あれこれテストする XXIV

2013/1/20、 Ivy Bridge Celeron G1610T(TDP35W)が発売された(\4,680) 同シリーズの最廉価品ではないが、T付Ivyの中では最も安い・・・ (2013.1.22)

Celeron G1610T (2013.1.22)

最近、用途別のPCに仕立てることが多く、低TDP CPUや廉価CPUの出番は少なくない。昨年組み上げたMini-ITXの中で、
 低TDP CPUを使ったPCは、
 ・AMD E350 File Server 2号機
 ・AMD C60 File Server 3号機
 ・Atom DN2800MT BonCaslLink Server
 廉価CPUを使ったPCは、
 ・Pentium G2120 PT3搭載の録画機
 ・AMD A4-5300 PT3搭載の録再機
 5台ともトラブルなく健やかに動いている。

さて、Mini-ITXに手を出してからこの方、悩みの大部分は使い途にある。手持ちのPCが10台を超えると、そうそう大義名分はなく無理矢理用途を決めている。 もし、用途を決めなくてはPCづくりができないとすれば、本Webサイトは何れ閉鎖することになろう。それでは老後の楽しみがなくなるので 「用途後付PC」 も許容せざるを得ない。

御託は早々に切り上げ、Celeron G1610Tに手持ちの部品を加え新たなPCを仕立てよう。部品構成は以下の通り。

 【M/B】 ASUS P8H77-I
 【CPU】 Celeron G1610T
 【CPU Cooler】 Thermolab LP53 + Noctua NF-A9x14
 【MEM】 DDR3 1333 4GBx2
 【SSD】 C300 64GB
 【PSU】 picoPSU160-XT + 150W AC Adaptor
 【Case】 Obon
 【OS】 Win7Enterprise64

Thermolab LP53付属のファンを取り外し、Noctua NF-A9x14を載せた。ビニタイ留めで問題なし。

 Thermolab LP53 ヒートシンク高さ : 28mm
 Noctua NF-A9x14 厚み : 14mm

よって、高さ42mmのCPU Coolerとなった。
LP53+NF-A9x14はP8H77-Iにピッタリ収まった。

結果は以下の通り。

G1610T をテストする 2013/1/22
Date
2013.1.22
M/B
ASUS P8H77-I
BIOS 0904 Default & Auto
CPU
Celeron G1610T
MEM
DDR3-1333 4GBx2
SSD
C300 64GB
PSU
picoPSU160XT + 150W AC Adaptor
OS
Win7Enterprise64
Windows7 Experience Index
6.5 7.6 4.8 6.3 7.4
3DMark06
Score:3482
SM2 :1125
SM3 :1469
CPU :2401
3DMark11
P399
3DMark Vantage
Score:1623
GPU :1311
CPU :5694
FF14
High:348
Superπ104万桁
16秒
Yume1024×768最高
14526
消費電力 / 温度 / Fan 回転数 (室温20℃) 2013/1/22
測定条件
消費電力
CPU温度
CPU Fan回転数
Idle時
17W
26℃
900rpm
Prim95実行時
Max 34W
Max 41℃
Max 1080rpm
OCCT PS実行時
Max 45W
Max 46℃
Max 1150rpm

上の表の評価は次回に・・・

Celeron vs Trinity (2013.1.23)

前節の表を評価するためには比較するDataが欲しい。ならば、現在試運転中のObon-PCを登場させよう。 このPCはPIXELAの最新TV Tuner PIX-DT260 を載せて友人用の録再機を予定している。丁度OSを入れたところなので Good timing だ。
 【M/B】 ASRock FM2A75M-DGS
 【CPU】 Trinity A6-5400K
 【CPU Cooler】 Thermalright AXP-100 + Noctua NF-A9x14
 【MEM】 DDR3 1866 4GBx2
 【SSD】 Intel 510 120GB
 【PSU】 picoPSU160-XT + 150W AC Adaptor
 【Case】 Obon
 【OS】 Win8Pro64
予定のTV Tuner PIXELA PIX-DT260を挿さずに計測し、前節の結果と比較した。

