Comet Lake II


Comet Lake頁が長くなったので続編を起こした。(2020/09/01)
Celeron G5900T (2020.09.01)

どうもComet Lakeの評判は今一つ。同SeriesのPentium/i3/i5に関しては充分満足の行く結果を得ながら、Process Rulesが14nmでは7nmのAMDに対抗できずにいる点が最大の理由と思われる。けれども、Idleから軽負荷時にかけて実運用領域の消費電力はIntelの方が断然良好であり、静音省電力PCを目差すなら、まだまだIntelの優位性は揺るがない。

さて、我が家の現行PC中、著しくPerformanceが見劣りするのは
 ① Mini File Server : ASRock J5005-ITX
 ② Music Fie Server : Intel D2700DC
 ③ Music Fie Server : MSI AM1i + Athlon 5370
の3台である。 実際の運用中は兎も角、Windows Updateや自動Maintenance時の緩慢さは我慢の限界を超え、機嫌麗しからざる時は窓から放り投げたくなる。

ならば、先ず①を放り投げずに済むPCに模様替えしよう。と言っても常時稼働PCであり、Monitor背後の風通しの思わしく場所に設置するので、できる限り低発熱省電力仕様が望ましい。その条件を満たすだけなら、Coffee LakeのCeleronでも良いのだが、生憎Mini-ITX M/Bの空はなく、どうせ新調するならLGA1200仕様のM/BとCPUで纏めたい。そこで、
  【CPU】 Comet Lake Celeron G5900T (\4,710)
  【M/B】 ASRock H410M-ITX/ac (\12,236)
を選んだ。LGA1200仕様のMini-ITX M/Bはどれも値が張り、ASRock H410M-ITX/acが最安値である。部品構成と結果は以下の通り。比較の為に"J5005-ITX"のDataを添えた。

Comet Lake Celeron G5900T
Date
2020.09.01
(室温26.0℃)
2018.04.14
(室温25.0℃)
M/B
ASRock
H410M-ITX/ac
ASRock
J5005-ITX
CPU
Comet Lake
Celeron G5900T
2C2T TDP35W
3.2GHz
Gemini Lake
Pentium J5005
4C4T TDP10W
1.5/2.8GHz
CPU Cooler
Intel Regular Cooler
M/B附属Heatsink
+ 120x15mm PWM Fan
Memory
DDR4-2666 4GB x2
DDR4-2133 8GB x1
SSD
WD Blue 500GB
M.2 SATA SSD
Samsung 850
EVO 120GB 2.5"SSD
Sound
Olasonic USB-DAC + Noise Filter
PSU
pico PSU-120-WI + 12V 120W AC Adaptor
Win10 Pro
Build 19041.450
Build 16299.371
Cinebench
R15
CPU all
258 cb
Max 23W
303 cb
Max 18W
CPU single
135 cb
Max 18W
83 cb
Max 13W
Prime95
消費電力
Max 28W
Max 21W
CPU温度
Max 44℃
Max 64℃
Super PI 104万桁
12 sec.
23 sec.
Idle時
7W
6W
WMP音楽再生時
9W
8W
PowerDVD
18Ultra
Upcon_off
平均 13W
平均 10W
Upcon_on
平均 16W
平均 14W
*H410M-ITXの無線LAN機能はOffにした。

Celeron G5900T II (2020.09.02)

前節の表から、
 ・Idleから軽負荷時にかけての消費電力は極めて良好である。
  TDP10WのJ5005に較べてもその差は些かである。
 ・Prime95実行時消費電力Max28Wもまた好ましい。
  同じTDP35WのComet Lake i3 10100Tは70W台に達する。
 ・更にまた、G5900TのPrime95実行時CPU温度 44℃には目を見張る。
  SensorのErrorではないかと疑うLevelだが、M/Bの基板上に高温部分は
  見当たらない。
 ・CinebenchR15 CPU all値258cbは何とも物足りないが、同single値は
  135cbでありどうにか堪えられよう。
 ・こうした低Spec CPUの場合、Super PI 104万桁の値が実運用時の体感に
  大きく影響する。その点 G5900Tは12sec.であり、23sec.のJ5005とは相当な
  開きがある。

従って「・・常時稼働PCであり、Monitor背後の風通しの思わしく場所に設置するので、できる限り低発熱省電力仕様が望ましい・・」との希望は叶えられそう。

このPCはMini-File Serverであり、予定するStorage構成は以下の通り。
 【M.2】 WD Blue 500GB M.2 SATA
 【HDD】 Seagate 2.5" 4TB HDD x2

収めるCaseは「二面構成横着Case」である。物事は予定通りに進むだろうか。

Celeron G5900T III (2020.09.03)

前節で纏めたMini-File ServerをCaseに据えた。と言っても、「二面構成横着Case」なので至って簡単。M/Bを取り付けCable類を繋ぐだけ。
2.5"4TB HDD x2に静音化処理を施した。Noiseは些か。

Cableの処理は美しくありたい。
どうせ見えなくなるのだか。

この上にW300xD200mm(t2mm)のAlumi板が乗る。

CPU Coolerは、Celeron G5900Tの抱き合わせに求めた
  MONOCHROME VALUE(¥1,040)のHeatsinkに
  Noctua NF-A9x14 PWM Fanを乗せた。
  高さはHeatsink 37mm/Fan 14mm/両者の透間 1mm → 52mm

これまでこの横着CaseはJ5005-ITXで使っていたが、今回は天板と底板を連結するSpacerを4x80mmから4x90mmに変更した。CPU CoolerをNoctua NH-L9i にすれば、20mm低く4x70mm程度で間に合いそう。

裸のPCは Cableが乱雑に露出すると見苦しい。余分なCableはM/Bの基板下に押し込めばすっきりする。一般的なM/B下の透間は7~8mm程度だが、それでは4P Peripheral Connectorが当たる。10mmでもぎりぎりなので12mmにした。結果は○。

M/B ASRock H410M-ITX/ac には気を付けるべき点がある。 このM/BはH/W構成やBIOSの細部を変更すると 「Package C State Support」 の「自動/無効/有効」 が変化する場合がある。このM/Bは「自動」が最も省電力なので要注意。 その設定が変化するとIdle時消費電力は 2-3W 増加する。

最小構成時から2.5"HDD x2を加えて Idle 9W に落ち着いた。HDDが休止すれば 8W。Mini-File Serverとして合格点を与えよう。ところがどっこい、それだけではない。G5900T内蔵GPU UHD 610の絵が綺麗なのだ。同630より白の抜けが良くEdgeの汚れが目立たず大層好ましい。実はこの傾向はSandy/Ivyの頃からの伝統で、「動画の再生を重視するなら最低SpecのiGPUを選ぶべし」 となるのかも・・・

Celeron G5900T IV (2020.09.04)

新たに組み上げたMini-File Serverを所定の場所に据えた。風通しの良いTest-PC置場に較べてCPU温度は1~2℃増したが特に問題なし。

では、新Mini-File Serverと前のJ5005-ITXを較べてどうか。
 ・Idle時消費電力の差は僅かであり全く問題なし。
 ・負荷時の各部温度はJ5005-ITXより低く、願ったり叶ったり。
 ・CinebenchR15 CPU single値が83cbから135cbに増加しResponseは向上した。
 ・MS社月例更新は未経験なので、Update時の感触はまだ分からない。
 ・前節で述べた通り、動画再生時の画質は極めて良好であり、敢えてこのPCで
  観る可能性すらある。
 ・前にAnnounceのあったJ5005-ITXの後継M/Bは未だ発売されない。
  LGA1200 Mini-ITX M/B + Celeronならそうした要望に近い省電力PCが実現する
  ので、今後我が家ではSoC型Processorの出番はなくなるかも知れない。
 ・この「二面構成横着Case」の上にBonCasLink Server、下にMusic File Serverが
  置かれる。見えない場所なのでもう少し増しなCaseに置き換える可能性は低い。
  この方式のCaseは市販の300x200mm Alumi板を切断せずに使える点がGood。

さて、次回は何をするか。自作Siteを維持するのも結構大変なのである・・・

ASUS H410I-Plus (2020.10.29)

本SiteではLGA1151以降のASUS M/Bは人気薄である。その理由は幾つかある。
 ・他社のM/Bに較べて消費電力が高めである。
 ・USB-DACを繋いだ時の音質に不満がある。
 ・Skylake/Kabylake世代のM/Bで2回続けてCPU Socketの接触不良に遭遇し、
  以来縁遠くなっていた。

それから大分経つので、そろそろお付き合いを再開しよう。
選んだM/B及び部品構成は以下の通り。
 【M/B】 ASUS H410I-Plus
 【CPU】 Cometlake i3 10100T
 【CPU Cooler】 Intel Regular Cooler
 【MEM】 DDR4 2666 4GBx2
 【M.2】 Samsung 850 EVO 120GB
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 picoPSU-160-XT + 12V 150W AC Adaptor
 【OS】 Win10 Pro 20H2 Build 19042.608
結果は、
 【Cinebench R20 CPU Multi core】 1860 pts / Max 54W
 【Cinebench R20 CPU single core】 391 pts / Max 24W
 【Cinebench R15 CPU all core】 770 cb / Max 53W
 【Cinebench R15 CPU single core】 163 cb / Max 24W
 【Prime95実行時消費電力】 Max 70W
 【Super PI 104万桁】 9sec.
 【Idle時消費電力】 10W
 【WMP音楽再生時消費電力】 12W
 【PowerDVD18Ultra動画再生時消費電力 TTHD_OFF】 平均 13W
 【PowerDVD18Ultra動画再生時消費電力 TTHD_ON】 平均 16W

