AMD III

AMD II 頁が長くなったので、続編を起こした。 (2017/7/13)
ASRock AB350G-ITX (2017.7.13)

ASRock Fatal1ty AB350 Gaming-ITX/ac (以下AB350G-ITXとする) が届いた。これまでAM4対応のMini-ITX M/BはBIOSTARの製品だけだったところにASRockが加わり、間もなくGigabyteも発売されるとのこと。我家では既に BIOSTAR B350GTNを使っているが、消費電力が少し高めであること、Fan-Conの動作が不安定であることなど少々不満があった。そうなると、ASRockの新製品に期待がかかる。

早速、下表の構成で試した。今回は横着を決め込み、別のPCでInstall済みのM.2 SSDを用い、Product-keyを変更して間に合わせた。ところがMS社のServerが劇重の所為かUpdateに偉く手間取った。それでもどうにかBuild 15063.483に到達し、今のところ特に問題はなさそう。動作Testの結果は以下の通り。
Ryzen 5 1600 Test 5 2017.7.13
M/B
ASRock AB350G-ITX
CPU
Ryzen 5 1600
CPU Cooler
Thermalright Macho 120 SBM
+ Noctua NF-F12 PWM
Memory
DDR4-2667 4GB×2
M.2 SSD
WD Blue WDS250G1B0B
VGA
Card
Palit NE5105T018G1-1070H
Driver
NVIDIA ForceWare 382.05
PSU
IN WIN IP-P300HF7-2
OS
Win10 Pro RS2 15063.483
Cinebench R15
OpenGL
117.08 fps (Max 91W)
CPU all core
1143 cb (Max 103W)
CPU single core
148 cb (Max 47W)
Super π 104万桁
12 sec.
FF14 1920x1080全画面表示最高品質
10,530 (Max 123W)
Yume 1024x768 最高
151,857 (Max 93W)
Idle時消費電力
26W
上表の評価及び写真は次回に・・・

ASRock AB350G-ITX II (2017.7.14)

前節の表から、
 ・Cinebench R15の成績は他のM/Bに較べて僅かながら良好。
  これは DDR4-2667動作によるものと考えられる。
  使用したMemoryは DDR4-3200 1Rank仕様。
  DDR4-2933以上の動作はまだ成功していない。
 ・FF14 1920x1080全画面表示最高品質の結果 10530 は素晴らしい。
  GTX1050は9000台、GTX1050iは10000台。
 ・Idle時消費電力 26W は、Ryzen-PCとしては良好。

さて、今回使用したVideo Card Palit NE5105T018G1-1070H は Fanless仕様である。見るからに大振りのHeatsinkが据えられ、その気になれば120mm Fanの取付が可能。手始めにOriginal状態で試した。(室温 26℃)
 【FF14 Bench時 GPU温度】 Max 55℃ (HWiNFO64による計測)
 【FF14 Bench時 CPU温度】 Max 51℃ (HWiNFO64による計測)
 【FF14 Bench時 VRM温度】 Max 55℃ (非接触温度計による計測)
 【FF14 Bench時 M.2温度】 Max 42℃ (HWiNFO64による計測)
これは優秀な結果と言えよう。FF14程度のGameなら Palit NE5105T018G1-1070HはFanlessのままでも心配なし。HeatsinkにCase Fanの風が充分に当たるなら、更に室温が上昇しても大丈夫そう。
Thermalright Macho 120 SBMと
NE5105T018G1-1070はよく似合う。

NE5105T018G1-1070のHeatsinkは
実寸 W150xH125xD36mm。かなり大型。
Mini-ITX M/BでもThermalright Macho 120 SBMはどこにも当たらず。
ASRock AB350G-ITX III (2017.7.16)

前節でまとめた、ASRock AB350G-ITX + Ryzen 5 1600 + Palit NE5105T018G1-1070H は、Bench結果/発熱/消費電力/静音性等、これまでに試したRayzen-PCの中ではかなり上等な部類に属する。ならばこれで決りか。然しながら、
 ① 今回のTestでは USB-DACを繋いだときの音質に不満があった。
 ② CPU Heatsink Thermalright Macho 120 SBM は背が高く(H150mm)
  当然Caseの寸法は大きくなる。14~16 liter程度になる見込み。

先ず①の件、前回は各種のBench Testを実行するために、
 Direct SDK / C++2005 /C++2010 / .NET.Framework3.5
等をInstallした。これまでの経験から、そうしたProgramは音質の劣化を招く傾向にあることから、Win10 Pro 15063.483をClean Installした。結果は○、音の歪みはかなり低減され清澄なSoundが得られた。まだ多少硬さを感じるが、暫く使い込めば良くなるであろう。

次に②の件、CPU CoolerとVideo Cardを変更し、
 【CPU Cooler】 be quiet Shadow Rock LP
 【Video Card】 MSI GTX1050 2GT LP
とすれば、Caseの容量は 8 liter程度となる。
背高Coolerを据えて 15 liter程度のCaseに収めるか、低背Coolerを用いCaseの容量を半減するか、当分悩まなくてはならない・・・
Ryzen 3 1200 + picoPSU (2017.7.30)

Ryzen 3 Series が発売された。 R3 1300X / R3 1200 のどちらにするか迷ったが、今回は picoPSUでの運用を考慮し、負荷時の消費電力が幾分低い後者を選んだ。 部品構成とTest結果は以下の通り。
Ryzen 3 1200 Test 1 2017.7.30
M/B
ASRock AB350G-ITX
CPU
Ryzen 3 1200
CPU Cooler
Samuel 17 + Noctua NF-F12 PWM
Memory
DDR4-2661 4GB×2
M.2 SSD
WD Blue WDS250G1B0B
VGA
Card
MSI GeForce GT 1030
Driver
NVIDIA ForceWare 382.23
Sound
USB-DAC + Noise Filter
PSU
IN WIN
IP-P300HF7-2
picoPSU-160-XT
12V 150W AC Adapter
OS
Win10 Pro 15063.483
Cinebench
R15
OpenGL
91.55 fps
(Max 70W)
92.43 fps
(Max 81W)
CPU all core
482 cb
(Max 54W)
484 cb
(Max 61W)
CPU single core
136 cb
(Max 42W)
136 cb
(Max 48W)
Super π 104万桁
13 sec.
(Max 40W)
13 sec.
(Max 43W)
Yume 1024x768 最高
97,018
(Max 63W)
97,417
(Max 74W)
Prime95 15分間実行
Max 71W
Max 83W
Idle時消費電力
25W
25W
上表の評価及び写真は次回に・・・

Ryzen 3 1200 + picoPSU II (2017.7.30)

前節の結果を見ると、①IN WIN IP-P300HF7-2と②picoPSU-160-XTとの差は予想以上に開いた。
 消費電力20W台 ①と②はほぼ同じ
 同40W台 ② は ① + 3~6W
 同50W台 ② は ① + 7W
 同60W台 ② は ① + 11W
 同70W台 ② は ① + 11~12W

picoPSU-160-XTの動作に問題があるのではないかと疑われる結果となった。今回のTestでは、Prime95実行時消費電力83Wが最高値となり、AC Adapter電源による運用の見通しが立ったとは言え全体に高めである。picoPSU-160-XTは最大許容値160Wとあるが、高負荷状態で長時間運用するとConnector部分の発熱は無視できず、連続運転する場合は定格の半分以下に抑えたい。そこで、
 ・7月24日にUpされた BIOS 3.00 にUpdateする。
 ・Memoryは DDR4-2400動作とする。
 ・Fan Controlを見直す。

前のTestでは、DDR4-2400のMemoryがすんなりDDR4-2661で動作したので、これ幸いと考えたが、picoPSU使用時は規格通りの方が良いかも知れない。また、Fan Conの動作を見直し、CPU Cooling Fanは Idle時 800rom以下、高負荷時 1000rpm以下に設定したい。

BIOSのUpdateを無事に終え再起動した。特に不都合はなさそう。ASRockのUtility Soft "F-Stream Tuning"を駆使し、CPU及びGPUのFan回転数を調節した。結果は以下の通り。
Ryzen 3 1200 Test 2 2017.7.30
M/B
ASRock AB350G-ITX
BIOS 3.0
BIOS 2.1
CPU
Ryzen 3 1200
CPU Cooler
Samuel 17 + Noctua NF-F12 PWM
Memory
DDR4-2400 4GB×2
DDR4-2661 4GB×2
M.2 SSD
WD Blue WDS250G1B0B
VGA
Card
MSI GeForce GT 1030
Driver
NVIDIA ForceWare 382.23
Sound
USB-DAC + Noise Filter
PSU
picoPSU-160-XT + 12V 150W AC Adapter
OS
Win10 Pro 15063.483
Cinebench
R15
OpenGL
89.22 fps
(Max 77W)
92.43 fps
(Max 81W)
CPU all core
481 cb
(Max 58W)
484 cb
(Max 61W)
CPU single core
134 cb
(Max 45W)
136 cb
(Max 48W)
Superπ104万桁
14 sec.
(Max 40W)
13 sec.
(Max 43W)
Yume 1024x768 最高
97,766
(Max 69W)
97,417
(Max 74W)
Prime95 15分間実行
Max 78W
Max 83W
OS起動時消費電力
Max 63W
Max 66W
Idle時消費電力
24W
25W
BIOSを更新し、Memoryの動作をDDR4-2661からDDR4-2400に変更した時、
 ・CinebenchR15の成績は微減。
 ・Superπ104万桁の結果は +1秒。
 ・Bench時の消費電力は 3~4W減じた。
 ・Idle時の消費電力は 1W減じた。
 ・USB-DACを外せばIdle時消費電力は 23W
  この値は、Ryzen-PCとしては我家の最小記録。