G1610T vs A6-5400K
Date
2013.1.22
2013.1.23
M/B
ASUS
P8H77-I

ASRock
FM2A75M-DGS
BIOS 0904
BIOS P1.50
CPU
Celeron G1610T
Trinity A6-5400K
CPU Cooler Heatsink
Thermolab LP53
Thermalright AXP-100
CPU Cooler Fan
Noctua NF-A9x14
MEM
DDR3-1333 4GBx2
DDR3-1866 4GBx2
SSD
C300 64GB
Intel 510 120GB
PSU
picoPSU160XT + 150W AC Adaptor
OS
Win7Enterprise64
Win8Pro64
Windows7 Experience Index
6.5 7.6 4.8 6.3 7.4
-
Windows8 Experience Index
-
6.3 7.2 6.6 6.6 7.8
3DMark06
Score:3482
SM2 :1125
SM3 :1469
CPU :2401
Score:6382
SM2 :2270
SM3 :2895
CPU :2397
3DMark11
P399
P911
3DMark Vantage
Score:1623
GPU :1311
CPU :5694
Score:3300
GPU :3030
CPU :4503
FF14
High:348
High:772
Superπ104万桁
16秒
26秒
Yume1024×768最高
14526
36347
消費電力 / 温度 / Fan 回転数 (室温20℃)
測定条件
P8H11-I
+ G1610T
FM2A75M-DGS
+ A6-5400K
Idle時
消費電力
17W
16W
CPU温度
26℃
25℃
CPU Fan回転数
900rpm
1080rpm
Prim95実行時
消費電力
Max 34W
Max 69W
CPU温度
Max 41℃
Max 41℃
CPU Fan回転数
Max 1080rpm
Max 1130rpm
OCCT PS実行時
消費電力
Max 45W
Max 90W
CPU温度
Max 46℃
Max 48℃
CPU Fan回転数
Max 1150rpm
Max 1170rpm

・G1610Tに対応するMemoryは DDR3-1333まで。A6-5400KはDDR3-1866まで。
・G1610TをDDR3-1333で動作させた時、3DMark06のCPU値はA6-5400KをDDR3-1866
 で動作させた時とほぼ同値。
・G1610T内蔵GPU/HD Graphicsの能力は、A6-5400K内蔵GPU/HD7540Dの凡そ半分。
・G1610Tの高負荷時消費電力は A6-5400Kの半分。
・室温20℃の時、G1610TもA6-5400Kも高負荷時のCPU温度は50℃を超えず。
・両者とも CPU Fan NF-A9x14の回転数は1200rpmを超えず十分に静か。
・Idle時の消費電力は G1610TよりA6-5400Kの方が好成績だった。
・両者とも Webの閲覧やFull-HD動画の再生など Stressは感じられなかった。
 ただし、発色や精細感など動画の画質は A6-5400K >>> G1610T

G1610T + HD5570 (2013.1.25)

Game & Encodeをしなければ G1610Tの能力で十分かもしれない。高負荷時の消費電力及び発熱とも低く、Fanの回転数を上げずに済み、無理なく小型で静かなPCに仕上げることができそうだ。ならば、Home-PCとして十分か。残念ながらそうはならない。前に述べた通り、Ivy seriesの動画再生品質はAMDに大きく水を開けられている。最新の高品質映像ならそれほどの違いは感じられなくとも、1950年代から70年代にかけて制作された名画で見比べれば一目瞭然。特に "HD6000/HD7000 series UVD3" なる機能は優秀で、Grace KellyやAudrey Hepburnの美しさに惚れ惚れとする。