ASUS H410I-Plus II (2020.10.30)

前節で纏めた ASUS H410I-Plus + i3 10100T の評価は未だ定まらない。
 ・Idle時消費電力は他社に較べて2-3W高い。
 ・USB-DACを繋いだ時の音質は少し硬く冷たい。
  それでも一頃に較べたら大分良くなっている。
 ・全体の印象は暫く様子を見なければ何とも言えない。

さて、我が家のPCは Intel iGPU をそのまま使う例が多い。GameやEncoredをしないので特に不都合はなくとも、Radeon/NVIDIA/iGPUの画質差を楽しむために Video Cardを載せpicoPSUで動作する小型軽量PCが欲しい。そうしたPCは、
  ASRock AB350 Gaming-ITX + Athlon 3000G + GT1030
が既にある。けれども消費電力はやや高めであり、特に長時間連続一定負荷となる音楽/動画再生時の消費電力はもう少し抑えたい。そこで、ASUS H410I-Plus + i3 10100T にGTX1050LPを載せてみた。結果は以下の通り。
ASUS H410I-Plus + i3 10100T
PC
PC1
PC2
Date
2020/10/30
M/B
ASUS H410I-Plus
CPU
Cometlake i3 10100T
(4C8T TDP 35W)
CPU Cooler
Intel Regular Cooler
MEM
DDR4-2666 4GBx2
SSD
Samsung 850 EVO 120GB
Sound
Olasonic USB-DAC + Noise Filter
PSU
picoPSU-160-XT + 12V 150W AC Adaptor
Win 10 Pro
20H2 Build 19042.608
Video Card
-
MSI GTX1050 LP
Noctua 60x25mm PWM Fanx2
Graphics Driver
Intel UHD Grphics
27.10.100.8853
NVIDIA
ForceWare 456.38
消費電力差
PC2-PC1
Cinebench
R20
CPU Multi
1860pts / Max 54W
1864pts / Max 57W
+3W
CPU single
391pts / Max 24W
397pts / Max 27W
+3W
Cinebench
R15
CPU all
770cb / Max 53W
770cb / Max 56W
+3W
CPU single
163cb / Max 24W
164cb / Max 26W
+2W
Prime95実行時
Max 70W
Max 73W
+3W
Super PI 104万桁
9sec.
9sec.
-
Idle時
10W
13W
+3W
WMP音楽再生時
12W
16W
+4W
PowerDVD18Ultra Upcon_off
平均 13W
平均 18W
+5W
PowerDVD18Ultra Upcon_on
平均 16W
平均 21W
+5W

M.2 Heatsinkをつくる (2020.10.31)

PC道楽も部品を組み合わせるだけでは自作の気分がしない。どんなに小さなことでも良いから手作り品を加えたい。何をするかあれこれ迷った末、M.2 Heatsinkを作ることにした。M.2用のHeatsinkは各社から数多くの製品が発売されているが、どれも小振りなものばかりで高速のM.2には物足りなさを感じる。そうかと言って冷却Fanを載せる方法は垢抜けない。ならば自作すれば良い。寸法は、
 ・幅:20~22mm
 ・長さ:66~70mmm
 ・高さは他の部品との兼ね合いを確認した上で、できれば 20mm程度にしたい。

その昔、CPU Cooler用に各種SizeのHaetsinkを集めたことがあり、その中に
70x70x20mmの手頃な品(ALPHA UB70-20B)がある。幅20mm程度に切断すれば立ち所に出来上がる筈。但し、Heatsink Baseは5mm厚のAlumi材。糸鋸盤作業は急がずゆっくり進めなければならない。

切断作業は予想外に簡単だった。所用時間は凡そ10分。切断面はそのままでも良いが、角が鋭利なのでSandpaperで丸めた。
・写真左上:10mm厚、
・中及び下:5mm厚
・写真右上:20mm厚
切り取った残りから、もう2丁切り出し可能。
・右下:出来上がり。
λGel Sheetを介して据えた。このSheetは粘着力があるのでそのままでも良いが、念のために糸で縛る予定。
厚5mmと20mmの差は大きい。見るからに冷えそう。
M.2 HeatsinkはCPU Coolerの風を直接受ける位置にあり冷却効果は抜群。

・M.2は WD Black PCIe
  WDS256G1X0C
・CPU Coolerは
  Noctua NH-L12S
mSATA Heatsinkをつくる (2020.11.01)

M.2 Heatsinkを拵えたら次はmSATA Heatsinkに決まっている。
mSATAは製品によって発熱量が大きく異なる。同一Makerでも差があり事前に把握することは難しい。実際に試すまでHeatsinkを付けるかどうか判断しかねる。従って、現在は全てのmSATAに豆Heatsinkを貼り付けている。

その豆HeatsinkはVGA Cooler用のものを使い回しているが、そうそう数はない。
この際、もう少しVolumeあるHaetsinkが欲しい。けれども市場にmSATA用の製品は見当たらない。ならば自作すればよい。
 ・幅は 30mm
 ・長さは 38~40mm
 ・高さは他の部品との兼ね合いを確認した上で 10~20mm程度。
そこで、手持ちのHeatsink(40x40x11mm)から切り出すことにした。
候補としたHeatsinkは
・写真左:M.2 Heatsinkを
 切り出した残り。
 元は70x70x20mm
・中:38x38x20mm
・右:40x40x11mm
【mSATA Heatsink】

今回は40x40x11mmのHeatsinkを30x40x11mmに
切り出した。

写真の通りぴったり。
CPU Cooling Fanの風が回れば冷却効果は大。
mSATAが活躍したのはLGA1156~1150の世代。大分古いが復活させる気になってきた。と言うのも、現在進行中の「ASUS H410I-Plus + i3 10100T + GTX1050」は、絵は綺麗だがUSB-DACを繋いだ時の音質が優れず、このまま進めるべきかどうか迷っているからである。仮にM/BがmSATAに対応しなくとも mSATA-SATA変換基板を用いれば通常のSATA SSDとして何等不都合なく動作するので応用範囲は広い。

ASUS H410I-Plus III (2020.11.07)

ASUS H410I-Plusに対する評価が定まらない。GTX1050 LPを加えた時の消費電力は極めて優秀でありながら、USB-DACを繋いだ時の音質が気に入らず、どうしたものかと悩める日々を過ごした。いっその事、別のMini-ITX M/Bを漁るかとも考えたが、ASRockは2枚購入しMSI/Gigaは値が張りすぎてpicoPSU仕立ての軽量PC向きではない。LGA1200 Mini-ITX 最廉価M/Bである ASUS H410I-Plus でどうにかなるものならもう少し工夫を重ねよう。

そこで、ASUSのM/Bでは時々実行する「有効USB Connector数の削減」に目を向けた。これまでの経験によれば、音の歪み率が減少し、かなり聴き易くなる例はあるのだが、M/Bによって効果が異なり常に有効とは限らなかった。では、ASUS H410I-Plusの場合はどうか、駄目元で試した。結果は◎。 「何事も期待せずに行えば稔り多し」 の喩え通りとなった。これならAudio & Visual PCとして不足はない。

次にVideo Cardの件、
  MSI GTX1050 LP + Noctua 60x25mm PWM Fanx2
では 拡張Slotを3列分専有し小型PC向きとは言えない。そこで、Fanless LP仕様の
  Giga GV-N1030SL-2GL
を求めた。これがまた大層なHeatsinkを背負い、如何にも冷えそうではあるが、動画の再生映像はどうか。結果は◎。GTX1050 LPに較べて遜色はない。

次にSSDの件。M.2 Heatsinkを自作したが、NVMeよりSATA SSD + RSTの方が省電力である例が多いことから再計測した。(ASUS H410I-PlusはSATA仕様のM.2をSupportせず)
Video Cardなしの時、
 【M.2 NVMe】 WD Black 256GB → Idle 7W
 【SATA SSD】 WD Blue 500GB + RST → Idle 9W
これは予想外の結果。省電力効果はRSTよりASPM (Active-State Power Management) の方が大きいことになる。最近、LGA1200 M/B上では 「このRSTは使えなくなります」 との警告が現れることから、充分予想されることではあったのだが。

これで、ASUS H410I-PlusにVideo Cardを載せ、picoPSUで運用するための方針は決まった。
 ・有効USB Connector数を削減する。
 ・Video Cardは GT1030 でよし。
 ・NVMeのM.2を載せASPMを効かせる。

ASUS H410I-Plus IV (2020.11.09)