CPU温度及びCPU Fan回転数は以下の通り全く問題なし。
CPU Cooler Test (室温 27℃)
AB350G-ITX + R3 1200
+ Samuel 17 + Noctua NF-F12 PWM
CPU温度
CPU Fan回転数
Prime95 15分間実行
Max 46.5℃
Max 890rpm
Idle時
34.0℃
740 rpm

Ryzen-PCもSpecを欲張らず
 R3 1200 + DDR4-2400 + GT1030
程度の組合せなら、AC Adapter電源による安心運用が可能に。

B5 SizeのJewelry Trayが似合う。
Ryzen + SilverStone SST-SG06S (2017.7.31)

前節で目鼻のついた Ryzen 3 1200 PC をCaseに収めよう。そこで手持ちの空Caseから、2Stot仕様のVideo Cardが収まる SilverStone SST-SG06S を選んだ。5年振りの登場である。このCaseはSTX電源が標準仕様ながら、前回はpicoPSUを用いSTX電源取付口に92mmのFanを斜めに据えて排気Fanとした。今回も同様の使い方を考えている。
前Fanを
 Coolink SWiF2-1200 120x25mm
に交換した。
後部斜めFanを
 Coolink SWiF2-920 82x25mm
に差し替えた。

この細工は
 「苦労多くして稔り薄し」の典型。
気休めより少しましな程度。
CPU Coolerに
 Samuel 17 + Noctua NF-F12 PWM
を用いた時、STX電源を取り付ける余裕はあるが、先ず斜めFanから試そう。
今後の課題は、
 ・Storageの構成をどうするか。
 ・Slim BD Driveを使うか。
  或いは適当なSlim Drive→2.5"Storage変換Adaptorを据えるか。
 ・手持ちの2P Plug仕様のAC Adaptorが底を尽き始めたので、
  4P Plug仕様とするか。
など、早急に決めなくてはならない。

AM4対応 Raijintek Pallas (2017.8.3)

前頁の状態で3日間運転した。 特に不都合な点はなさそう。 予定通りに進めるか、或いはどこか一工夫するか。

今回使用したCPU Cooler 「Samuel 17 + Noctua NF-F12 PWM」 は、我家ではRyzen用基準Coolerの一つとなっている。そのため今回SST-SG06Sに組み込むと、年内に発売が予想されるRyzen AUPのために、Samuel 17取付金具をもう一組作るか、或いは別のCooler探すことになる。この暑い最中、冷房のない工房作業は願い下げ。そうかと言って、AM4に対応する吹下型Coolerは、まだまだ製品が少なく選ぶのに苦労する。
 ・be quiet Shadow Rock LP → 現在入手困難。
 ・Noctua NH-L12 → 少し背が高い。
 ・Noctua NH-C14 → 大型Ryzen-PC向き。

そこでWeb上を散策したら「Raijintek Pallas」が目にとまった。同Coolerは既に別のPCで使用中ではあるがAM4未対応のVersionである。ところが、最近の出荷分からAM4対応との情報を得て 2個目を注文した。到着した製品の外箱にも取説にもその旨の記載は見えず、一瞬旧版を掴まされたかと心配したが、BackPlateや取付金具をよく調べたら「AM4 Ready」状態であることが判った。

ところが、幾つか問題あり。
 Heatsinkの位置が低いため、picoPSUと当たり取付不可。
 どうしてもpicoPSUを使うなら延長Cableが必要となる。
 その場合、SilverStone SST-SG06Sでは内部が窮屈になり、
 SATA CableやFan Cableの抜き差しに苦労する。

Samuel 17とRaijintek Pallasで同じFanを使用した時、CPU温度は後者の方が2-3℃下がる点は好ましくとも、SilverStone SST-SG06Sに無理なく収めるなら、前者の方が簡単かつMaintenanceが楽である。
SST-SG06SでRaijintek Pallasを使うなら、picoPSUではなくSFX電源の方がよさそう。見て呉は悪くないが・・・

← 左の写真をClickすると拡大します。
Ryzen + SilverStone SST-SG06S II (2017.8.4)

CPU Coolerをどうするか擦った揉んだの挙句、Samuel 17 + Noctua NF-F12 PWMに落ち着いた。M/BをCaseに戻し、静音Box入2.5"HDD/Slim BD Drive/前Fan/後斜めFanを所定に位置に据えた。取付上の問題はなく、下の写真の通り収まった。
CPU Cooling Fanの上方/前方とも充分な余裕あり。
Slim BD DriveはPoineer BDR-TD04。5年前の製品だが動作音は比較的静か。
Panelを加工すればFanを斜めに据える必要はないのだが、SFX電源に戻す可能性があるので変則的な取付に。
AC AdaptorのSocketは4P仕様。

(確か緑白赤を組合せた三色旗があった)
昔懐かしい顔(SST-SG06Sは2009年7月購入)
前面にUSB3.0端子はなくとも、自分の使い方では問題なし。青色LEDは10KΩの抵抗を挿入して減光した。

  → 2009年の製作記へ

最終的な部品構成は以下の通り。
 【M/B】 ASRock AB350 Gaming-ITX (無線LAN Cardは外した)
 【CPU】 Ryzen 3 1200
 【CPU Cooler】 Samuel 17 + Noctua NF-F12 PWM
 【MEM】 DDR4-2400 4GBx2
 【SSD】 Samsung 850 EVO 120GB (M.2 SSDから変更した)
 【HDD】 Seagate 2.5"2TB HDD(消音Box入り)
 【Slim BD Drive】 Poineer BDR-TD04
 【Video Card】 MSI GeForce GT 1030
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 picoPSU-160-XT + 12V 150W AC Adapter
 【OS】 Win10 Pro 15063.502
 【Case】 SilverStone SST-SG06S
   前Fan : Coolink SWiF2-1200 120x25mm
   後Fan : Coolink SWiF2-920 82x25mm

すべての部品をCaseに収めCase Coverを閉めた時、
起動10分後のIdle時Dataは、(室温27℃)
 【CPU温度】 35℃
 【GPU温度】 32℃
 【CPU Cooling Fan回転数】 840rpm (BIOSのFanConはSilent Mode)
 【GPU Cooling Fan回転数】 820rpm ( 〃 )
 【前Fan回転数】 690rpm ( 〃 )
 【後斜めFan回転数】 約900rpm (100Ωの減速抵抗を挿入した)
 【消費電力】 26W
また、
 【Music File再生時消費電力】 34W
 【Full-HD TS-File Upcon再生時消費電力】 42W

GT 1030 + nVIDIA ForceWare 382.23 で動画を再生した時の画質は良好。
USB-DACを繋いだ時の音質も良好。無音ではないが充分静かなPCに仕上がった。FanConは、取り敢えずBIOSのSilent Modeを選んだ。詳細設定は暫く使い込んでからに・・・

Ryzen Godavari Kaveri (2017.8.6)