解決策は幾つかある。
 ① 画質を気にしない。
 ② Displayから離れる。
 ③ 古い映画は観ない。
 ④ HD6000/HD700 seriesの再生映像を観ない。
 ⑤ 適当なAMDのVideo Cardを挿す。

そこで、遊んでいるAMDのCardから HD5570(UVD2仕様)を選び、⑤を実行することにした。
但し、そのままでは煩くてやりきれないので VGA Coolerを一工夫した。

MSIのHD5570から外したVGA Cooler(写真上)

Fanless仕様のSAPPHIRE HD4350からHeat Sinkを流用し 60x10mm Fanを載せた。今更HD5570はどうかと思うがTestなので我慢しよう・・・
G1610T + HD5570 ≒ A6-5400K (2013.1.26)

G1610TにHD5570を加えた結果は以下の通りである。

G1610T + HD5570
Date
2013.1.22
2013.1.25
2013.1.23
M/B
ASUS
P8H77-I

ASRock
FM2A75M-DGS
BIOS 0904
BIOS P1.50
CPU
Celeron G1610T
Trinity A6-5400K
CPU Cooler Heatsink
Thermolab LP53
Thermalright AXP-100
CPU Cooler Fan
Noctua NF-A9x14
VGA
HD Graphics
HD5570
HD7540D
MEM
DDR3-1333 4GBx2
DDR3-1866 4GBx2
SSD
C300 64GB
Intel 510 120GB
PSU
picoPSU160XT + 150W AC Adaptor
OS
Win7Enterprise64
Win8Pro64
Windows7
Experience Index
6.5 7.6 4.8 6.3 7.4
6.7 7.9 6.8 6.8 7.4
-
Windows8
Experience Index
-
-
6.3 7.2 6.6 6.6 7.8
3DMark06
Score:3482
SM2 :1125
SM3 :1469
CPU :2401
Score:7240
SM2 :2760
SM3 :3232
CPU :2435
Score:6382
SM2 :2270
SM3 :2895
CPU :2397
3DMark11
P399
P1123
P911
3DMark Vantage
Score:1623
GPU :1311
CPU :5694
Score:3973
GPU :3569
CPU :6014
Score:3300
GPU :3030
CPU :4503
FF14
High:348
High:987
High:772
Superπ104万桁
16秒
16秒
26秒
Yume1024×768最高
14526
41157
36347
消費電力 / 温度 / Fan 回転数 (室温20℃)
測定条件
P8H11-I
+ G1610T
P8H11-I
+ G1610T
+ HD5570
FM2A75M-DGS
+ A6-5400K
Idle時
消費電力
17W
27W
16W
CPU温度
26℃
26℃
25℃
CPU Fan回転数
900rpm
900rpm
1080rpm
Prim95実行時
消費電力
Max 34W
Max 43W
Max 69W
CPU温度
Max 41℃
Max 41℃
Max 41℃
CPU Fan回転数
Max 1080rpm
Max 1060rpm
Max 1130rpm
OCCT PS実行時
消費電力
Max 45W
Max 78W
Max 90W
CPU温度
Max 46℃
Max 43℃
Max 48℃
CPU Fan回転数
Max 1150rpm
Max 1100rpm
Max 1170rpm

上の表から、
 ・G1610T+HD5570のBench結果は、CPU/GPUともA6-5400Kを少し上回る。
 ・G1610T+HD5570のIdle時消費電力は G1610T単体に較べて10W増。
 ・G1610T+HD5570の高負荷時消費電力は A6-5400Kより10W以上低い。
 ・G1610TにHD5570を加えると、CPU温度及びCPU Fan回転数は少し下がる。

では、G1610TにHD5570を加えた時の画質はどうだろうか。全体に良好ではあるが、心持ちHD6000/7000 seriesに見劣りする。 近く発売が予定されている HD8570 あたりが似合うのではないだろうか。