では、 ASUS H410I-Plus + Video Card の写真を紹介しよう。
写真上
 MSI GTX1050 LP +
 Noctua 60x25mm Fanx2
写真下
 Giga GV-N1030SL-2GL
写真左
 MSI GTX1050 LP +
 Noctua 60x25mm Fanx2
 Card厚:49mm

写真右
 Giga GV-N1030SL-2GL
 Card厚:35mm
【M/B】
 ASUS H410I-Plus
【CPU】
 Cometlake i3 10100T
【CPU Cooler】
 Noctua NH-L12S
【Video Card】
 Giga GV-N1030SL-2GL

手頃なCaseに巡り会えるかどうかが問題。
Silverstone SST-ML06B (2020.11.18)

「ASUS H410I-Plus + GT1030 LP」をどのCaseに入れるか。
あれこれ検討の結果、Silverstoneの小型HT-PC Case SST-ML06Bを選んだ。
 寸法は W350 x H99 x D205mm 約7.1 liter
自作すればもう少し小振りにできるが、なかなか手が出せず市販のCaseを求めた。
 ・CPU Cooler Noctua NH-L12Sはぴったり収まった。
 ・大型Heatsink付きのFanless Video Card GT1030 LPもぎりぎり入った。
 ・picoPSUを用いたので配線は楽々。
 ・問題は2.5"HDD。初めλGel Sheatを貼り付けるだけで済ますつもりでいたら、
  NoiseがCaseの内部で反射し、予想より大分賑やかになったので、静音化Case
  氷室miniを導入し、市販の金具を使って固定した。
 ・SSDx1 + 2.5"HDD x1 + 80x25mm Fan x2を追加したことにより、消費電力は
  上方の各Data + 1~2W となった。
 ・Giga GT1030 LPによる動画の再生品質は上々。凄く綺麗。
 ・USB-DACを繋いだ時の音質は80点位。残念ながらASUS H110S1には負ける。
Noctua NH-L12SとVideo Card GT1030LPは誂えたように収まった。
2.5"HDD 静音化Case 氷室miniを据えた。もう一丁増設可能。2.5"SSDは氷室miniの下にあり。
右側面に
be quiet! 80x25mm PWM Fan x2 を取り付けた。Idle時 約800rpmで運用。静か。
裏面のSFX電源取付口にAlumi穴あき版を貼り付けた。
艶ありのFront Panelは
安っぽく見える。(\6,980)
これで、CometlakeにVideo Cardを載せてpicoPSUで運用する目論見は無事に達成された。諸々付け足して Idle 14W。

Cometlake i7 10700 (2020.11.25)

この夏以来、組み上げるPCの数は半端でない。 仕事は現役ながら、多くは若手に任せ自分は半日で済み、残りの時間は自作三昧に明け暮れている。それも絵が綺麗で音の良いPCを探し求める内に増殖する一方である。要するに 「鬼自作er」 に成り果てたのだ。

さて、最近のWin10は安定性が増し、旧Application運用時のTroubleは一段と減り、仮想PCの必要性は薄らいだ。そうなると○台ある仮想PCを整理したい。対象となるPCは初代Ryzen 1700を載せた代物。 消費電力が高く未だ常設PCに昇格できず、月一のPaceで動作確認を行う程度である。

新たな仮想PCに求めるSpecは、
 【CPU】 8C16T
 【MEM】 DDR4 2666 or 3200 16GBx2
 【SSD】 500GB + 1TB
 【2.5"HDD】 2TB or 4TB
 【Video Card】 なし or GTX1650 Class
 【PSU】 400~500W Class

先ずCPU選びから。8C16TのCPUをIntelから選べば i7 10700 / i7 10700T の何れかになる。日頃T付のCPUばかり選んでいるので偶には無印も良かろう
  よって Cometlake i7 10700

次はM/B。現在LGA1200 M/Bは6枚所有し、その内Mini-ITX M/Bの3枚はCaseに収まっている。残りの3枚はMicro-ATX M/Bである。
 ① MSI H410M Pro
 ② ASRock B460M-HDV
 ③ MSI MPG Z490M Gaming Edge Wi-Fi
これは順に試す他はない。

では 「MSI H410M Pro + i7 10700」 から試そう。
 【M/B】 MSI H410M Pro (BIOS 1.60)
 【CPU】 Come Lake i7 10700 (8C/16T TDP 65W)
 【CPU Cooler】 be quiet! SHADOW ROCK 3
 【MEM】 DDR4-2666 16GB x2
 【M.2 SSD】 WD Blue SATA 6Gb/s 500GB
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 In WIN IP-P300HF7-2 Platinum
 【OS】 Win10 Pro 20H2 Build 19042.630

 ・Win10のInstallは問題なし。
 ・Idle時消費電力 9W。32GBのMemoryを積んでいるのでまあまあか。

問題は CPU Power Limit 値(PL1/PL2)の設定にあり。BIOSで同値をAUTOとすると、HWiNFO64/AIDA64上では PL1:135W、PL2:180W となる。 TDP 65WのCPUとしては過大に思えるがどうだろうか。これは幾つかの値で試すことになりそう。

Cometlake i7 10700 II (2020.11.26)

前節の構成で試したところ、予想通り不可思議な動作に見舞われた。
PL1/PL2の値をAUTOのままにCinebenchやPrime95を実行すると、初めは最大CPU Clockで実行されるが、間もなくClock Downし消費電力も下がる。 直ぐにまた動作Clockは上昇し消費電力も増す。 この後 Clock UpとClock Down を繰り返し、ふらふらと落着きがない。従って、Cinebench R15/R20のMulti Dataは採用しかねる。Prime95のDataもまた然り。けれども消費電力がTDP65W相当以下の時、例えばCinebench R15/R20 Single実行時の動作Clockは安定しDataは採用できる。

では、PL1/PL2の値を変化させてみよう。
MSI H410M Pro
+ i7 10700 Test
Set_01
Set_02
Set_03
Set_04
(AUTO)
PL1 65W
PL1 80W
PL1 95W
PL1 135W
PL2 95W
PL2 115W
PL2 135W
PL2 180W
Cinebench
R20
multi
3996pts
*111W
4254pts
*153W
4474pts
*165W
4558pts
*180W
single
495pts
39W
496pts
39W
496pts
39W
497pts
39W
Cinebench
R15
all
1658cb
*111W
1805cb
*156W
1901cb
*162W
1999cb
*171W
single
209cb / 39W
Prime95実行時
*104W
*136W
*141W
*145W
Super PI 104 万桁
7sec.
Idle時
9W
WMP音楽再生時
11W
PowerDVD18Ultra Upcon_off
18W
PowerDVD18Ultra Upcon_on
21W
(*付の消費電力値は頻出度の高い値であり必ずしも最大値とは限らない)
・表中に示した通り「*付の消費電力値は頻出度の高い値であり必ずしも最大値とは
 限らない」ことから、*付の消費電力値は参考程度に留めたい。
・R7 3700XのDataと較べて i7 10700が優るのはCinebench R15 single値のみ。
 他の値はR7 3700Xに軍配が上がる。
・Idle時及び音楽/動画再生時等軽負荷時の消費電力は比較的良好。
・今回の計測中、CPU温度の最高値は69℃(室温24℃)。120x25mm Fan 1丁仕立て
 のCPU Cooler "be quiet SHADOW ROCK 3" で間に合いそう。
・Super PI 104万桁 7sec.の動きはよい。R7 3700Xは 11sec.で物足りず。
・総じて、TDP65W相当の消費電力以下で動作する場合は i7 10700、それ以上の
 場合はR7 3700Xが優ると言えそう。

次回はM/Bを換えて計測しよう。

Cometlake i7 10700 III (2020.11.27)

前節でTestした MSI H410M Pro + i7 10700 の結果は思わしくなかった。
Idleから軽負荷時の動作は良好ながら、CinebenchやPrime95では消費電力の変動が大きくDataを採用するべきかどうか迷う有様だった。

次に、予定の"ASRock B460M-HDV"を飛ばし "MSI MPG Z490M Gaming Edge"を取り上げることにした。部品構成は以下の通り。前節との差はM/BとSSDのみ。他は同じ部品を使用した。
 【M/B】 MSI MPG Z490M Gaming Edge (BIOS 2.30)
 【CPU】 Comelake i7 10700
 【CPU Cooler】 be quiet! SHADOW ROCK 3
 【MEM】 DDR4-3200 16GB x2
 【SSD】 Samsung 860 EVO 500GB
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 In WIN IP-P300HF7-2 Platinum
 【OS】 Win10 Pro 20H2 Build 19042.630

 ・先ず、M/BのCMOSをClearしBIOSを再設定した。
 ・M/BのWi-FiはOffにした。
 ・Win10は別のSSDにClean Installした。特に問題なし。
 ・Memory DDR4-3200動作は問題なし。