ではAMDの新旧CPU/APUを較べてみよう。
Ryzen Godavari Kaveri 2017.8.6
M/B
ASRock
AB350G-ITX
MSI
A88XI AC V2
ASRock
FM2A88X-ITX
CPU
APU
Name
Ryzen 3
1200
Godavari
A10-7860K
Kaveri
A8-7600
CPU
APU
TDP
65W
Base/Turbo
3.1/3.4GHz
3.6/4.0GHz
3.1/3.8GHz
CPU
Cooler
Heatsink
Samuel 17
Thermalright
Ultra-120
A10-7860K
accessory
Fan
Noctua
NF-F12 PWM
Coolink
SWiF2-120P PWM
Noctua
NF-A8 PWM
Memory
DDR4-2400
4GB×2
DDR3-1866
4GB×2
DDR3-1600
4GB×2
SSD
Samsung 850
EVO 120GB
Samsung 850
EVO 120GB
Samsung 840
EVO 120GB
HDD
Seagate 2.5"2TB
-
Seagate 2.5"2TB
VGA
Card
MSI GT 1030
-
iGPU
-
Radeon R7 Graphics
BD Drive
Poineer BDR-TD04
-
Panasonic UJ-120
Sound
USB-DAC + Noise Filter
PSU
picoPSU-160-XT
12V 150W AC Ad.
SilverStone
ST450SF
Kurosiko KRPW-
SXP400W/90+
Case
Silverstone
SST-SG06S
Windy
MC3 Striker
Silverstone
SST-SG05
OS
Win10 Pro
Win8.1 Enterprise
Win10 Pro
Cinebench
R15
OpenGL
88.90 fps
(Max 75W)
45.58 fps
(Max 92W)
36.10 fps
(Max 89W)
CPU
all core
480 cb
(Max 58W)
304 cb
(Max 95W)
293 cb
(Max 91W)
CPU
single core
135 cb
(Max 45W)
93 cb
(Max 62W)
87 cb
(Max 56W)
Super π 104万桁
13 sec.
(Max 43W)
18 sec.
(Max 57W)
20 sec.
(Max 52W)
Prime95 15分間実行
Max 74W
Max 110W
Max 106W
Idle時消費電力
26W
18W
21W
上表通り、今回は4C4T TDP65WのProcessorで較べた。
 ・RyzenにはVideo Cardを加え、Godavari/KaveriはiGPUを用いた。
 ・CinebenchR15 CPU値は、比較するのも憚られる結果となった。
 ・Ryzenの消費電力は、Video Cardを加えためIdle時こそ高めだが、
  CinebenchR15 CPU値計測時はGodavari/Kaveriより57~64%低く、
  Prime95計測時はGodavari/Kaveriより43~49%低い。
従って、特別な理由がない限り、最早Godavari/Kaveriの出番は無さそう。

← 新旧AMD-PC
 左上:Ryzen-PC
 左下:Kaveri-PC
 右:Godavari-PC (前板未完成)
Kaveri-PCは今日でお別れ・・・
AMD A12-9800E (2017.9.4)

AMDのA12-9800Eが発売された。新型のAPUではあっても、Ryzen Seriesではなく、一世代前のProcess rule 28nm仕様の製品である。CPU部分の能力だけを考えたら、同じ4C4Tの Ryzen 3 1200 に較べるまでもない。然しながら、iGPU付きでTDP 35Wなる点は、AMD Collectorとして大いに気になるところ。

そうだ、知らぬ間に販売が終了したAM1の後釜と捉えれば、A12-9800Eを生かす道はあるのではないだろうか、と好意的に解釈し、A12-9800Eを注文した。
 【AM1 5370】 4C4T、CPU Clock 2.2GHz、GPU Clock 600MHz、TDP 25W
 【A12-9800E】 4C4T、CPU Clock 3.1/3.8GHz、GPU Clock 900MHz、TDP 35W
Test機の構成とBench結果は以下の通り。
A12-9800E & Ryzen Godavari Kaveri 2017.9.4 & 8.6
Date
2017.9.4
2017.8.6
M/B
Biostar
B350GTN
ASRock
AB350G-ITX
MSI
A88XI AC V2
ASRock
FM2A88X-ITX
CPU
APU
Name
Bristol Ridge
A12-9800E
Ryzen 3
1200
Godavari
A10-7860K
Kaveri
A8-7600
APU
CPU
APU
TDP
35W
65W
Base/Turbo
3.1/3.8GHz
3.1/3.4GHz
3.6/4.0GHz
3.1/3.8GHz
CPU
Cooler
Heatsink
A12-9800E
accessory
Samuel 17
Thermalright
Ultra-120
A10-7860K
accessory
Fan
Noctua
NF-F12 PWM
Coolink
SWiF2-120P
Noctua
NF-A8 PWM
Memory
DDR4-2400
4GB×2
DDR3-1866
4GB×2
DDR3-1600
4GB×2
SSD
Intel SSD
330 120GB
Samsung 850
EVO 120GB
Samsung 850
EVO 120GB
Samsung 840
EVO 120GB
HDD
-
Seagate
2.5"2TB
-
Seagate
2.5"2TB
VGA
Card
-
MSI
GT1030
-
iGPU
Radeon R7
Graphics
-
Radeon R7 Graphics
BD Drive
-
Poineer
BDR-TD04
-
Panasonic
UJ-120
Sound
USB-DAC + Noise Filter
PSU
picoPSU-160-XT
12V 150W AC Adaptor
SilverStone
ST450SF
Kurosiko KRPW
SXP400W/90+
Case
Obon
Silverstone
SST-SG06S
Windy
MC3 Striker
Silverstone
SST-SG05
OS
Win10 Pro
Win10 Pro
Win8.1
Enterprise
Win10 Pro
Cinebench
R15
OpenGL
46.38 fps
(Max 72W)
88.90 fps
(Max 75W)
45.58 fps
(Max 92W)
36.10 fps
(Max 89W)
CPU
all core
293 cb
(Max 73W)
480 cb
(Max 58W)
304 cb
(Max 95W)
293 cb
(Max 91W)
CPU
single core
95 cb
(Max 56W)
135 cb
(Max 45W)
93 cb
(Max 62W)
87 cb
(Max 56W)
Super π 104万桁
16 sec.
(Max 53W)
13 sec.
(Max 43W)
18 sec.
(Max 57W)
20 sec.
(Max 52W)
Prime95 15分間実行
Max 74W
Max 74W
Max 110W
Max 106W
Idle時消費電力
17W
26W
18W
21W
講評と写真は次回に・・・

AMD A12-9800E II (2017.9.4)

Biostar B350GTNは、06/23/2017付BIOS 5.12で、A12-9800Eをすんなり認識した。DDR4-2400動作も問題なし。では前節の表から、
 ・CinebenchR15 OpenGL値は、Godavari A10-7860Kとほぼ同じ。
 ・CinebenchR15 CPU値は、GodavariやKaveriと大差なし。
  但し、TDPの差を考えれば、A12-9800Eはよく健闘していると言えよう。
 ・Superπ104万桁の成績は、Godavariより良好。
 ・Prime95実行時の消費電力は、GodavariやKaveriより30W以上低い。
 ・Idle時消費電力17Wはまあまあか。M/BをBiostarからASRockに替えれば、
  同値は2~3W減る可能性あり。

次に、高負荷時のDataを採ろう。

A12-9800E Test
(室温28.5℃)
CPU温度
CPU Fan
回転数
消費電力
FF14 実行
最高品質 1920x1080 Full Screen
Max 44℃
Max 2184rpm
Max 74W
OCCT4.4.1PS
15分間実行
Max 51℃
Max 2368rpm
Max 73W
Prime95
15分間実行
Max 52℃
Max 2220rpm
Max 74W
Idle
Cold boot 10分後
34℃
1540rpm
17W

上の表から、
 ・高負荷時消費電力Max74Wは小型静音PC向きと言えよう。
 ・A12-9800Eは150W級のAC Adaptor電源で安心運用が可能。
 ・A12-9800Eは高負荷時の発熱が低めなので、附属のCooling Fanでも
  Max 2400rpm程度。
 ・従って、3~4 literの小型Caseに無理なく収まりそう。
 ・A12-9800Eの「E」は、Intel T付CPUの「T」と同義と考えられる。
小型軽量静音低発熱PCをRadeonで実現するならA12-9800Eはその第一候補となろう。

Ryzen APUが出たらどうするか、その時また考えればよいのだ・・・
AMD A12-9800E III (2017.9.5)

A12-9800E附属のCPU Coolerは、AMDとしてはかなり良質と言えよう。1600rpm程度までなら充分許せるNoise Lavelである。然しながら、Windows Updateや自動Maintenance時等、CPU負荷が100%近くになる場合、CPU Fanの回転数は2000rpmを上回り、我が耳のNoise許容値を超える。そこで、CPU Coolerを交換することにした。AM4に対応するCPU Coolerはこれまで幾つか試したが、いずれも高さは70mm以上あり、小型のCaseに収めるならもう少し背の低いCoolerを選びたい。折良く、
  「 Noctua NM-AM4-L9aL9i mounting kit 」
が発売され、37mm高の「Noctua NH-L9a」が使えそう。

さて「NM-AM4-L9aL9i mounting kit」の到着を待つ間、SSDの交換作業を行った。前節で使用したSSDは5年前の代物、最近の製品なら消費電力は幾分減るのではと期待した。案の定「Intel SSD 330 120GB」から「Samsung 850 EVO 250GB」に替えたら、Idle時消費電力は1W減じ 16W。たった1Wと言うことなかれ、AM4-PCとしては貴重な 1W減なのだ。

品物が届き「Noctua NH-L9a + AM4 mounting kit」を取り付けたところ、Heatsinkの一部がM/B上のVRM素子に当たった。Copy用紙1枚(0.08~0.12mm)程度の透間を確保すれば解決しそうなので、NH-L9aのHeatsinkを鑢で削ることにした。一端CPU Coolerを外し、0.2mmほど平鑢で削り取った。今度は大丈夫、中厚のCopy用紙がするする通り抜けるようになった。