よって、
 ・Idle時及び負荷時の消費電力をできる限り抑えたい → G1610T
 ・静かなThin Mini-ITXを求めるなら → G1610T
 ・画質を重視するなら → A6-5400K
 ・遊び心のある人は → G1610T + HD8570

付録のUSB-DAC (2013.1.27)

最近の女性雑誌は付録が豪華だと言う話しは家人から聞いていたが、まさかそうした波が我が身にまで及ぶとは考えてもみなかった。

昔、雑誌 "Stereo" は毎号欠かさず購読していた。その2013年1月号の広告に、
  新春特別付録 LUXMAN & Stereo 共同企画
  Headphone amp付USB-DAC LXU-OT2
  特別定価2.800円
とあるではないか。そこで、最近のAudio事情を覗くことも兼ねて久しぶりに注文することにした。ところが既に定価での販売は終了し、Premiaが付いて4800円。(昨年の暮れに求めた同種のUSB-DAC "aim AS372N ULTIMATE"は4980円)

何だこれは。雑誌がおまけでないか。付録としては確りした梱包を解いて中身を確認した。
94x53mmのUSB-DAC基板、USB2.0 Cable 1m、4本1組2種類のSpacer など。

早速、本PCに繋いだら Driverは自動的にInstallされた。2時間ほど試聴した限りでは、
 ・周波数特性は中音域が勝り、高音域低音域とも伸びが感じられない。
 ・その所為か、高音域の濁りは目立たず耳当たりの良い音がする。
  要するに高品位Radioの音。
 ・試聴に使った小型SP "YAMAHA NX-A01" との相性は悪くない。
 ・総じて 2800円なら買い得だが 4800円では疑問。
  雑誌が不要なら "aim AS372N ULTIMATE"の方が良いのでは。

Stereo誌 + 付録USB-DAC LXU-OT2
DVD : Celtic Woman A New Journey をかけた。
YAMAHA NX-A01 との相性は良好。

尚、雑誌の本文中に基板上の部品を交換する方法について詳しい説明がある。挑戦してみようか・・・
PIXELA PIX-DT260 (2013.2.1)

ASRock FM2A75M-DGS + A6-5400K にTV Tuner PIXELA PIX-DT260を取り付けた。Installは至って簡単。PIXELAのSiteからDLしたFileをClickするだけ。(製品にSoftwareは付属しない) 何の苦もなく絵が出た。 このPIX-DT260は mini B-Cas仕様。従来型に較べると1/12の大きさ。うっかりすると紛失しそう。

やはり、PIXELAのTunerは絵が綺麗だ。 PT2/PT3の画質と較べ、録画Fileの視聴時は大差なくとも、直接視聴時は相当な開きがあり市販のTV並みの滑らかさで映る。このPCは友人用なので直接視聴時の画質を優先し、PT3ではなく PIXELA PIX-DT260を選んだ次第である。では、同じくPIXELAのPIX-DT230とはどこが違うか。
 ・PIX-DT230は従来型のB-Cas Card。PIX-DT260は mini B-Cas Card。
 ・PIX-DT230のAntena端子は1つ、PIX-DT230は2つ。
 ・PIX-DT230はRemote controllerが付属する。PIX-DT260は必要があれば別途購入。
 ・PIX-DT230の価格は19000円台、PIX-DT260は15000円台。

次に、絵を見比べてみよう。
 ・PIX-DT230 + ECS A75F-M2 + Llano A8-3850 + Win7Pro
 ・PIX-DT260 + ASRock FM2A75M-DGS + Trinity A6-5400K + Win8Pro
Display Driverは両者ともCCC 13.1。今のところ画質の差は認められない。
要するに、PIX-DT260はPIX-DT230を簡素化し、価格を下げたものと考えられる。

前記(2013.1.23付)の部品に
 【HDD】 WD 2.5"1TB HDD
 【TV Tuner】 PIXELA PIX-DT260
 【Sound】 ONKYO SE-90PCI
を加えた時の消費電力は、
 【Idle時】 24W
 【BS Premium直接視聴時】 43~47W(平均45W)
 【PowerDVD10BDによるFull-HD TS-File再生時】 39~43W(平均40W)