このM/Bは PL1/PL2 AUTOの時、AIDA64では PL1:288W / PL2:288W と認識された。Coffeelake世代までは、
  PL1 = TDP値、PL2 = TDP値 x 1.2~1.5
と理解していたので、従来のTDPに対する見解を大幅に変更する必要がありそう。
計測は以下の4通り行った。
MSI MPG Z490M
Gaming Edge
+ i7 10700 Test
Set_01
Set_02
Set_03
Set_04
(AUTO)
PL1 65W
PL1 95W
PL1 135W
PL1 288W
PL2 95W
PL2 135W
PL2 180W
PL2 288W
Cinebench
R20
multi
3986pts
92~117W
4663pts
129~177W
4865pts
178W
4870pts
178W
single
497pts
49W
497pts
49W
495pts
49W
497pts
49W
Cinebench
R15
all
1691cb
114W
2027cb
171W
1988cb
171W
1986cb
170W
single
210cb
48W
208cb
48W
210cb
48W
209cb
48W
Prime95実行時
104~137W
146W
172W
175W
Super PI 104 万桁
7sec.
Idle時
13W
WMP音楽再生時
15W
PowerDVD18Ultra Upcon_off
22W
PowerDVD18Ultra Upcon_on
26W
上の表から、
 ・Set_03 / Set_04の時は、Bench実行中に消費電力が大幅に変動することなく
  安定したDataが得られた。
 ・Set_02の時は、Cinebench R20 multi 実行時に消費電力は大きく変動した。
 ・Set_01の時は、Cinebench R20 multi 及びPrime95実行時に消費電力は
  大きく変動した。
 ・Idle及び音楽動画再生時の消費電力は Set_01~Set_04 まで変わりなかった。
 ・従って、i7 10700の能力を最大限に発揮するためには、
  Set_03 = PL1 95W / PL2 135W 以上の値を採用することになろう。

さて、今回用いたCPU Cooler be quiet! SHADOW ROCK 3の冷却能力は、
i7 10700では全く問題なし。最高温度は Set_04 でCinebench R20 multi を実行した時の 71℃であり、その時のCooling Fan回転数は 1246rpm。60cmも離れればNoiseは聞こえてこない。

けれども、Idle 13Wは高い。前のBIOSの時より数W増した。音楽動画再生時も同じく高めとなり少々気に入らない。これは、MSI MPG Z490M Gaming EdgeのBIOS中に"ASPM (Active-State Power Management)"の項目が見当たらず、ASUSやASRockでは可能な省電力設定ができないことがその理由と考えられる。

Cometlake i7 10700 IV (2020.11.28)

次は ASRock B460M-HDVの番である。部品構成は以下の通り。今回もまたM/BとSSDのみ交換し、他は同じ部品を流用した。
 【M/B】 ASRock B460M-HDV (BIOS 1.60)
 【CPU】 Cometlake i7 10700
 【CPU Cooler】 be quiet! SHADOW ROCK 3
 【MEM】 DDR4-2666 16GB x2
 【SSD】 Samsung 850 EVO 250GB
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 In WIN IP-P300HF7-2 Platinum
 【OS】 Win10 Pro 20H2 Build 19042.630

 ・先ず、M/BのCMOSをClearしBIOSを再設定した。
 ・このM/Bは PL1/PL2 を自由に設定できず "Base Frequency Boost" から
  PL1値を65W(AUTO)/70W/75W の3段階に変化させるだけで、PL2値は
  150Wに固定される。
 ・ASPM(Active-State Power Management)の項目は多く、省電力動作が期待できる。
 ・Win10は新たなSSDにClean Installした。問題なし。
 ・MemoryはDDR4-2666動作。
結果は下表の通り。
ASRock B460M-HDV
+ i7 10700 Test
Set_01
Set_02
(AUTO)
PL1 75W
PL1 65W
PL2 150W
PL2 150W
Cinebench R20
multi
3756pts
25~202W
3375pts
22~201W
single
493pts
40~77W
498pts
40~73W
Cinebench R15
all
2011cb
193W
1971cb
193W
single
211cb
46W
211cb
45W
Prime95実行時
27~168W
27~168W
Super PI 104 万桁
7sec.
Idle時
7W
WMP音楽再生時
9W
PowerDVD18Ultra Upcon_off
13W
PowerDVD18Ultra Upcon_on
15W
上の表から
 ・Set_01/Set_02とも、Cinebench R20及びPrime95実行時の消費電力は
  大きく変動した。
 ・Cinebench R20 multiの値は全く奮わず。
 ・Cinebench R15 は完走したが、消費電力は今回計測した中では最も高かった。
 ・Idle及び音楽動画再生時の消費電力は充分に低く、これはASPMの効果と
  考えられる。

今回Testした3枚のM/B、① MSI H410M Pro、② ASRock B460M-HDV、
③ MSI MPG Z490M Gaming Edge の内、①と②は Cometlake i7 10700 の能力を充分に発揮できるとは言えない。ならば③が最良かとなると、Idleから軽負荷時にかけての消費電力が著しく高く、これまた面白くない。さて、どうしよう・・・

Cometlake i7 10700 V (2020.11.29)

Cometlake i7 10700の扱いに難渋している。

① 最初に試したMSI H410M Proは、PL1/PL2の値を135W/180Wまで上げなくては
i7 10700 の能力を充分に発揮できず、そうなるとVRMの冷却が心配される。
② ASRock B460M-HDVは、PL1/PL2の値が低めに制限され、135W/180Wまで上げることはできない。従って、i7 10700 の能力は発揮できない。
③ その点、MSI MPG Z490M Gaming EdgeはPL1/PL2を充分な値に設定することが可能であり、大型のHeatsinkを載せたVRMの冷却も問題ない。ところが、Idleから軽負荷時にかけての消費電力は3枚中最も高い。もし、MSI MPG Z490M Gaming EdgeにASPM機能が備わっていれば、問題は全て解決するのだが、今のところBIOS中に見当たらない。そこで、ASPMに関してH410I-Plusで確認済みのASUSから Z490M-PLUS を選び入手した。
 【M/B】 ASUS Z490M-PLUS (BIOS 0603 → 1208)
 【CPU】 Cometlake i7 10700
 【CPU Cooler】 be quiet! SHADOW ROCK 3
 【MEM】 DDR4-3200 16GB x2
 【M.2D】 Intel 600p Series 256GB NVMe
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 In WIN IP-P300HF7-2 Platinum
 【OS】 Win10 Pro 20H2 Build 19042.630

 ・先ず、BIOSが古かったので最新版 1208へUpdateした。
 ・Win10をClean Installした。
 ・Memory DDR4-3200動作は問題なし。
 ・M/Bの初期値では PL1=65W / PL2=224W。
  PL1=135W / PL2=180Wの設定を加えて2種類計測した。
ASUS Z490M-PLUS
+ i7 10700 Test
Set_01
Set_02
(AUTO)
PL1 135W
PL1 65W
PL2 180W
PL2 224W
Cinebench R20
multi
4864pts
182W
4054pts
88~180W
single
496pts
40W
491pts
39W
Cinebench R15
all
1993cb
175W
1972cb
175W
single
208cb
39W
209cb
39W
Prime95実行時
176W
97~148W
Super PI 104 万桁
7sec.
Idle時
9W
WMP音楽再生時
12W
PowerDVD18Ultra Upcon_off
18W
PowerDVD18Ultra Upcon_on
22W
上の表から、
 ・矢張り PL1=65W / PL2=224W では、Cinebench R20 multi 及びPrime95
  実行時に消費電力は大きく変動した。
 ・PL1=135W / PL2=180Wの時はCinebenchR15/R23、Prime95とも途中で
  CPU Clockが下がることなく完走した。
 ・高負荷時の消費電力及びCPU温度は、MSI Z490Mに較べて幾分高め。
 ・Idle及び音楽動画再生時の消費電力は比較的良好。これはASPMによる
  御利益と考えられる。

 ・よって、ASUSかMSIか、それが問題となる。

ASUS vs MSI (2020.11.30)

Cometlake i7 10700 について5回のRepoを載せた。その結果、i7 10700の能力を最大限に引き出す為には、H410やB460よりZ490の方が扱い易いとの結論を得た。よって、
  ASUS Z490M-PLUS vs MSI MPG Z490M Gaming Edge

の対決となる。CinebenchR15/R20やPrime95が動作Clockを落とすことなく完走する時のPL値はPL1 135W / PL2 180Wとなるので、その条件で2枚のM/Bを較べた。
ASUS Z490M-PLUS
MSI MPG Z490M Gaming Edge
+ i7 10700 Test
ASUS
Z490M
MSI
Z490M

2020/11/29
2020/11/30
PL1 135W / PL2 180W
Cinebench R20
multi
4864pts
182W
75℃
1273rpm
4876pts
165W
69℃
1136rpm
single
496pts
40W
496pts
49W
Cinebench R15
all
1993cb
175W
2001cb
158W
single
208cb
39W
209cb
47W
Prime95実行時
176W
159W
Super PI 104 万桁
7sec.
7sec.
Idle時
9W
13W
WMP音楽再生時
12W
15W
PowerDVD18Ultra Upcon_off
18W
21W
PowerDVD18Ultra Upcon_on
22W
26W
(Cinebench R20 multi欄の温度はCPU温度、rpm値はCPU Cooling Fan回転数)
上の表から、
 ・高負荷時の消費電力はMSIが好成績。MSIとASUSでは17Wの差が生じた。
  そのため、CPU温度やCPU Cooling Fan回転数はMSIの方が低い。
 ・消費電力 50W以下の場合はASUSが良好。
  Cinebench R15/R20 single実行時はASUSの方が8~9W低い。
  Idleから軽負荷時にかけてはASUSの方が3~4W低い。
 ・問題はUSB-DACを繋いだ時の音質にあり。ASUSは有効USB Connector数を
  減らしてかなり良くなったが、それでもしっとり滑らかなMSIに一歩譲る。
 ・このM/BはVMware-PCとして用いるので、仮想OSのUpdate中は音楽を流す
  ことになる。そうなると MSI に気持ちが傾く。

