御ができるので好都合だ。 |
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スペーサーで取付幅を調節したSSDや氷室mini入り2.5"HDDは無事に収まるだろうか、SmartDriveに入れた3.5"HDDの冷却をどうするか、課題は尽きない。 |
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その後、幾つか変更した。 ・電源は「Seasonic SS-650KM」を「ENERMAX PRO87+ EPG600AWT」に換えた。 ・CPUクーラーは「グランド鎌クロス」を「PROLIMA TECH GENESIS」に換えた。 ・カードリーダー付きFDDは古物のせいかノイズが酷く取りやめた。 必要な時にUSB接続の外付けドライブを使えばよい。 ・ドライブ用の電源ケーブルが硬く、着脱時にコネクタを傷める可能性があるので、 柔らかい素材を使った分岐ケーブル(AINEX D2-1501SA-BK)を入手した。 ・SSDx3 HDDx2 DVDx1 ケース内に6本のSATAケーブルが這い回り、長いケーブルでは エアフローの妨げになる。そこで 20cmケーブル4本、30cmケーブル2本を用意した。 ・サウンドカード「CREATIVE SB-XFI-XG」を追加した。 |
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WOWOWの3CH化に伴い幅広い題材を取り上げるようになった。その中に「メトロポリタン・オペラ」シリーズがあり、11月12日の夕刻から深夜にかけてワーグナーの楽劇「ラインの黄金」 「ワルキューレ」を録画した。 来春までには「ジークフリート」 「神々の黄昏」も放送され、「ニーベルングの指輪」四部作が揃うとのこと。 「ラインの黄金」はNHK-FMが実験放送だった頃から聴き始め、現在、DVD2種・CD3種を愛蔵している。特に大詰近くにある雷鳴の効果音は、ダイナミックレンジや低音再生能力の確認に好都合なため、音キチ時代の定番ソースとなっていた。そこで、新メインPCに載せたサウンドカードSB-XFI-Xの検証を兼ねて「ラインの黄金」を観ることにした。 さて「新演出による ラインの黄金」はどうだろうか。画質は上々ながらオーケストラの調子は思わしくない。残響が短く乾いた響きで演奏ミスが目立った。迫力も物足りず室内楽的に聞こえた。前奏の後、ラインの黄金を護る三人の乙女=ヴォークリンデ(ソプラノ)・ヴェルグンデ(メゾソプラノ)・フロースヒルデ(アルト)が人魚姿で登場した。 大層な舞台装置の割に歌は冴えない。LPやCDで聴いていた時は、ソプラノ・メゾソプラノ・アルト三様の声質から誰が歌っているか聞き分けたものだが、今回の三乙女は声質が似通っている所為か映像があっても区別が付きにくかった。 この部分は相当に艶っぽく、若い頃は訳詞を見ながら胸をときめかせたものだ。 やがて、アルベリッヒ (ニーベルング族の小人)、ヴォータン (神々の長)、フリッカ (ヴォータンの妻)、ローゲ(火の神)、ファーゾルトとファーフナー(巨人族の兄弟)、フライア(美の女神)等が登場した。う~ん、どうもしっくりしない。 お上品なアルベリッヒ、迫力に欠けるヴォータン、ビア樽姿のフリッカ、優等生的なローゲ等々、これまで抱いていたイメージに合わない配役と棒立ちに近い演技にがっかりした。 ところが、歌やオーケストラにばかり集中するのではなく、一歩引いて舞台全体に目を遣れば話は変わる。 ハイテクによって動作する総重量45トンにも及ぶ舞台装置は伊達ではなかった。ラインの河底・広々とした山の高み・地底のニーベルハイムなどが、少しの滞りも違和感もなく自由自在に変化する仕掛けに唖然とする内、演出家の目論見通り、否応なく「ニーベルングの指輪」の世界へ引きずり込まれてしまったのだ。一度嵌り込めばワーグナーの虜、見終わった時の満足感は高く幸せな2.5時間となった。当然 SB-XFI-Xの検証などすっかり忘れ去られた。 今回の「新演出による ラインの黄金」が、我がオペラ・ライブラリーに加わるかどうかは「ワルキューレ」を観てから判断することにしよう・・・ |
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その後、新メインPCは順調に動いている。i7 860+HD6670のベンチ結果は掲載するまでもなく凡庸だが、SSD3丁のお蔭でAdobeソフトの動きは至って快調、とだけ述べておこう。では、このPCで何をするのか。 実は古典の解読中なのである。今回は江戸期の文書に挑戦している。近世物だからといって決して侮れない。地の文はそれ程でもないが引用された漢文は手強い。中でも寺院の鐘に刻まれた銘文の読み下しは難物だ。仏教用語混じりの上、訳出例が少なく予想を遙かに越える時間がかかってしまった。 その古典の入力に最適なソフトは何か。迷うことはない。Adobe InDesignで決りだ。