写真上 : PIX-DT230 (基板2枚仕立て)
写真下 : PIX-DT260 (基板1枚仕立て)

従来のB-Cas Card : 85x54mm
mini B-Cas Card : 25x15mm
実は ASRock FM2A75M-DGSに不思議な現象がみられる。左の写真の通り、Win7 / Win8ともMouse cursorの先に塵のような異物が付着するのだ。 Display Driverを入れ替えても変化なし。
結局、BIOSを P1.60 から P2.10 に更新することで解決した。
もし、 PIXELA PIX-DT260がB-Cas Card Readerに対応すれば、PT3と併用したいところではあるが、今のところ駄目そう。納入予定の友人が、WOWOWやSKY PerfecTVを2重に契約してもよいと言うなら話しは別だが、多分それはないと思う・・・
Intel HD Graphics (2013.2.4)

本サイトでは、度重ねて Intel HD Graphics の画質について不満を並べたててきた。AMDのAPUに遠く及ばず、動画を鑑賞するなら別途Video Cardは必須とも。ところが遂にその見解を訂正しなくてはならない時がやってきたようだ。

薄型CPU Coolerの比較テストを行うために ASUS P8H77-I + Celeron G1610Tに挿したHD5570を外し最小構成で起動したところ、どうも様子が違う。 絵が綺麗に見えるのだ。 前回同じ条件で試した時と異なる点はWindows Updateのみ。そこで更新履歴を開いたら、
  Intel Corporation - Graphics Adaptor WDDM1.1,Graphics Adaptor WDDM1.2
  AIDA64からは Driver Version 9.17.10.2932
と見える。そして、デスクトップ画面を右クリックし、「インテル グラフィック/メディア コントロール・パネル」を確認したら見慣れぬタブが追加されていた。

これまでメディアタブは「色調整」だけだった(と記憶している)が、新たに「画像調整」と「画像のスケーリング」の二つの項目が現れ、更に「画像調整」の中に「ノイズの低減」「鮮明度」「その他の設定:フィルムモードの検出」項目が加わった。

試しに 「ノイズの低減」と「鮮明度」を「ドライバ-カスタム設定」にし、適当な数値を入れたら効果覿面、動画はスッキリクッキリ様変わりした。

次に Core i3 2100T を載せた別のPCでも試した。「画像調整」の項目はG1610Tより二つ多く「スキントーン調整」「適応コントラスト調整」が見える。
  G1610T 内蔵GPU:Intel HD Graphics Clear Video HD Technology → No
  i3 2100T 内蔵GPU:Intel HD Graphics 2000 Clear Video HD Technology → Yes
よって、Clear Video HD Technology のYes/Noによる違いが明らかになった。

G1610T Intel HD Graphics
Driver Version 9.17.10.2932
 ← クリックすると拡大する
i3 2100T Intel HD Graphics 2000
Driver Version 9.17.10.2932

これで漸く Intel IGP 本来の実力が発揮されるようになったと言えよう。更に入念な調整をすれば画質はAMDのAPUに近づけるかも知れない。そうなると「動画を鑑賞するなら別途Video Cardは必須」との見解は取り下げなくてはならない・・・

ASRock DGS Series (2013.2.9)

前節で述べた通り、Intel HD Graphics のDirverが大幅に改善され、Home-PCとして十分使えるようになった。GameやEncodeをしなければ Ivy Series中最もSpecの低いCeleron G1610Tでもさしたる不満はない。