左:ASUS、右:MSI
VRMのHeatsinkには相当なVolume差がある。

← Clickすると拡大します
MSI Z490MのSystem DiskをSamsung 960 EVO M.2 250GB SSDに換え、30mm高のHeatsinkを載せた。CrystalDiskMark7.0実行時の最高温度は44℃。CPU Fanの風が回り込むので冷却効果は上々。(室温24℃)
MSIで暫く様子をみることにしよう。予定のCaseは Silverstone SST-TJ08B。Micro-ATX Caseの空は数少ない。問題は163mm高の be quiet! SHADOW ROCK 3 が収まるかどうか。

FPS AURUM AS-400 80+ Gold (2020.11.30)

「MSI MPG Z490M Gaming Edge + i7 10700」用の電源は、別頁で「低負荷時高効率ATX電源」として紹介した製品 "FPS AURUM AS-400 80+ Gold" を用いる予定である。この電源は 400W 80+Gold仕様としては比較的低負荷時の効率に優れ、GTX1650 ClassのVideo Cardを載せてもどうにか間に合いそうなので、Testで使用中のIN WIN IP-P300HF7-2に換えて試すことにした。

FPS AURUM AS-400 80+ Goldを開封したのは11月14日。それから半月経った。 当初比較的に静かに思われたFanは、その後じわじわとNoiseが増しFanを交換したくなった。そこで be quiet! 120x25mm PWM Fanに差し替え、BIOSのFan ConでIdle時 500rpm程度に設定した。結果は◎。耳を寄せなければ回転音は聞こえず、限りなく無音に近い静音電源となった。そしてまた、余分なCableを切除し身軽に整えた。消費電力はPlatinum電源に較べて1-2W高めではあるが実用上許容範囲内。

さて、低負荷時にFanが停止する電源はどうも好きになれない。そうした電源は自分が使用する消費電力帯では終始Fanは回らず、Case内温度上昇の原因となる。
最近我が家では、電源自体のFan制御ではなく、Fan Cableを引き出しBIOSのFan Conから回転数を調節する使い方が多くなった。その方が他のFanの回転数は低めになり、全体の静音性を確保し易くなるからである。

よって、PCを静かにさせるには、
 ・Fanを増設し個々の回転数を低めに設定する。
 ・電源やVideo CardのFanは交換の上、Idle時から回るようにする。
  当然、製品の保証外となるが致し方ない。(封緘紙破りは快感以外の何物でもない)
 ・Fanはbe quiet!かNoctuaで決り。
  同じ回転数ならbe quiet!の方が幾分静かに感じられる。
FPS AURUM AS-400 80+ Goldから外したFan及び切除したCable。 身軽で静かなATX電源の出来上がり。

一度でもこの味を占めたら誰にも止められない。
ASRock B460M-HDV (2020.12.01)

前節で Cometlake i7 10700 の行く末は決まった。その際、弾かれたM/B ASRock B460M-HDVについてもう少し検証したい。このM/Bは Idleから軽負荷時にかけての消費電力が低く、省電力PCを仕立てる上で見逃せない。i7 10700 では高負荷時に何かと不都合が生じたが、前に試した i5 10400 の時は問題なかった。そこで、
  ASRock B460M-HDV + Cometlake i5 10400
の組合せで再確認することにした。
 【M/B】 ASRock B460M-HDV (BIOS 1.60)
 【CPU】 Cometlake i5 10400 (2.9/4.3GHz 6C/12T TDP 65W)
 【CPU Cooler】 Kotetsu II + Noctua 120x25mm PWM Fan
 【MEM】 DDR4-2666 4GB x2
 【M.2 SSD】 WD Blue 256GB SATA
 【Sound】 Olasonic USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 In WIN IP-P300HF7-2 Platinum
 【OS】 Win10 Pro 20H2 Build 19042.662

 ・BIOSの細部を確認した。
  Power Limitの初期値は PL1=65W、PL2=150W。
 ・Win10をClean Installした。
 ・Memoryが少ない所為もあるが、いきなり Idle 6W が得られた。
結果は、
 【Cinebench R20 CPU Multi core】 3185 pts / Max 101W
 【Cinebench R20 CPU single core】 445 pts / Max 29W
 【Cinebench R15 CPU all core】 1334 cb / Max 94W
 【Cinebench R15 CPU single core】 187 cb / Max 28W
 【Prime95実行時消費電力】 Max 103W
 【Super PI 104万桁】 8sec.
 【Idle時消費電力】 6W
 【WMP音楽再生時消費電力】 9W
 【PowerDVD18Ultra動画再生時消費電力 TTHD_OFF】 平均 12W
 【PowerDVD18Ultra動画再生時消費電力 TTHD_ON】 平均 15W

 ・Bench Testの途中でCPU ClockがDownする場面はなかった。
 ・LGA1200としてはかなり良い省電力PCとなりそう。
 ・Kotetsu II + Noctua 120x25mm PWM Fanの冷却能力は上々。
  Prime95実行時、CPU温度 Max 57℃、CPU Fan回転数 855rpm。(室温22.3℃)
 ・SSDは2.5"SSDとM.2 NVMeの2種で試したが消費電力に変わりはなかった。
  どうも、RST+SATA 6Gb/sとASPMを効かせたNVMeは同等か、
  場合によっては後者の方が省電力効果は大きいかも知れない。
 ・Win10 20H2 Build 19042.662へUpdateしたが、今のところ良さそう。
  WMPによる再生音は向上し、Ubuntu Studioに負けないかも。

ASRock B460M-HDV II (2020.12.15)

「ASRock B460M-HDV + i5 10400」はその後順調に動作している。手持ちのLGA1200仕様M/Bの中では際立って消費電力が低い。特に動画Upcon再生時15Wは素晴らしい。これはASPMの効果によるものと考えられる。当初、適当なVideo Cardを挿す予定でいたが、このまま省電力を生かしIntel iGPUで運用する方が良さそうに思えてきた。

ならば、i5 10400の6C12Tを最大限に活用し、仮想環境を構築したらどうか。
 ・Memoryを4GBx2から16GBx2に増量した → Idle時消費電力は1W増して7W。
 ・VirtualBox 16.1.16をInstallした。何等不都合なし。

そこで、SSDを256GBx1から250GB+1TBにUpし、以下5つの仮想OSを導入した。
   Win10 Pro Workstations x64、Win10 Education x64
   Win10 Home x32、Win8.1 x32、Win7 Enterprise x32
 ・Idle時消費電力 → 7Wと変わらず
 ・仮想OSを1つ起動 → Idle時 12W。
  仮想OSを2つ起動 → Idle時 13W。
 ・仮想OS 2つがUpdate中 → 30~40W
 ・現在運用中のAMD Processorを使った仮想PCに較べて20~30W低い。

ASRock B460M-HDVはMicro-ATX仕様ではあるが、基板の寸法は 226 x 188mm。
少し大きめのMini-ITX Caseに収まりそう・・・

ASPM (2021.01.08)

PCの省電力化を目差す時、これまでなら
 ① C-Stateを有効化する。
 ② Intel Rapid Storage Technology (IRST)を導入する。
 ③ 各部の電圧を微調節する。
などに頼った。①はIntel/AMDとも適用可能であるが②はIntelのみ。③はM/B Makerによって効き具合は区々。また、②はNVMe型のM.2に対応せず、SATA仕様SSDの方が消費電力は低めだった。ところが最近、IRSTの主画面に
  「このApplicationはSupportされなくなります」
との警告が表示されるようになった。

その代わりに最新のM/BはBIOS中に 「ASPM(Active-State Power Management)」 なる項目が現れ、M/Bによってはかなり強力な省電力効果が得られることを確認した。
 ・ASUS及びASRockのIntel 400 Series M/Bでは有効。
 ・MSIのIntel 400 Series M/Bにはまだ現れない。
 ・Giga及びSupermicroのIntel 400 Series M/Bは未確認。

その結果、Intel 400 Series M/BのIdle時消費電力は、
  ASUS/ASRock > MSI
となり、一頃とは逆転した。そこで、手持ちのCPU Cometlake G6400のために
  ASRockの最廉価M/B H410M-HDV/M.2 (\7,980)
を求めた。

ところが、物事はそう甘くはなかった。「H410M-HDV/M.2 + Cometlake G6400」 の時、「ASPM」を有効にすると、しばしば凍結する場面に遭遇したのだ。Event Viewerから原因は特定出来ず、MemoryやGraphics Driverを換えてみたが、それでは問題は解決せず、結局「ASPM」を無効化することで対応した。こうした現象は同じASRockのB460M-HDVやZ490M-ITX/acでは起こらずH410M-HDV/M.2だけの症状なので、何れBIOSがUpdateされれば治まるものと考えられるが、いまのところ「ASPM」を使わずに運用する他はない。「ASPM」がBIOS中に明示されるようになったのは比較的最近のことなので、暫く要注意か・・・