次に「Noctua NH-L9a + AM4 mounting kit」の冷え具合を確認するために Prime95を走らせた。

A12-9800E
CPU Cooler Test
CPU温度
CPU Fan
回転数
消費電力
A12-9800E
附属Cooler
(室温28.5℃)
Prime95
15分間実行
Max 52℃
Max 2220rpm
Max 74W
Idle
Cold boot 10分後
34℃
1540rpm
17W
Noctua
NH-L9a
(室温29.5℃)
Prime95
15分間実行
Max 54℃
Max 1439rpm
Max 71W
Idle
Cold boot 10分後
35℃
780rpm
16W

室温が昨日より1℃上昇したので、同一条件ではないが、A12-9800E附属CoolerをNoctua NH-L9aに替えた結果、
 ・Idle時のCPU温度は1℃上昇し、Fan回転数は半減した。
 ・Prime95実行時の温度はNoctuaの方が2℃高い。
  これは、Fan回転数の相違によるものと考えられる。
 ・Prime95実行時の消費電力Max値は 3W減じた。
  これは、SSDの交換による減少分のほか、
  Noctua Fanの高回転時消費電力が幾分低い所為と考えられる。
 ・そして、NoctuaのFanは1400rpm程度では充分に静か。

現在、M/Bの基板面からCPU Cooling Fanの上端までは 44mm。
 ・仮にCaseの寸法を 182x182x60mm とすれば、体積は 2 liter。
 ・2.5"HDDを2台加えた場合は、182x182x75mm = 2.48 liter
 ・多少の余裕をみて、200x200x85mm = 3.4 liter
等々、脳内構想は拡がるものの実現する見込みは薄い。ならば、4.45 literの In Win Chopinで手を打つか思案の為所。Intel ChopinとAMD Chopinが並ぶ姿も悪くない。
Biostar B350GTN
+ Bristol Ridge A12-9800E
+ Noctua NH-L9a + AM4 mounting kit

HeatsinkのFinを抜ける風がChipsetの方を向いていない点が気になる。様子を見て40mm Fanを加えることになるかも。
AMD A12-9800E IV (2017.9.7)

「Biostar B350GTN + Bristol Ridge A12-9800E」は、その後順調に動作している。今のところ不安定な要素は見られない。敢えて難点を探せば、HWiNFO64からCPU Cooling Fanの回転数を確認すると、時々 0rpm を示す点か。A12-9800E附属のCoolerではそうしたことは起こらず、NoctuaのFanを載せた時に見られることから、Fanの特性とBiostarのFan Conの相性問題と思われる。 Noctua NH-L9aの場合、たとえ 0rpm を示しても実際にFanが停止することはなく、このままでも良いがどうも釈然としない。そこでFanを92x14mmのNoctua NF-A9x14 PWMから92x25mmのNoctua NF-A9 PWMに交換した。残念ながらそれでも 0rpm 問題は解決せず、この件は宿題にしよう。

さて、B350GTN + A12-9800E をどう纏めるか。矢張りpicoPSUを用いなるべく小型に仕上げたい。前節で述べた In Win Chopin は最後の手段であり、もう少し検討を重ねるべきであろう。そこで手持ちの品から、5" Bayに2.5" Storageが4台登載可能なRemovable Case 「Century 2.5"SATA 6G HDD/SDD x4 Rack」に目を付けた。但し、同Caseに内蔵する40x10mm Fanはどうにも煩くそのままでは使いたくない。ならば、定評のある Scythe mini-KAZE SY124010L に交換しよう。結果はまあまあ。
左はSSDと2.5"2TB HDDを各1丁載せ2丁分は空。極静音とは言えないまでも、静音PCの末席くらいは確保できそう。この組合せなら、200x200x120 = 4.8 liter程度に収まり、Mini-NAS的に使えるであろう。

さて、B350を搭載したAM4対応M/Bは、USB-DACを繋いだ時の音質が比較的良好であると前にも述べたが、それだけではない、A12-9800EのiGPU Radeon R7 Graphicsは、同じiGPUを載せたGodavariやKaveriより、何故か動画の画質が好ましく見えるのだ。最近のAMD iGPUの中では、AM1と並んで満足度が高い。

Bristol Ridge vs Ryzen (2017.9.11)

前々節で述べた通り、A12-9800E-PCの消費電力は、Idle時及び高負荷時とも、IntelのCPUには遠く及ばずとも、どうにか許容できる範囲に収まっている。そうなると、音質や画質が比較的良好な点から、Mini-NAS的な用途だけではなく、AV-PCとしても活用したくなる。そこで、中負荷時のData、即ち動画再生時の消費電力を計測した。

Bristol Ridge vs Ryzen
TTHD
動画
再生支援
消費電力
CPU
使用率
映画 超高速参勤交代
1920x1080 TS_File
A12-9800E
+ iGPU
ON
-
60W
48%
R3 1200
+ GT1030
ON
-
47W
23%
Ballet 眠れる森の美女
1920x1080 TS_File
A12-9800E
+ iGPU
-
ON
35W
8%
R3 1200
+ GT1030
-
ON
42W
5%

上の結果から、
 ・PowerDVD17UltraのUpcon再生機能であるTTHD-ONの時、
  消費電力は R3 1200よりA12-9800Eの方が13W高かった。
 ・PowerDVD17UltraのTTHD機能を使わず動画再生支援機能に任せた時、
  消費電力は R3 1200よりA12-9800Eの方が7W低かった。
 ・PowerDVD17UltraのTTHD機能はCPUに依存し、
  動画再生支援機能はGPUに依存することから、
  Process rule 28nmと14nmの差が表れたものと考えられる。
 ・PowerDVD17Ultraの動画再生支援機能は、nVIDIAよりRadeonの方が
  相性は良さそう。

2台のPCとも電源はpicoPSU160-XT + 12V 150WのAC Adaptor電源を用いたが、A12-9800E-PCの場合、消費電力が60Wを超える状態で長時間連続運転すると、AC Adaptorの差込口付近が結構発熱した。これは2P Connecterの接触抵抗が無視できない値であることによる。R3 1200-PCと同様 4P Connecterに交換したい。

更に我が経験則からPC電源の適正容量を考えると、
 ・最大消費電力の√2倍以上とする。
 ・連続運転時消費電力の2倍以上とする。
今回のA12-9800E-PCは、そうした条件は満たしているものの、AC Adaptor電源を用いTTHD機能を効かせて長時間連続運転するなら、A12-9800EよりR3 1200 + GT1030の方が消費電力は低く安心できる。 勿論、SFX/TFX/ATX電源ならそうした心配は無用であることは言うまでもない。まあ、ごちゃごちゃ言うなら Ryzen APU を待つ方が世話なしかも・・・

犬並み (2017.9.14)

前々節で 「極静音とは言えないまでも、静音PCの末席くらいは確保できそう」
とGo signを出した 2.5"HDD Removable Caseの件、振出しに戻ってしまった。当初、下ろし立ての2.5"HDDを使い大して気にならなかったが、少し古い2.5"HDDに替えたら、HDDのNoiseが外に漏れてかなり賑やかになった。一般的に2.5"HDDは経年変化によるNoiseの増加が3.5"HDDより目立つように思われる。1m以上離れればNoiseは聞こえにくくなるが、それでは使い勝手が悪い。このPCは、机の脇に置いてHDD相互にDataのやり取りをする予定だったので少々残念である。そこで、他社3種の2.5"HDD Removable Case を試した。
 【製品A】 7mm厚の2.5"HDDを認識し損なうことがある。
 【製品B】 内部Tray方式の製品はHDD温度の上昇が無視できない。
 【製品C】 全体につくりが大雑把。
等々、どれも不合格となった。某M/B Makerの謳い文句である 「365日24時間連続運転」 を目標とする限り、静かで安心して運用できる 2.5"HDD Removable Caseは見付からず、全体の構成を再検討せざるを得なくなった。

その点 3.5"HDD Removable Caseの方が安心である。防振措置を施した製品はNoiseが伝わり難く、耳元から60cm程度の距離でも充分堪えられる。最近発売された20mm厚のHDDなら、λGel sheetを載せることができ、更なる静音化が見込まれる。2.5"HDDのDataを相互にCopyする場面はそう多くないので、その時は「裸族のお立ち台 Twin」 (まだ入手していない)を使えばよいであろう。

視力は年齢とともに心細くなるが、我が聴力はそうでない。 益々研ぎ澄まされて行くかのよう。家人に言わせれば 「犬並み」 とか・・・

Bristol Ridge 顛末記 (2017.10.29)