以前使っていたPageMakerと較べて格段に使い易い。返り点や送り仮名の挿入、強力なルビ振り機能など、他には考えられない。今回は或る郷土史愛好家と共同作業をしているのだが、原稿の締め切りが迫り、今月中に目鼻を付けなくてはならない。目下、ルビとレイアウトの調整を同時に進めている。ルビを振ると行数が増して脚注の位置がずれ、否応なくレイアウトの変更が必要になるからだ。全体でA4 3段組100頁くらいのボリュームがあり、一通り目を通すだけでも半日以上かかるためなかなか捗らない。今月中に終わらせるためには一日10時間以上の作業をしなくてはならない。 本業の手抜きには限界があり、PC道楽を後回しにする他はない。(先日分解したMONOBOX ITXはバラバラのまま散乱してる) それでも時間が足りず、睡眠時間を減らしている。 四当五落。昔できなかったことをこの年なって体現している。それとも、IT土方とはこうしたことを言うのだろうか・・・ |
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上に述べた古典の解読は「四当五落」の甲斐あって、予定より3日早く終えることができた。 それでも合計120時間くらいかかった。一段落したところでヴァイオリンを聴いた。 ■ 今世紀は「女流ヴァイオリニストの時代」ではないだろうか。洋の東西を問わず女性陣が大活躍である。中でもアンネ=ゾフィー・ムター、ヒラリー・ハーン、ユリア・フィッシャーは吾輩のお気に入りである。 ・ドイツ出身のアンネ・ゾフィー・ムター(1963年生)は、15歳の時にカラヤンに見出された。 ・アメリカ出身のヒラリー・ハーン(1979年生)は、17歳の時に発表した初アルバム 「バッハ 無伴奏ソナタ・パルティータ集」で音楽界に一大旋風を巻き起こした。 ・ドイツ出身のユリア・フィッシャー(1983年生)は、弱冠23歳でフランクフルト音楽演劇 アカデミーの教授に就任した。 三人ともデビュー当初から天才少女の誉れ高く、その後も精進を怠ることなく益々磨きをかけて今日に至る。正に三賢女揃い踏み。その中からヒラリー・ハーンについて述べよう。 ■ 11月27日夜、届いたばかりのDVD「The Berliner Philharmoniker in Tokyo - Concert at the Suntory Hall: Violin Concerto / Symphony No 8」をかけた。 演奏は、 ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン 指揮:マリス・ヤンソンス 管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー 会場:サントリーホール 収録:2000年11月26日 プログラムは、 ウエーバー作曲 歌劇「オベロン」序曲 ショスタコービチ作曲 ヴァイオリン協奏曲第1番 バッハ作曲 ヴァイオリンソナタ第1番から プレスト(アンコール) ドヴォルザーク作曲 交響曲第8番 ドヴォルザーク作曲 スラブ舞曲 第7番(アンコール) 勿論、お目当てはショスタコのヴァイオリン協奏曲。オベロンを飛ばしてヒラリー・ハーンへ直行した。彼女に関しては「最近、美人ヴァイオリニストが多い中で・・・」とか「決して美形ではないが・・・」とか、甚だ失礼な書き込みをWeb上に見かけるが、DVDで観る彼女の姿は美しかった。 彫りの深い顔立ち、あごを引き背筋をピンと伸ばした理想的な姿勢、常にヴァイオリンの弦と直角に当たる弓、必要最小限の動きで高速運動をする左手の五指、身体と楽器が一体化して揺るぎのないフォーム、ヴァイオリニストとしてこれ以上望むべきものはあるだろうか。 映像を観なければ、とても年若い女性の演奏とは思えない。 技巧・音色・表現・解釈など非の打ち所はなく、如何に賛辞を重ねても足りない程の素晴らしさだった。彼女は1979年11月27日生、このDVDの収録は2000年11月26日。つまり20歳最後に日に当たっていた。その演奏をハーン32歳の誕生日に聴いたのは偶然だった。 さて、ショスタコのヴァイオリン協奏曲はかなりの難曲と思われる。 楽譜の指定速度から計算すると、第4楽章は1秒間に14~15個の音が入る。更に、二重奏法は当たり前、三重音や四重音もあり、指と弓の動きは曲芸的に見えるはずだ。ところが、彼女は涼しい顔でさらりと弾いている。映像に目を凝らせば確かに指はよく動いているのだが、その上下動は最小かつ滑らかなため、取り分け難しそうには見えない。そして、今更言うまでもなく、音色の美しさは天下一品、長い持続音も細かいパッセージも魅力溢れる美音を奏でる。差し詰め「スパコン・ヴァイオリニスト」と言えようか。だからと言って決して冷たく機械的な演奏ではない。緩急共に表情は豊かで、作曲家の意図や奏者の思いがひしひし伝わってくる。しかしながら顔の表情に殆ど変化はなく終始淡々と弾いている。笑顔は楽章の合間と演奏後に一瞬見せただけで、上に述べたアンネ=ゾフィー・ムターやユリア・フィッシャーの熱っぽい表情とは大きく異なる。