Cometlake i7 10700 VI (2021.01.24)

「MSI MPG Z490M Gaming Edge + Cometlake i7 10700」の構成が中々決まらない。 ASUS Z490M-PLUSに較べてIdleから軽負荷時にかけての消費電力が高めだからである。そこで、BISOをBeta版の2.72に更新し細部を見直した。その結果、Idle 13Wから10Wに下がり、どうにか許容範囲に収まった。MSI MPG Z490M Gaming EdgeはVRMが比較的充実し、2.5Gbps LAN Controllerを載せ、更にNVMe 2x仕様なので、多少高い点は致し方ない。部品構成は以下の通り。
 【M/B】 MSI MPG Z490M Gaming Edge (BIOS 2.72 Beta)
 【CPU】 Cometlake i7 10700
 【CPU Cooler】 be quiet! SHADOW ROCK 3
 【MEM】 DDR4-3200 16GB x2
 【SSD】 Samsung 860 EVO 500GB
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 FPS AURUM AS-400 80+ Gold
 【Graphics Driver】 Intel UHD Graphics 27.20.100.9168
 【VMware】 VMware Worstation 16 Player 16.1.0 Build 1798959
 【OS】 Win10 Pro 20H2 Build 19042.746

 ・VMwareに登録したOSは以下の6種。何れも問題なし。
   Win7 Homex32 / Win8 x32 / Win10 Home x32
   Win10 Enterprise x64/ Win10 Workstations x64
   Win10 Pro IP Dev Build 21296.1000
 ・以下の4OSは登録から外した。
   Vista / WinXP / Win2000 / WinNT4
 ・LAN Cardを追加するかどうか思案中。

さて、このところ問題となるASPMの件、MSI MPG Z490M Gaming EdgeのBIOS中に該当する項目は見当たらない。けれども、HWiNFO64のReportによれば、


    MSI MPG Z490M Gaming Edge HWiNFO64 Report

・Intel UHD Graphics 630 (Comet Lake-S GT2) [P0]
 Active State Power Management (ASPM) Support: None
 Active State Power Management (ASPM) Status: Disabled

・Intel Comet Lake PCH-H - PCI Express Root Port #1 [A0]
 Active State Power Management (ASPM) Support: L0s and L1
 Active State Power Management (ASPM) Status: L0s and L1 Entry

・Intel Comet Lake PCH-H - PCI Express Root Port #5 [A0]
 Active State Power Management (ASPM) Support: L0s and L1
 Active State Power Management (ASPM) Status: L1 Entry

・RealTek Semiconductor RTL8125 Gaming 2.5GbE Family Ethernet Controller
 Active State Power Management (ASPM) Support: L0s and L1
 Active State Power Management (ASPM) Status: L1 Entry


と見える。他社のM/Bに較べてSupport / Entryとも少なめであった。

Cometlake i7 10700 VII (2021.01.26)

前節の部品構成の内、【SSD】 Samsung 860 EVO 500GBを
 【SSD1】 WD Red 500GB M.2 SATA SSD
 【SSD2】 Samsung 860 860 EVO 1TB
に増量した。結果は以下の通り。
 【Cinebench R20 CPU Multi core】 4875 pts / Max 177W
 【Cinebench R20 CPU single core】 497 pts / Max 48W
 【Cinebench R15 CPU all core】 2015 cb / Max 167W
 【Cinebench R15 CPU single core】 209 cb / Max 47W
 【Prime95実行時消費電力】 Max 174W
 【Super PI 104万桁】 7sec.
 【Idle時消費電力】 10W
 【WMP音楽再生時消費電力】 14W
 【PowerDVD18Ultra動画再生時消費電力 TTHD_OFF】 平均 21W
 【PowerDVD18Ultra動画再生時消費電力 TTHD_ON】 平均 24W

 ・Idle10Wはやや不満。
 ・BIOSのUpdateによりCinebench/Prime95実行時の消費電力は幾分上昇した。
 ・音楽再生時消費電力は要注意。
   Music FileをLocal Disk上に置いた時の消費電力 → 14W
   Music FileをRemote Disk上に置いた時の消費電力 → 16~17W
  矢張り 2.5Gbps LAN Controllerは消費電力が高め。
 ・上の構成に
   2.5"2TB HDDを増設した時 → +1W
   3.5"8TB HDDを増設した時 → +3~4W
 ・実際にCaseに収め前後Fanを追加すれば → Idle時消費電力 17~18W か

毎度のことながら問題はCaseにあり。手持ちのCaseでやり繰りするか、或いは新調するか・・・

ASRock H410M-HDV/M.2 (2021.01.28)

本節は検証に不手際があります。次の節と併せてご覧ください。

本頁2021/1/08の節で、ASRock H410M-HDV/M.2のBIOS中にあるASPM項目を有効化するとWin10のDesktop画面が頻繁に凍結すると述べた件、BIOSを P1.20 から P1.30 へUpdateしたら、BIOS中の全てのASPM項目を有効化しても凍結現象は起こらず問題は解決した。部品構成と結果は以下の通り。
 【M/B】 ASRock H410M-HDV/M.2 (BIOS P1.30)
 【CPU】 Cometlake Pentium G6400
 【CPU Cooler】 Intel Regular Cooler
 【MEM】 DDR4-2666 4GB x2
 【M.2】 Intel 540s SATA SSD 480GB
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 picoPU-160-XT + 12V 150W AC Adaptor
 【Graphics Driver】 Intel UHD Graphics 27.20.100.9168
 【OS】 Win10 Pro 20H2 Build 19042.746

 【Cinebench R20 CPU Multi core】 977 pts / Max 46W
 【Cinebench R20 CPU single core】 335 pts / Max 30W
 【Cinebench R15 CPU all core】 436 cb / Max 47W
 【Cinebench R15 CPU single core】 171 cb / Max 30W
 【Prime95実行時】 Max 54W
 【Super PI 104万桁】 9sec.
 【Idle時】 5W
 【WMP音楽再生時】 8W
 【PowerDVD19Ultra TTHD_OFF】 平均 12W
 【PowerDVD19Ultra TTHD_ON】 平均 15W

 ・ASPMの有効化により、Idle時消費電力は 8W から 5W に減じた。
  これは、ASRockのM/Bとしては最優秀の部類。
 ・動画Upcon再生時消費電力 15W もまたMicro-ATXとしては最優秀。
 ・PentiumでCinebenchR15 single値 171cb なら文句はない。
 ・Super PI 104万桁 9sec なので、もたつきは感じられない。

従って、ASRock H410M-HDV/M.2はBIOSをP1.30にUpdateすれば、全ての問題は解決し、省電力M/Bとして充分満足の行く結果が得られることが明らかになった。
非Gamerにとって、M/Bは最廉価品が狙い目か・・・

ASRock H410M-HDV/M.2 II (2021.01.29)

前節で得た ASRock H410M-HDV/M.2 Idle 5W は糠歓びだった。
BIOSの更新後、ASPMを有効化したところ、特に不都合なく運用できたのだが、本日起床後に電源を投入し、WMPで音楽をかけたら元の木阿弥。凡そ20分後に凍結した。前は数分後だったので、凍結までの時間が延びただけだった。そこで、再度ASPMを見直すことにした。

BIOS中、ASPMに関連する項目は以下の5つ
 PCI Express Native Control (有効/ 無効)
 PCIE ASPM Support (無効 / 自動 / ASPM L0s / ASPM L1 / ASPM L0sL1)
 PCH PCIE ASPM Support (無効 / 自動 / ASPM L0s / ASPM L1 / ASPM L0sL1)
 DMI ASPM Support (有効 / 無効)
 PCH DMI ASPM Support (有効 / 無効)

そこで、以下5通りの設定で試した。
 ①規定値では上の5つとも無効
   の時 → Idle 8W 凍結なし
 ②PCI Express Native Control 有効
  PCIE ASPM Support 自動 / PCH PCIE ASPM Support 自動
  DMI ASPM Support 無効 / PCH DMI ASPM Support 無効
   の時 → Idle 8W 凍結なし
 ③PCI Express Native Control 有効
  PCIE ASPM Support 自動 / PCH PCIE ASPM Support 自動
  DMI ASPM Support 有効 / PCH DMI ASPM Support 無効
   の時 → Idle 8W 凍結なし
 ④PCI Express Native Control 有効
  PCIE ASPM Support 自動 / PCH PCIE ASPM Support 自動
  DMI ASPM Support 無効 / PCH DMI ASPM Support 有効
   の時 → Idle 5W 凍結あり
 ⑤PCI Express Native Control 有効
  PCIE ASPM Support 自動 / PCH PCIE ASPM Support 自動
  DMI ASPM Support 有効 / PCH DMI ASPM Support 有効
   の時 → Idle 5W 凍結あり