我が家のWin10-PCは、1台を除き 1709 Fall Creators Update を適用した。いずれも快調に動作している。では、その1台はどうしたか。

 【M/B】 Biostar B350GTN + 【APU】 Bristol Ridge A12-9800E

このPCのみ Fall Creators Update できなかった。その前の 1703 では快調ながら、1709 を入れると青画面が出て再起動がかかり、MS基本Graphics Adaptorに置き換わり、AMDのDriverを受け付けないのだ。そこで、AMDの少し古い Crimson Driverで試したが NG。更に古いCCC Driverは一見Installされたように見えても、DriverはMS基本Graphics Adaptorが当てられ、実質機能せずに NG。つまり、B350GTN + A12-9800E + Win10 1709 は正常に動作させることができなかった。そうなると、B350GTNのBIOSは最新版を入れてあるので次版を待つか、或いは Radeon Driver の新版を待つか試案の末、他のM/Bで試すことにした。

手持ちのAM4-M/Bの内、空は同じくBiostarの B350ET2 だけである。このM/BはFan conにやや難があることから暫く放置されていた、つまり、少し古いBIOSのままである。そこで、Biostar B350ET2 + A12-9800E にWin10 1709をClean Installした。結果は B350GTN と同じ。旧BIOSから新BIOSにUpdateしても変化なし。以上のTestから、Radeon DriverがA12-9800Eの iGPUに対応していないのではと疑った。けれども他のAMD-PCはGodavariもKaveriも特に問題ない。B350GTN/B350ET2にVideo Cardを挿せばWin10 1709は当たり前に動作する。矢張りM/Bに原因があるのではと思い返し、もう一枚のAM4 M/Bを入手した。10月28日現在、kakaku.com M/B売れ筋一番の MSI A320M GAMING PRO である。

早速、別頁Windows III 「うまい話」 で述べた「Win10 Pro Workstations無料取得法」に従ってInstallした。今度は無事に最新のRadeon Driverが入り、他に不都合な点は見当たらない。動作は安定し絵も音質も良好である。今回はSFX電源を載せたので、picoPSU使用時に較べて負荷時の消費電力は10W以上低く、「これにて一件落着か」 と思わせた。

さて、DesktopのCustomizeを終え、IP Addressを固定し、Computer Nameを決めて再起動をかけた。30秒経っても上がってこない。60秒経過しても変化なし。仕方なくMain-SWを長押しした。その後、各所用時間を計測したところ、

  起動:27秒、終了:1分45秒、再起動:2分5秒

なんだこれは、とても使い物にならないではないか、と怒ったところで解決はしない。
気を静めて別の手段を講じた。つまり A12-9800Eを外し、
  MSI A320M GAMING PRO + Ryzen R5 1400 + NVIDIA GTX 1050
の組合せで試した。全く問題なし。この時、各所用時間は、

  起動:22秒、終了:7秒、再起動:28秒

と至極当たり前の結果が得られた。要するに Biostar B350GTN/B350ET2、MSI A320M GAMING PROの3枚は Bristol Ridge A12-9800E 対してBIOSが最適化されていない、或いは Radeon Softwareが A12-9800E + Win10 1709 に対して最適化されていないものと考えられる。とすれば、改良版が出るまで待つことになるのだろうか。ASUSとASRock等他社のM/Bはどうか気になるものの、Caseに収めたばかりで未だ分解には至らず・・・

Bristol Ridge 顛末記 II (2017.10.31)

前節で述べた「Bristol Ridgeの顛末」をどう決着させるか、それが問題だ。DriverやBIOSの更新を待つか、それとも別のM/BでTestを重ねるか。一晩思案の末、後者に決めた。
 【M/B】 ASUS A320M-A
 【APU】 Bristol Ridge A12-9800E
 【OS】 Win10 Pro Workstations

恐る恐るSW-ON。結果はBiostarやMSI と同じく、Win10 1703はOK、1709はNG、別途Video Cardを挿せば問題なし。ASUSの最新BIOSは9月20日付。Win10 1709のRTM版発表は10月頭。やはりRadeon SoftwareやBIOSの次版を待つ他はなさそう。廉価品とは言え、出遅れBristol Ridgeの為に不要不急のM/Bを2枚も買い込みながら問題の解決に至らず甚だ残念である。従って、この続きは暫く先に・・・

Bristol Ridge 問題解決か (2017.11.06)

別頁で紹介した Intelの新CPU Coffee Lake Core i3 8100 のPerformanceは、従来の i5 と同等であることに驚かされた。 使いこなしについては、これからじっくり考えることになりそう。 ならば、先日来頓挫したままになっている Bristol Ridge を顧みよう。不調の原因は Radeon Softwareにあるのではと睨んでいたところ、2017/11/02付の新DriverがUpされたので早速試した。

先ず、A12-9800E + MSI A320M GAMING PROにWin10 Pro Workstationsを入れたPC上で、Windows Updateを試みた。結果は青画面。
次に、AMD Download Siteの自動判別ModeでDriverをInstallした。同じく青画面。

そこで、同Siteの手動選択Modeで最新Driver
  Crimson ReLive Edition 17.11.1
  = non-whql-win10-64bit-radeon-software-crimson-relive-17.11.1-nov2.exe
を選んだ。まだ non-whql なので、自動Updateの対象外ではあるが、この際試す外はない。結果は ◎ 。立ち籠めていた暗雲が一気に晴れ上がった。動作は安定し画質は極上。再起動/終了とも所用時間は至極真っ当。つまり、

 Bristol Ridge + Win10 1709 + Crimson ReLive Edition 17.7.2 → NG
 Bristol Ridge + Win10 1709 + Crimson ReLive Edition 17.11.1 → OK

次に、M/BをBiostar B350GTNに替え、別のSSDにClean Installした。結果は ◎ 。
「これにて一見落着 目出度し!」 となるかどうか暫く様子をみよう・・・

Bristol Ridge 問題解決 (2017.11.11)

前節で検証した Radeon Softwareの件、Driverを17.7.2から17.11.1に入れ替えて後、問題は起こらず安定した動作を維持している。

ところで、MS社の最新情報によれば「Windows 10の無償UpGradeが2017年12月31日で完全終了」 とのこと。 表向き無償UpGradeは2016年7月29日終了とされたが、実際にはその後もWin7やWin8のProduct-keyを使っての認証は可能だった。そのお陰で、我が家では○○台のPCにWin10をInstallしながら、Win10のPackageは一つも購入していない。もし、情報通りとすれば新しいM/Bと併せてOSも調達しなければならず、自分としては痛手が大きい。

そこで、奥の手を使いWin10 Pro Workstationsの認証を得ながらWin10 Proは未認証のPCを、Win7やWin8のProduct-keyを用い正規の認証を受けることにした。該当するM/Bは4枚。
 ・MSI H110M Pro VH-Plus
 ・MSI A320M GAMING PRO
 ・MSI Z370I GAMING PRO CARBON AC
 ・ASUS A320M-A (後日の検証の為に未認証のままに据え置く予定)
3枚試した内、2枚はMS Account、もう1枚はLocal Accountで導入した。いずれも問題なし。では、上の4枚の内、MSI A320M GAMING PROについて述べよう。
部品構成は以下の通り。
 【M/B】 MSI A320M GAMING PRO
 【CPU】 Bristol Ridge A12-9800E
 【CPU Cooler】 Noctua NH-L9a + AM4 mounting kit
 【MEM】 DDR4-2400 4GBx2
 【M.2 SSD】 WD Green WDS120G1G0B
 【PSU】 picoPSU-120-WI + 12V 120W AC Adapter

2017.11.11現在、Bristol Ridge A12-9800EにWin10をInstallする手順を纏めると、
 ① USB Memoryに仕込んだ Win10_1709_Japanese_x64.isoを用意する。
 ② 事前にCrimson ReLive Edition 17.11.1をUSB MemoryにCopyしておく。
 ③ ①のUSB MemoryからWin10 Pro 16299.15をInstallする。
 ④ 直ちに②で用意したDriverをInstallする。
 ⑤ Win10 Pro Build 16299.19へUpdateする。
以上の中で注意するべき点は ④ である。もたもたすると青画面が現れる。もし手遅れになった場合は、青画面からの復帰を待ち、②のDriverをInstallする。

さて、Bristol Ridge A12-9800E + Crimson ReLive Edition 17.11.1の最大の特徴は頗る絵が綺麗なこと。発色/精細感/白の抜け/黒の締まり/Contrast等、数あるCrimson Driverの中では最良に思われる。特に精細感の改善は著しく、視力の衰えた者にもくっきりすっきり見える。動作も安定し、この際 「Bristol Ridge 問題解決」 としても良いのでは・・・
M.2 SSDに黒のHeatsinkを抱かせた。
生憎無風の場所なので効果は薄いが、
少しでもFanの風を受ければ大幅に改善されるであろう。

左で一切合切。大容量のM.2 SSDを奮発すればCaseなしでも行けそう。
New Desktop APU (2018.01.23)