そう思いつつ5回連続 (39'17"x 5) 視聴した。 ■ おっと、自作PCサイトらしからぬ内容になってしまった。少しくらいPC絡みの感想を加えよう。実は5回の視聴は全て異なるサウンドデバイスで聴いたのだ。 【Auzen X-Fi HomeTheater HD】周波数レンジ・ダイナミックレンジ・透明感とも極上。 【Auzen X-Fi Forte 7.1】悪くはないがHomeTheater HDと較べれば多少聴き劣りする。 【CREATIVE SSB-XFI-XG】音が硬質でクラシック向きではない。 【ONKYO SE-200PCI LTD】音が柔らかく聞きやすいが音の分離と高域の伸びに不満。 【ONKYO DAC-1000】相変わらず調子が出ない。 ヒラリー・ハーンのヴァイオリンをPCで聴くならAuzen X-Fi HomeTheater HDで決りか。 と毎度お馴染みの結論に達した次第である。 |
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我家のメイン・ディスプレイは2003年以来NanaoのL885を使ってきた。最近、輝度やコントラストが低下して少し見にくくなった。かといって、もう一台のNanao S2411Wは動画用に画面を明るく設定してあるため、文章の作成や作表作業などには目が疲れて向かない。仕方ない、ディスプレイを交換しよう。そこで、Nanaoの高品位ディスプレーの中から ColorEdge CG245W を選んだ。 現在、PC作業も読書時も裸眼で済ませているのだが、暗くなると途端に不自由になる。明る過ぎても暗過ぎても駄目。虹彩の調節機能が劣化したのであろう。安くはないがこの際やむを得まい。 2011/12/15、ColorEdge CG245Wが届いた。早速梱包を解いて組み立てた。CG245Wはキャリブレーションセンサー内蔵の他、左右及上の三面に遮光フードがついている。フードは本体から135mm突き出るため組み立て後はかなりな大きさになるが、幸いL885の跡地にどうにか収まった。 取説にざっと目を通し、キャリブレーションセンサーで調節をした。別段難しくはなかった。発色に関する限りL885との差は僅かだが、白の抜けが良くなったために文字や画像細部の視認性が向上した。更に、 【L885】 20inch 1600x1200 画素ピッチ0.255mm 【CG245W】 24inch 1920x1200 画素ピッチ0.270mm であることから、同じDPI設定ならCG245Wの方が6%ほど大きく表示される。これは助かる。スペースに余裕があれば、CG245Wより一回り大きいCG275Wにしたかったのだが、そうそう贅沢は言えない。 |
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我家のコピー機は1998年以来XeroxのA2版対応機を使ってきた。 既に生産は中止され、保守部品や消耗品の供給も2年前に終了した。残りのトナーも僅かとなり、後継機の導入を検討していた。と言っても選択の余地は少なく、同社の「Able 1407 λ」に決めた。 主な特徴は、 ①A2ネットワークプリンターやCAD用プロッターとして使える ②A2ネットワークスキャナーとしても使える ③A2サイズの等倍ファクス送受信や受信ファクスの電子化に対応する。 ④赤黒ツインカラーコピー可 その内、④の赤黒ツインカラーコピー機能は基本仕様、①②③はオプション。そこで、当面②と③の機能は使う予定がないので、①のネットワークプリンター機能を追加した。 据付の日、購入店の営業マン1名、Xeroxの社員2名、設置作業員4名がやってきた。W780×D765×H1098mm 重量180Kg、ピアノ並みの機体は2人では持ち上がらず4人がかりで1時間ほどかけて所定の場所に設置した。 早速、プリンタドライバをインストールしテスト印刷した。PCとは10mほど離れているので、確認のために何度も往復した。前のA2コピー機はアナログ仕様、本機はデジタル仕様、印字品質・印刷速度とも結果は上々。 これまでA2版の作成は、A3プリンターで出力した後、A2に拡大コピーしてきたが、これからは直接印刷できるので手間が省けて大いに助かる。さて、本機を何にどう使うか。使い途を説明すると本業がバレるので 「なくてはならぬ存在である」 とだけ述べておこう。 A2版コピー&プリンターの件は一件落着したが、A3版カラープリンターについても後継機を検討しなくてはならない。現在、2005/8/20に購入した Oki Microline Pro 9800PS-Xを使っている。まだ保守部品や消耗品は供給されるが、保守契約は5年目で終了し、現在はスポットサービスだけとなった。遠からず新機種に入れ替えることになろう。 この不景気な折、高価なOA機器の更新期が次々にやってくる。 |
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