つまり、
  DMI ASPM Support 有効時 → 凍結あり
  DMI ASPM Support 無効時 → 凍結なし
  他の項目の設定は影響なし
との結論に至った。その結果、Idleから軽負荷時にかけての消費電力は以下の通り変化した。

ASRock H410M-HDV/M.2
ASPM
DMI ASPM Support
有効
無効
Idle時
5W
8W
WMP音楽再生時
8W
10W
PowerDVD19Ultra Upcon再生時
15W
16W
凍結現象
あり
なし

そうなると当面、DMI ASPM Support 無効で運用せざるをえないが、可能性としてC-stateの設定との絡みも考えられるので、まだまだ検証を続けることになる。また、Idle 8Wでは、Video Cardを追加してIdle 10Wを切ることが難しくなり、省電力Maniaとしては残念至極。以上、検証の不手際により誤ったRepoを載せ、閲覧者の皆様に申し訳なく存じます。ごめんなさい。


う~ん、このままでは不本意極まりない。
ならば、BIOS中の「強化保持State C1E」の設定を弄ってみよう。
 DMI ASPM Support 有効 / 強化保持State C1E 有効 → 凍結あり
 DMI ASPM Support 有効 / 強化保持State C1E 無効 → 凍結なし

ASRock H410M-HDV/M.2
ASPM
DMI ASPM Support 有効
強化保持State C1E
有効
無効
Idle時
5W
5W
WMP音楽再生時
8W
8W
PowerDVD19Ultra Upcon再生時
15W
15W
凍結現象
あり
なし

つまり 「DMI ASPM Support」 が有効であっても 「強化保持State C1E」 を無効にすれば凍結現象は起こらず消費電力も変化なし。

ところが、
 30分後 → 凍結なし
 60分後 → 凍結なし
 90分後 → 凍結した
矢張り駄目か・・・

Giga B560M AORUS PRO AX (2021.02.21)

Intel 500 Seriesは、CPUに先行し各社からM/Bが発売された。未だ出揃っていないが、新し物好きとしては放って置けない。今回発売されたM/Bの多くはATX仕様であり、Micro-ATXは1枚、Mini-ITXは0枚。そうなると選択の余地はない。Micro-ATX Giga B560M AORUS PRO AX を入手した。
 ・B460に較べてVRMが強化され、基板はずっしり重い。
 ・B560はDDR4-3200動作をSupportする。
 ・SATA 6Gb/sは 6Port。
 ・NICは2.5G仕様。
消費電力の増加は避けられそうにないが、果たしてどの程度か。Test機の構成と結果は以下の通り。(比較の為にASRock B460MのDataを添えた)
Giga B560M AORUS PRO AX + i5 10400
PC
PC1
PC2
Date
2021/02/21
2020/12/01
M/B
Giga
B560M AORUS PRO AX
PL1:65W PL2:134W
ASRock
B460M-HDV
PL1:65W PL2:135W
CPU
Cometlake i5 10400 (2.9/4.3GHz 6C/12T TDP 65W)
CPU Cooler Heatsink
Scythe Kotetsu II
CPU Cooling Fan
be quiet!
120x25mm PWM Fan
Noctua
120x25mm PWM Fan
MEM
DDR4-3200 16GBx2
DDR4-2666 4GBx2
SSD
Samsung 860 EVO
500GB + 1TB
WD Blue 256GB M.2 SATA
Sound
Olasonic USB-DAC + Noise Filter
PSU
In WIN IP-P300HF7-2 Platinum
Win10 Pro 20H2
Build 19042.804
Build 19042.608
消費電力差
PC1-PC2
Cinebench
R20
CPU Multi
3196pts / Max 89W
3185pts / Max 101W
-12W
CPU single
446pts / Max 37W
445pts / Max 29W
+8W
Cinebench
R15
CPU all
1335cb / Max 85W
1334cb / Max 94W
-9W
CPU single
186cb / Max 36W
187cb / Max 27W
+9W
Prime95実行時
Max 101W
Max 103W
-2W
Super PI 104万桁
8sec.
8sec.
-
Idle時
10W
6W
+4W
WMP音楽再生時
15W
9W
+6W
PowerDVD18Ultra Upcon_off
平均 20W
平均 12W
+8W
PowerDVD18Ultra Upcon_on
平均 23W
平均 15W
+8W
Giga B560MとASRock B460Mの消費電力を較べると、両者に相当な開きがある。
 ・Cinebench multi実行時は Giga B560Mの方が9~12W低い。
 ・Cinebench single実行時は Giga B560Mの方が8~9W高い。
 ・Prime95実行時は両者互角。
 ・Idle~軽負荷時にかけては Giga B560Mの方が4~8W高い。

実は、Giga B560M AORUS PRO AXを使い下ろす際、不可思議な症状に遭遇した。M/Bに i5 10400 を取り付けBIOSの確認中にFreezeしたのだ。何度試しても改善されずCMOSをClearした。その後、Freezeは治まったが、CMOS Clear前にあった項目が幾つか見当たらず何処かへ消えてしまった。これはBIOSをUpdateすべきかと、Giga B560M AORUS PRO AXのSiteを探したら、2021/02/21現在準備中。

ASRock Z590M-ITX/ax (2021.03.06)

前節でGiga B560MとASRock B460Mの消費電力を較べたら、
 ・Idle~消費電力50W近辺まではASRock B460MよりGiga B560Mの方が
  4~8W高い。
 ・消費電力50W超の領域ではASRock B460MよりGiga B560Mの方が
  9~12W低い。
との結果になった。つまり Intel 500 Seriesは、Idle~軽負荷時は、400 Seriesより消費電力は増加し、高負荷時は低減した。使い方によっては、その方が好ましい場合もあるが、Sleepせずに常時稼働する者にとっては面白くない。但し、Giga B560M AORUS PRO AXのBIOSに疑問があり、Intel 500 Series に共通する傾向かどうかは判らない。

そこで、3月5日に発売されたMini-ITX M/B ASRock Z590M-ITX/ax を注文した。
予定の部品構成は以下の通り。
 【M/B】 ASRock Z590M-ITX/ax
 【CPU】 Cometlake i5 10400
 【CPU Cooler】 Scythe Kotetsu II + be quiet! 120x25mm PWM Fan
 【MEM】 DDR4-3200 8GB x2
 【M.2】 WD Blue SN550 NVMe 1TB
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 In WIN IP-P300HF7-2 Platinum
 【OS】 Win10 Pro 20H2 Build 19042.844

昨年5月に入手した ASRock Z490M-ITX/ac は、その後不都合なく運用している。 この一年で最も気に入ったMini-ITX M/Bである。その後継機であるASRock Z590M-ITX/axは二匹目の泥鰌になるかどうか。本日到着予定。

ASRock Z590M-ITX/ax II (2021.03.07)

ASRock Z590M-ITX/ax 到着後、前節の部品を取り付けて SW-ON。ところが、どうしたことか M.2が認識されない。Manualを確認したら、

1 x Hyper M.2 Socket (M2_1), supports M Key type 2280 M.2 PCI Express module up to Gen4x4 (64 Gb/s) (Only supported with 11th Gen Intel Core Processors)
1 x Ultra M.2 Socket (M2_2), supports M Key type 2280 M.2 SATA3 6.0 Gb/s module and M.2 PCI Express module up to Gen3 x4 (32 Gb/s)

要するに、Gen4をSupportするM2_1 Socketは、Rocket Lakeに限定され、Comet Lakeには対応せずとのこと。 Gen3のM.2は使えるかとも思ったのだが、それも駄目だった。仕方なくM2_2 Socketに差し替え無事認識された。

BIOS設定の内、
 ・C-Stateは可能な限り有効にした。但し、C-State SupportのみAutoとした。
 ・ASPM関連の項目は全て有効にした。
 ・PL1/PL2は規定値 (PL1 65W、PL2 134W) のままとした。
 ・各部の電圧は初期値のまま弄らず。
 ・DDR4-3200 Memoryは自動的に認識された。

今回使用したM.2 (WD Blue SN550 NVMe 1TB) は Win10 Install済みのもの。
M/B附属のDVDから必要なDriverをInstallして All OK。
 【Cinebench R20 CPU Multi core】 3172 pts / Max 84W
 【Cinebench R20 CPU single core】 426 pts / Max 28W
 【Cinebench R15 CPU all core】 1323 cb / Max 79W
 【Cinebench R15 CPU single core】 186 cb / Max 27W
 【Prime95実行時】 Max 86W
 【Super PI 104万桁】 8sec.
 【Idle時】 8W
 【WMP音楽再生時】 11W
 【PowerDVD19Ultra TTHD_OFF】 平均 14W
 【PowerDVD19Ultra TTHD_ON】 平均 17W
まあまあの結果か。

ASRock Z590M-ITX/ax III (2021.03.08)

ASRock Z590M-ITX/axは、400 seriesのM/Bに較べて高負荷時の消費電力/CPU温度とも低目なので、以下の通りCPU Coolerを交換した。
当初、CPU Cooler Scythe Kotetsu II + be quiet! 120x25mm PWM Fan を載せたが、もう少し小型のCoolerでも間に合いそう。
そこで、低背型Cooler be quiet! SHADOW ROCK LP に交換した。余程窮屈なCaseでなければこれで充分。