AMDの頁を2ヶ月以上留守にしてしまった。Ryzen Seriesは仮想PCとして順調に動作しているので取り上げるべき事柄もなく、AMDの新APUは2月発売との報が流れながら、その詳細は伝わらず、今一つ盛り上がりに欠けるからだ。では、暫し手持ちの部品で遊ぶことにしよう。
 【M/B】 BIOSTAR B350GTN
 【APU】 Bristol Ridge A12-9800E

先ず、BIOSを "X37AK919.BSS" から "X37AKB30.BBS" へUpdateした。特に問題はなさそう。Win10 Pro 16299.125のClean Install、及び16299.192へのUpdateもOK。Graphics Driverは、当初"Crimson ReLive Edition 17.7"が当てられた。前に試した時は同Driverで苦労したが今回は大丈夫。動作確認の後、最新版 17.12に入れ替えた。今のところ不都合はない。

それにしても"A12-9800E"の絵は綺麗だ。AMDやNVIDIAのCardより好ましく見えるのは視力が退化した所為だろうか。そんなことはない、発色/精細感/ContrastなどのBalanceが良いからだと思う。そうなると新型APUの発売が待ち遠しい・・・

とWeb上を散策していたら New Desktop APU の詳細が見付かった。

New Desktop APU 2018.01.23
Modell
Ryzen 5 2400G
Ryzen 3 2200G
Core/Thread
4C/8T
4C/4T
CPU Clock
3.60GHz
3.50GHz
Boost Clock
3.90GHz
3.70GHz
L2 Cache
512kB x4
512kB x4
L3 Cache
4MB
4MB
cTDP
45-65W
45-65W
Memory
DDR4-2933
DDR4-2933
Graphics
Vega 11 graphics
Vega 8 graphics
Shaders
704sp
512sp
GPU Clock
Max 1250MHz
Max 1100MHz
Price
$169
$99

値段も手頃、これは期待できそう。

Raven Ridgeを迎える準備 (2018.02.12)

間もなく待望のAMD New Desktop APU "Raven Ridge" が発売される。今回は 4C/8Tの Ryzen 5 2400G 及び 4C/4TのRyzen 3 2200G の二種のみ。どちらにするかは思案中。

さて、手持ちのM/BにRaven Ridgeを載せるにはBIOSをUpdateしなければならない。該当するM/Bは以下の3枚。他はCase入り。
 【ASUS】 PRIME A320M-A (該当BISO発表済)
 【MSI】 A320M GAMING PRO (該当BISO発表済)
 【BIOSTAR】 B350GTN (該当BIOSは本節Siteup後に発表された)

先ず A320M GAMING PRO を試そう。
 【CPU】 Ryzen R5 1400
 【CPU Cooler】 be quiet Shadow Rock LP
 【MEM】 DDR4-2400 4GBx2
 【M.2 SSD】 Samsung EVO 850 250GB
 【VGA】 MSI Radeon RX 560 AERO ITX
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 Kurosiko KRPW-SXP400W/90+

手順は以下の通り。
 ・BIOSをVer.1.6から最新版Ver.1.9へUpdateした。OK。
 ・Win10 Pro Build 16299.125入りのUSB Memoryを用いClean Installした。OK。
 ・Update後、Build 16299.214に到達した。OK。
 ・不要なStore Appliを削除した。
 ・常用SoftをInstallした。
 ・ここまで All OK。この時点でIdle時消費電力は 27W。
  Video Card挿しとしてはまあまあか。

次に ASUS PRIME A320M-A。
 【APU】 Bristol Ridge A12-9800E
 【CPU Cooler】 Noctua NH-L9a + AM4 mounting kit
 【MEM】 DDR4-2400 4GBx2
 【M.2 SSD】 WD Green WDS120G1G0B
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 picoPSU-160-XT + 12V 150W AC Adaptor

そして、
 ・BIOSをVer.3401からVer.3803へUpdateした。
 ・以下、A320M GAMING PROと同様にInstallした。
 ・ここまで All OK。Idle時消費電力は 15W。

Raven Ridgeを迎える準備 II (2018.02.13)

前節のSite Up後、 BIOSTAR B350GTN の新BIOSが発表された。
早速以下の構成で試した。
 【APU】 Bristol Ridge A12-9800E
 【CPU Cooler】 Noctua NH-L9a + AM4 mounting kit
 【MEM】 DDR4-2400 4GBx2
 【M.2 SSD】 PX-128M6G-2280
 【Sound】 USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 picoPSU-160-XT + 12V 150W AC Adaptor

 ・BIOSをB35AKB30.BSSからB35AK209.BSSへUpdateした。OK。
 ・以下、前節と同様に進めた。OK。
 ・Idle時消費電力は 16W。

以上、AM4 M/B 3台のBIOSをUpdateした。いずれも良好に動作している。
 ・MSI A320M GAMING PRO は、起動終了とも適正な所用時間である。
  ExplorerやControl Panelの展開ももたつかず。
 ・ASUS PRIME A320M-Aは、前より消費電力が下がった。
 ・BIOSTAR B350GTNのCPU Fan回転数"0rpm症状"は大分緩和された。
 ・A12-9800E内蔵GPUによる動画再生画像は、Radeon RX 560 AERO ITXより
  綺麗に見える。

これでRaven Ridgeを迎える準備は整った。本日 10:00までに購入するAPUを決めなくてはならない・・・

Ryzen 3 2200G (2018.02.14)

Ryzen 3 2200Gが届いたので。早速以下の部品構成で試した。
 【M/B】 BIOSTAR B350GTN (BIOS 5.13)
 【APU】 Ryzen 3 2200G (TDP 65W動作)
 【CPU Cooler Heatsink】 Wraith Stealth Cooler Heatsink
 【CPU Cooling Fan】 Noctua NF-A9 PWM
 【MEM】 DDR4-2400 4GBx2
 【M.2 SSD】 PX-128M6G-2280
 【PSU】 picoPSU-160-XT + 12V 150W AC Adaptor
 【OS】 Win10 Pro Build 1629.248

Bristol Ridge A12-9800EからRyzen 3 2200Gに挿し替えCMOSをClearした。BIOSの各部を確認し起動した。ところが、4桁のPIN CordではErrorとなりDesktop画面に入れず。PassWordを入力したらOK。Win10 Pro起動後、VGA Driverは自動Installされず、AMDのDL Siteから "Radeon Software-17.40.3701" を得た。

結果は、
 【CinebenchR15 OpenGL】 56.85fps / Max 82W
 【CinebenchR15 CPU all core】 570cb / Max 81W
 【CinebenchR15 CPU single core】 144cb / Max 34W
 【Prime95実行時消費電力】 Max 123W
 【idle時消費電力】 16W

以上、取り急ぎ報告します・・・

Ryzen 3 2200G II (2018.02.14)次に

前節のBench結果を眺めると、高負荷時の消費電力がかなり高い。picoPSUは消費電力50Wあたりから効率が悪化し、80Wを超える領域では一般的なATXやSFX電源に差を広げられる傾向にある。そこで、 picoPSU-160-XT+ 12V 150W AC Adaptorを外し In WIN IP-P300HF7-2 Platinumに替えて再計測した。
 【Prime95実行時消費電力】 Max 98W
 【idle時消費電力】 16W
今度はまあまあの値か。

さて、Ryzen 3 2200Gに対応するMemoryは、DDR4-2933 (1Rank / 2DIMMまで) とある。手持ちのMemoryは、DDR4-3200(2Rank)仕様である。案の定、DDR4-2933では動作せず。ならばDDR4-3200動作はどうか。これがすんなり起動したのだ。そこで、DDR4-2400 / DDR4-2666 / DDR4-3200 各動作時のDataを下表に纏めた。
Ryzen 3 2200G Test 01 2018.02.14
M/B
Biostar B350GTN
APU
Name
Ryzen 3 2200G (TDP 65W動作)
Base/Turbo
3.5/3.7GHz
CPU
Cooler
Heatsink
AMD Wraith Stealth Cooler Heatsink
Cooling Fan
Noctua NF-A9 PWM
Memory
DDR4-2400
4GB×2
DDR4-2666
4GB×2
DDR4-3200
4GB×2
iGPU
Radeon Vega 8 Graphics
Driver:Radeon Software-17.40.370
SSD
PX-128M6G-2280 SATA3.0 6Gb/s
PSU
In WIN IP-P300HF7-2 80+Platinum
OS
Win10 Pro Build 16299.248
Cinebench
R15
OpenGL
56.92 fps
(Max 72W)
58.62 fps
(Max 76W)
63.75 fps
(Max 76W)
CPU
all core
570 cb
(Max 70W)
576 cb
(Max 74W)
582 cb
(Max 74W)
CPU
single core
144 cb
(Max 33W)
144 cb
(Max 36W)
144 cb
(Max 37W)
Super π 104万桁
14 sec.
(Max 32W)
13 sec.
(Max 34W)
13 sec.
(Max 34W)
Prime95 15分間実行
Max 98W
Max 100W
Max 101W
Idle時消費電力
16W
18W
18W

Ryzen 5 2400G (2018.02.15)

次に Ryzen 5 2400G を試そう。
 【M/B】 MSI A320M GAMING PRO (BIOS Ver.1.9)
 【CPU】 Ryzen 5 2400G (TDP 65W動作)
 【CPU Cooler Heatsink】 Noctua NH-C14
 【CPU Cooling Fan】 Noctua NF-A14 PWM
 【MEM】 DDR4-3200 4GBx2
 【M.2 SSD】 Samsung EVO 850 250GB SATA3.0 6Gb/s
 【PSU】 In WIN IP-P300HF7-2 Platinum
 【OS】 Win10 Pro Build 1629.248
 【VGA Driver】 Radeon Software-17.40.3701

 【CinebenchR15 OpenGL】 59.47fps / Max 77W
 【CinebenchR15 CPU all core】 823cb / Max 90W
 【CinebenchR15 CPU single core】 159cb / Max 35W
 【Prime95実行時消費電力】 Max 105W
 【Prime95実行時CPU温度】 Max 67℃ (室温22℃)
 【Prime95実行時CPU Fan回転数】 Max 1211rpm
 【idle時消費電力】 15W

以上、取り急ぎ報告します・・・

Ryzen 3 2200G + picoPSU (2018.02.15)

実は、Ryzen 3 2200GはMini-ITX、Ryzen 5 2400GはMicro-ATXでの運用を考えていた。ところが、Ryzen 3 2200Gの電源にpicoPSUを用いると高負荷時の消費電力は激増し、Prime95実行時に120Wを超えてしまう。TaskManegerを見ると4Coreとも3.62GHzで100%の動作をしている。もし、cTDPが効けば45W動作を試すところだが、現BIOSではその項目は見当たらない。だからと言って諦めるのは早い。CPU Core Ratioを弄ったらどうか。Prime95実行時の最大消費電力を100W未満に抑えることができれば、picoPSUでも安心運用が可能となろう。

そこで、BIOSの 「CPU Core Ratio」 を 32 / 34 / 36 と変化させて計測したところ、34では低く36では高いことから、当面 「Core Ratio:35」 を選ぶことにした。それでも自分の使い方では充分なPerformanceである。
Ryzen 3 2200G Test 02 2018.02.15
M/B
Biostar B350GTN
APU
Name
Ryzen 3 2200G (TDP 65W動作)
Base/Turbo
3.5/3.7GHz
Core Ratio
32
34
35
AUTO
CPU
Cooler
Heatsink
AMD Wraith Stealth Cooler Heatsink
Cooling Fan
Noctua NF-A9 PWM
Memory
DDR4-2400 4GB×2
iGPU
Radeon Vega 8 Graphics
Driver:Radeon Software-17.40.370
SSD
PX-128M6G-2280 SATA3.0 6Gb/s
PSU
picoPSU-160-XT + 12V 150W AC Adaptor
OS
Win10 Pro Build 16299.248
Cinebench
R15
OpenGL
54.59 fps
(Max 70W)
55.29 fps
(Max 72W)
56.53 fps
(Max 74W)
56.85 fps
(Max 82W)
CPU
all core
497 cb
(Max 48W)
526 cb
(Max 55W)
543 cb
(Max 60W)
570 cb
(Max 81W)
CPU
single core
125 cb
(Max 28W)
133 cb
(Max 30W)
137 cb
(Max 32W)
144 cb
(Max 34W)
Super π 104万桁
15 sec.
(Max 26W)
14 sec.
(Max 28W)
14 sec.
(Max 29W)
13 sec.
(Max 32W)
Prime95 15分間実行時
消費電力
Max 71W
Max 85W
Max 97W
Max 123W
Idle時消費電力
16W
16W
16W
16W

Ryzen 3 2200G + picoPSU II (2018.02.28)

2月15日以来、2週間も開けてしまった。では、再開第一稿はどうするか。Ryzen 3 2200Gの続編が順当であろう。現在Test中の
 Biostar B350GTN + Ryzen 3 2200G + picoPSU-160-XT
なる組合せによるRaven Ridge Mini-ITX-PCは順調に動作している。各種Bench結果、消費電力、静音性とも小型のAV-PCとして運用する上で大きな不満はない。それどころか、AMDの旧APU/CPUを大きく上回る特徴を見付けたので是非取り上げたい。

これまで、AMDのAPU/CPUを使ったPCに対する不満の多くは、Intelに較べて低負荷時から高負荷時まで全域に亘り消費電力が高かった点にある。特に動画再生時の消費電力は高く、小型のCaseに収めた場合、いつしか内部温度の上昇とともにFanは高回転し、AV-PC用途と雖も冷却能力の優れたCPU Coolerを載せる必要があった。 そうした不満がRaven Ridgeの登場により大幅に改善されたのである。では、動画再生時の消費電力及びCPU使用率を計測しよう。

Bristol Ridge / Ryzen / Raven Ridge
TTHD
動画
再生支援
消費電力
CPU
使用率
映画 超高速参勤交代
1920x1080 TS_File
A12-9800E
iGPU使用
2017
9.11
ON
-
60W
48%
R3 1200
+ GT1030
ON
-
47W
23%
R3 2200G
iGPU使用
2018
2.28
ON
-
26W
14%
Ballet 眠れる森の美女
1920x1080 TS_File
A12-9800E
iGPU使用
2017
9.11
-
ON
35W
8%
R3 1200
+ GT1030
-
ON
42W
5%
R3 2200G
iGPU使用
2018
2.28
-
ON
25W
4%
*3種のPCとも電源はpicoPSU-160-TXを使用。

 ・Idle時CPU温度 31℃の時、Heatsink外部温度は 28.5℃~30.4℃。
Ryzen 5 2400G II (2018.03.03)

Ryzen 5 2400Gについても前節と同様のTestを実行した。構成は3つ前の節と同じ。

Bristol Ridge / Ryzen / Raven Ridge
TTHD
動画
再生支援
消費電力
CPU
使用率
映画 超高速参勤交代
1920x1080 TS_File
A12-9800E
iGPU使用
2017
9.11
ON
-
60W
48%
R3 1200
+ GT1030
ON
-
47W
23%
R3 2200G
iGPU使用
2018
2.28
ON
-
26W
14%
R5 2400G
iGPU使用
2018
3.3
ON
-
28W
10%
Ballet 眠れる森の美女
1920x1080 TS_File
A12-9800E
iGPU使用
2017
9.11
-
ON
35W
8%
R3 1200
+ GT1030
-
ON
42W
5%
R3 2200G
iGPU使用
2018
2.28
-
ON
25W
4%
R5 2400G
iGPU使用
2018
3.3
-
ON
26W
2%

R5 2400GはDDR4-3200を載せ、Core RatioはAUTOのままに動作させたので、R3 2200Gに較べて消費電力は僅かに高いが、4C8TであることからCPU使用率は低い。
次に、R5 2400G搭載Vega 11のGame性能を見るため、FF14/FF15を走らせた。

Ryzen R5 2400G FF14/FF15
FF14
Full Screan 1920x1080 最高品質
4016
快適
FF15
Window 1920x1080 標準品質
1875で停止
動作困難
Window 1280x760 標準品質
2964
やや重い

FF14なら「快適」となるが、FF15の1920x1080 Modeでは途中で停止し実用にならず、1280x760 Modeで「やや重い」程度のPerformanceしか得られなかった。従って、Raven Ridgeは 「専らAV時々旧軽量Game」 向きか。

そこで、MSI A320M GAMING PROのBIOS中「Hardware Monitor」の画面上から、CPU Cooling Fan回転数を以下の通り設定した。
Ryzen 3 2200G + picoPSU III (2018.05.06)

暫く振りに Ryzen を取り上げよう。よく見れば2ヶ月ご無沙汰だった。
そこで 「Biostar B350GTN + Ryzen 3 2200G」 をUpdateした。所用時間は ISO FileをMountしてから20分、特に不都合なく終えた。結果は以下の通り差は僅か。
Ryzen 3 2200G Test 03 2018.05.06
Date
2018/05/06
2018/02/15
M/B
Biostar B350GTN
APU
Name
Ryzen 3 2200G (TDP 65W動作)
Base/Turbo
3.5/3.7GHz
Core Ratio
35
CPU
Cooler
Heatsink
AMD Wraith Stealth Cooler Heatsink
Cooling Fan
Noctua NF-A9 PWM
Memory
DDR4-2400 4GB×2
iGPU
Radeon Vega 8 Graphics
Driver:Radeon Software-17.40.3701
SSD
PX-128M6G-2280 SATA3.0 6Gb/s
PSU
picoPSU-160-XT + 12V 150W AC Adaptor
OS
Win10 Pro 1803
Build 17134.1
Win10 Pro 1709
Build 16299.248
Cinebench
R15
OpenGL
55.81 fps
(Max 73W)
56.53 fps
(Max 74W)
CPU
all core
546 cb
(Max 62W)
543 cb
(Max 60W)
CPU
single core
140 cb
(Max 31W)
137 cb
(Max 32W)
Super π 104万桁
13 sec.
14 sec.
Prime95実行時消費電力
Max 96W
Max 97W
Idle時消費電力
17W
16W
上の表から、CPU Ratioを「35」に抑えれば、picoPSUでも運用可能に思われるが、小型のCaseに収めるとなると少々難あり。Prime95開始数分後(室温26℃)
 【CPU Cooler】 AMD Wraith Stealth Cooler Heatsink + Noctua NF-A9 PWM
 【CPU温度】 Max 76℃ (Idle時 32℃)
 【CPU Cooling Fan回転数】 Max 1680rpm (Idle時 450rpm)
に達し少々冷却能力が心細い。もう少し大型のCoolerでなければNoiseに悩まれそう。そうなると薄型のCaseでは間に合わず、せめて中型のCaseから選ぶ事になろう。