ASRock Z590M-ITX/ax Test
Date
2021.03.07
(室温24.6℃)
2020.05.27
(室温24.0℃)
M/B
ASRock
Z590M-ITX/ac
ASRock
Z490M-ITX/ac
CPU
Comet Lake i5 10400
CPU Cooler
be quiet! Shadow Rock LP
Memory
DDR4-3200 8GB x2
M.2 SSD
WD Blue SN550
NVMe 1TB
Samsung PM961
NMVe 256GB
Sound
USB-DAC + Noise Filter
PSU
In WIN IP-P300HF7-2 Platinum
Win10
20H2 Build 19042.844
20H1 Build 19041.264
Cinebench
R20
CPU multi
3172pts / Max 84W
-
CPU single
426pts / Max 28W
-
Cinebench
R15
CPU all
1323cb / Max 79W
1332cb / Max 87W
CPU single
186cb / Max 27W
188cb / Max 27W
Prime95
消費電力
Max 86W
Max 97W
CPU温度
Max 53℃
Max 56℃
CPU Fan回転数
Max 925rpm
Max 972rpm
Super PI 104万桁
8sec.
8sec.
Idle時
8W
8W
WMP音楽再生時
11W
10W
PowerDVD19Ultra Upcon_off
平均 14W
平均 15W
PowerDVD19Ultra Upcon_on
平均 17W
平均 17W
ASRock Z590M-ITX/axと同Z490M-ITX/axの消費電力を較べると、
 ・CinebenchR15 CPU all実行時は Z590M-ITX/axの方が9W低い。
 ・CinebenchR15 CPU single実行時は 両者同値。
 ・Prime95実行時は Z590M-ITX/axの方が11W低い。
 ・Idle/音楽/動画再生時の消費電力は両者測定誤差程度。

つまり、Z590M-ITX/ax の改善点は、中負荷以上の消費電力低減に見られた。
これは、Giga B560M AORUS PRO AXの時と同じ傾向である。まだ、BIOSの細部を充分に精査していないので、更に改善される可能性はありそう。けれども、ASRock Z590M-ITX/axの総合的な評価は、Rocket Lakeが登場してからに・・・

In WIN IP-P300KF7-2 Platinum (2021.03.09)

我が家の定番TFX電源 In WIN IP-P300HF7-2 Platinum は、購入から7年10ヶ月経った。同電源は専らTest用に用い、実際にCaseに組み込むことはなかったが、Idleから軽負荷時にかけてはpicoPSU並みに消費電力が低く、大いに重宝してきた。今のところ特に不都合はなくとも、そろそろ後継の心配をしなくてはならない。ところが、同電源は既に終息し、別の電源を見繕うことになった。

Web上を探したら、In WinのCase "IW-CE685/300P" に附属する電源が80+ Platinum仕様のTFX電源であるとのことで、Caseが無駄になることを承知の上で購入した。早速電源を取り出したら、"In WIN IP-P300KF7-2 Platinum" が現れた。製品番号は一文字違い。紹介記事中に 「New」 とあることから、IP-P300HF7-2 Platinum の後継機種と思われる。

そこで、現在 「ASRock Z590M-ITX/ax + Comet Lake i5 10400」 で運用中の IP-P300HF7-2 Platinumを IP-P300KF7-2 Platinumに差し替えた。
 ・Fan交換済みの IP-P300HF7-2 Platinum と較べてややNoisyではあるが、
  我慢できる範囲。
 ・消費電力は IP-P300HF7-2 Platinum より幾分低く、以下の通り微減した。
   【Idle時】 8W → 7~8W
   【音楽再生時】 11W → 10W
   【動画Upcon再生時】 17W → 16~17W
従って、Fanを交換すれば IP-P300HF7-2 Platinum 以上の静音高効率電源になること間違いなし。これからは IP-P300KF7-2 Platinum が我が家の基準電源に。

4種のTFX電源 (2021.03.10)

では、手持ちのTFX電源を較べてみよう。(電源以外の部品構成は前々節と同じ)
左の写真上から順に、
・In Win IP-P300KF7-2
 Platinum
・In Win IP-P300HF7-2
 Platinum
・Kuroshiko KRPW-
 TX300W/90+ Gold
・In Win IP-P300GF7-2
 Gold

4台ともFanはXINRUILIAN RDL8015Sに交換した。
他にもう2台あるがCaseに収めて使用中。

結果は下表の通り。参考にSFX電源のDataを加えた。


TFX電源 Test
Style
TFX
SFX
PSU
In Win
In Win
Kurosiko
In Win
SilverStone
IP-P300
KF7-2
IP-P300
HF7-2
KRPW
TX300W/90+
IP-P300
GF7-2
SST
ST30SF V2
Platinum
Platinum
Gold
Gold
Bronze
CinebenchR15 all
Max 79W
Max 80W
Max 81W
Max 81W
Max 85W
動画Upcon再生
16.5W
17W
18.5W
19W
20W
WMP音楽再生
10W
11W
12W
12.5W
13W
Idle
7.5W
8W
9W
9.5W
9.5W
In Win IP-P300KF7-2 Platinumの優秀さが改めて確認された。けれどもTFX電源に対応するCaseは少なく、In Win IP-P300KF7-2 Platinumを用いるなら、Caseを自作しなければならない。今回求めたCase In Win"IW-CE685/300P"は排気Fanがないばかりか、側面及び上面に通気孔がなく使用するCPUが限られる。自分で工夫すればよいが、市販Caseの改造は不細工になり易く、寧ろ一から自作した方が話は早い。例え、Caseに収めなくともTest時の電源として場所を取らず扱い易いところが利点。

3種のATX電源 (2021.03.11)

TFX電源に続いてATX電源を較べてみよう。(電源以外の部品構成は三節前と同じ)
写真左から順に
・Kurosiko
 KRPW-TI500W/94+
・FSP
 AURUM S 400 AS-400
・Seasonic SS-650KM

ATX電源 Test
Style
TFX
ATX
PSU
In Win
Kurosiko
FSP
Seasonic
IP-P300
KF7-2
KRPW
TI500W/94+
AURUM S
400 AS-400
SS-650KM
Platinum
Titanium
Gold
Gold
300W
500W
400W
650W
2021年購入
2020年購入
2020年購入
2010年購入
CinebenchR15 all
Max 79W
Max 79W
Max 81W
Max 86W
動画Upcon再生
16.5W
17.5W
19W
23W
WMP音楽再生
10W
11W
12.5W
15W
Idle
7.5W
8W
9.5W
12W
・Kurosiko KRPW-TI500W/94+はATX電源としては優秀だが、それでも
 In Win IP-P300KF7-2の後塵を拝した。
・FSP AURUM S 400 AS-400は単独で見れば決して悪くないが、こうして較べると
 やや見劣りする。
・10年前、Seasonic SS-650KMは静かで安定性に優れた電源として高い評価を
 受けたが、最早出番はなさそう。

電源Tst時の注意点 」 電源をTestする際、24pin及び8pin Connectorを何度も抜き差しすることになる。延長Cableを用い、M/BのConnector抜き差し回数を減らしたい。

5種のSFX電源 (2021.03.12)

今度はSFX電源である。SFX-L x2 + SFX x3。(電源以外の部品構成は四節前と同じ)
左の写真上段左から
Silverstone SAX500-LG
Scythe SPKRG-S500P

同下段左から
Silverstone SST-SS300
Silverstone SST-SS450-G
Silverstone SST-SS450

SFX電源 Test
Style
TFX
SFX-L
SFX
PSU
In Win
Silverstone
Scythe
Silverstone
IP-P300
KF7-2
SAX500
LG
SPKRG
S500P
SST
SS300
SST
SS450-G
SST
SS450
Platinum
Gold
Gold
Bronze
Gold
Bronze
300W
500W
500W
300W
450W
450W
2021年購入
2014年購入
2014年購入
2019年購入
2012年購入
2010年購入
Cine R15 all
Max 79W
Max 79W
Max 81W
Max 85W
Max 86W
Max 88W
動画Upcon
16.5W
20W
20.5W
20W
21W
21W
WMP音楽
10W
13W
13.5W
13W
14W
13W
Idle
7.5W
10.5W
10.5W
9.5W
11W
10W
Fanは以下の通り。
 Silverstone SAX500-LG → Noctua NF-A12x15 PWM
 Scythe SPKRG-S500P → Noctua NF-A12x15 PWM
 Silverstone SST-SS300 → Fan交換せず
 Silverstone SST-SS450-G → XINRUILIAN RDL8015S
 Silverstone SST-SS450 → XINRUILIAN RDL8015S

・SFX/SFXL電源の省電力特性はどれも低調で、TFX電源 IP-P300 KF7-2に
 対抗できる製品には巡り会えなかった。
・そうした中では、最廉価SFX電源 Silverstone SST-SS300 が光る。
 この電源は内蔵のFanを交換しなくともそのまま使えるので好都合。
 数Wの差を我慢できれば、今回試した中では一押しか。

 PCG3