さて、これまでWin10大型Updateの度に、Radeonを載せたPCは、しばしば BSODに悩まされたが、Radeon Software17.7では問題なし。Ryzen 3 2200Gは動画再生時の画質/消費電力とも良好であり、することがなくて手持ち無沙汰。Trouble解決Mania としては寂しい限り。仕方ない、WOWOWから収録した「Pirates of the Caribbean : 最後の海賊」 を観ることにしよう・・・

Ryzen 5 2400G III (2018.05.24)

IntelもAMDもCPUにSecurity上重大な脆弱性があると報じられて以来、未だ具体的な被害は聞こえてこない。両者とも対策を講ずるとPerformanceが幾分削がれるとされながらも、自分が試した範囲では高々1~2%の減少に留まり、1/100秒を争うGamerなら兎も角、一般的な用途なら殆ど気付かないのではと思われる。そうは言っても新しいBIOSやPatchが発表されると一応気にはなる。

では、「MSI A320M GAMING PRO + Ryzen 5 2400G」で試してみよう。
 ・前BIOS Ver.1.90 (Release 2018/01/19)
 ・新BIOS Ver.1.D0 (Release 2018/05/04)

先ず BIOS Ver.1.90 のまま起動した。このM/BはWin10 April Update 2018適用直後のBuild 17134.1で止まっていたので同17134.48へUpdateした。Radeon DriverはVer.17.7でそのまま。 一通りBench Testを実行した後、BIOS Ver.1.D0 へUpdateし再度Dataを採った。その間不都合なし。結果は以下の通り。
Ryzen 5 2400G BIOS更新 2018.05.24
M/B
Model
MSI A320M GAMING PRO
BIOS
Ver. 1.90
Ver. 1.D0
APU
Name
Ryzen 5 2400G
Base/Turbo
3.6/3.9GHz
CPU Cooler
MSI CORE FROZR L + Noctua NF-F12 PWM
Memory
DDR4-3200 4GB×2
iGPU
Radeon Vega 11 Graphics
Driver:Radeon Software-17.7
SSD
Samsung 850 EVO M.2 250GB SATA 6GB/s
PSU
SilverStone SST-ST30SF 80+Bronz
OS
Win10 Pro 1803 Build 17134.48
Cinebench
R15
OpenGL
52.67 fps
(Max 79W)
67.77 fps
(Max 89W)
CPU
all core
829 cb
(Max 95W)
832 cb
(Max 94W)
CPU
single core
159 cb
(Max 40W)
159 cb
(Max 40W)
Super π 104万桁
12 sec.
12 sec.
Prime95実行時消費電力
Max 111W
Max 109W
Idle時消費電力
16W
16W
上の表から、
 ・CinebenchR15 OpenGL値は新BIOSの方が29%も向上した。
 ・同CPU値はall/singleとも大差なし。他の項目も同様。
 ・消費電力はCinebenchR15 OpenGL実行時を除けば僅差。
 ・80+Bronz仕様の電源を用いたため、全体に消費電力は高め。
つまり、今回試した範囲では、BIOSのUpdateによって成績が落ちた項目はないことになる。今後とも「大山鳴動して鼠一匹」であることを願うばかり。

Ryzen 5 2400G IV (2018.05.25)

前節で用いたCPU Cooling Fan Noctua NF-F12A PWMの回転数は最大1500rpmである。Prome95実行時のDataは以下の通り。(室温28℃)
 【CPU温度】 Max 70℃
 【CPU Cooling Fan回転数】 Max 1250rpm
 【消費電力】 Max 109W

Noctuaと雖もFan回転数 1250rpmでは決して静かとは言えない。Caseに収めればCPU温度は更に上がり一層賑やかになるであろう。そうなるとDual Fanでの運用を検討することになり、日頃から Small/Silent/Cool-PC を目差す者にとっては辛いところである。それでもRyzen 5 2400Gを使ってSSC-PCに仕立てるなら、
 ・CPU Ratioを下げる。
 ・CPU Boost機能を無効にする。
 ・DRAM Frequencyを下げる。
などの対策を取ることになり、そこまでSpecを落とすならRyzen 3 2200Gで良いのではないかと思えてくる。従って、Ryzen 5 2400Gを素直に使うなら、比較的大型のCPU Coolerを用い中型以上のCaseに収めSSC-PCは諦めざるを得ない。そうこうする内にふと思い立ち、CPU Heatsink MSI CORE FROZR Lの外部温度を非接触型温度計で計測した。

 Prime95実行時CPU温度70℃の時 → Heatsink外部温度 Max 32.4℃

CPU温度は幾つかの温度計測Soft及びMSIのUtilityでも同値であった。けれどもHeatsink温度と二倍以上ある差を合理的に説明できない。
 ・得られた温度はCPU Core温度ではなく、CPU Die接合部分の温度ではないか。
 ・温度計測に用いられるParameterが不適切ではないか。
 ・AMDのCPU/APUは温度計測Softから正しく認識されない例が多かった。
など幾つか疑問点がある。では、どうすれば良いか・・・

Ryzen 5 2400G V (2018.05.26)

前節の疑問を解く前に、AMD/Intel両社の「CPU Max温度」を確認しよう。

AMD
Processrule
Max Temp.
Release
Ryzen 7 2700
12nm
95℃
2018/4/17
Ryzen 5 2400G
14nm
105℃
2018/2/8
Ryzen 7 1700
14nm
95℃
2017/2/23
Athlon 5370
28nm
76.0℃
2016/3/25
Godavari A8 7670K
28nm
72.4℃
2016/3/2
Intel
Process rule
Max Temp.
Release
Tjunction
Tcase
i7 8700K
14nm
100℃
-
Q4'17
i7 7700K
14nm
100℃
-
Q1'17
i7 6700K
14nm
-
64.0℃
Q3'15
i7 4770K
22nm
-
72.7℃
Q2'13
i7 3770K
22nm
-
67.4℃
Q2'12

Intelの諸元表を見ると、2017以降はCPUの「Junction温度」、それ以前は「case温度」が記載されている。AMDの場合区別はないが、数値から2017年以降は「Junction温度」と考えられる。では、温度計測Softの計測値を確認しよう。(室温28℃)
上の図は、
 【M/B】 Biostar B350GTN 【APU】 Ryzen 3 2200G
 【CPU Cooler】be quiet! Shadow Rock LP

Prime95実行時、HWiNFO64の計測値は、
 ・CPU(Tcti/Tdie) Max 71.0℃、下段のCPU Max 47℃
 ・この時、Biostar Racing Softでは CPU温度 71℃
 ・Heatsink外部温度は Max 34.6℃。
上の図は
 【M/B】 MSI A320M GAMING PRO 【APU】 Ryzen 5 2400G
 【CPU Cooler】 MSI CORE FROZR L + Noctua NF-F12 PWM

Prime95実行時、HWiNFO64の計測値は、
 ・CPU(Tcti/Tdie) Max 70.3℃、下段のCPU Max 70.3℃
 ・この時、MSI Command CenterはCPU温度 70℃
 ・Heatsink外部温度は Max 32.4℃。
 ・Idle時CPU温度 31℃の時、Heatsink外部温度は 28.5℃~30.4℃。

つまり、BiostarもMSIもCPUのJunction温度を元にFanの回転数を制御していることが判った。多くの場合、CPUのJunction温度とCase温度(Heatspreader温度)とは、20℃以上の開きがあることから、Fanの回転数を見直さなくてはならない。

そこで、MSI A320M GAMING PROのBIOS中「Hardware Monitor」の画面上から、CPU Cooling Fan回転数を以下の通り設定した。
 90℃ → 80%、70℃ → 60%、50℃ → 40%、30℃ → 20%
温度設定変更後、Prime95実行時CPU Junction温度 Max 70℃、Fan回転数 Max 990rpmとなり、充分許容できるNoise Levelに減衰した。そうなるとIntelの場合も確認する必要がある・・・

 PCG3