そうなると、現在計画中のPCを考え直さなくてはならない。即ち、
 Ivy Series CPU + AMD Video Card + TV Tuner + Sound Card
なる構成を前提にMicro-ATXのM/Bを検討していたのだが、Video CardをやめてIGPで済ますなら拡張Slotは4本も要らない。そうかと言ってSlot 1本のMini-ITXでは間に合わない。Mini-ITXのmini-PCIeを活用すれば拡張Card2~3枚挿しは可能だが、費用対効果を考えると難がある。

その点、Mini-DTXなら希望に添うのだが、近頃全く音沙汰がない。代わりに拡張Slot3本仕様の小型Micro-ATX M/Bを見かけるようになった。既にASRockの FM2A55M-DGS / FM2A75M-DGS を入手し無難に動いている。このDGS Seriesの基板は220x190mm程度で、240x240mmの一般的なMicro-TAXに較べて一回り小さい。 一部のMini-ITX Caseは、ほんの少し手を加えれば取付可能である。FM2A55M-DGSをINWIN WAVYに収めて実証済み。そこで ASRock B75M-DGSに目を付けた。拡張SlotはPCIe-x16/PCIe-x1各1本、寸法は226x183mm。少し大振りなMini-DTXと言えよう。斯くして、以下の構成で試した。M/B以外は持ち回り品。

【M/B】 ASRock B75M-DGS
【CPU】 Pentium G2100T
【CPU Cooler】 Noctua NH-L9i
【MEM】 DDR3 1600 4GBx2
【SSD】 Intel 520 60GB
【PSU】 picoPSU160-XT + 150W AC Adaptor
【OS】 Win7Enterprise64

結果は下表の通り。
Pentium G2100T vs Celeron G1610T
Date
2013.2.9
2013.1.22
M/B
ASRock
B75M-DGS

ASUS
P8H77-I

CPU
Pentium G2100T
Celeron G1610T
CPU Cooler Heatsink
Noctua NH-L9i
Thermolab LP53
CPU Cooler Fan
Noctua NF-A9x14
MEM
DDR3-1600 4GBx2
DDR3-1333 4GBx2
SSD
Intel 520 60GB
C300 64GB
PSU
picoPSU160XT + 150W AC Adaptor
OS
Win7Enterprise64
Windows7 Experience Index
6.7 7.8 4.9 6.3 7.9
6.5 7.6 4.8 6.3 7.4
3DMark
Ice Storm  20506
Cloud Gate  2298
Fire Strike   286
-
3DMark06
Score:3605
SM2 :1147
SM3 :1519
CPU :2686
Score:3482
SM2 :1125
SM3 :1469
CPU :2401
3DMark11
P402
P399
3DMark Vantage
Score:1676
GPU :1337
CPU :6958
Score:1623
GPU :1311
CPU :5694
Superπ104万桁
14秒
16秒
Yume1024×768最高
14951
14526
消費電力 / 温度 / Fan 回転数 (室温20℃)
測定条件
B75M-DGSI
+ G2100T
P8H11-I
+ G1610T
Idle時
消費電力
17W
17W
CPU温度
24℃
26℃
CPU Fan回転数
1020rpm
900rpm
Prim95実行時
消費電力
Max 37W
Max 34W
CPU温度
Max 40℃
Max 41℃
CPU Fan回転数
Max 1050rpm
Max 1080rpm
OCCT PS実行時
消費電力
Max 50W
Max 45W
CPU温度
Max 48℃
Max 46℃
CPU Fan回転数
Max 1060rpm
Max 1150rpm
極小 Micro-ATX (2013.2.17)

このところ野暮用が重なり更新が滞ってしまった。漸く手隙になったので一週間振りに再開しよう。前述の通り、廉価CPU + 廉価M/B の組み合わせは今一つ盛り上がりに欠ける。Ivy内蔵のIntel HD Graphicsで手を打ったため、性能的には見るべきものはなく、静かなだけが取柄だ。省電力に関しては Intel DQ77KBにとても適わない。そうなると、低発熱を生かして極小Micro-ATXを目指すのが順当か。

これまでに市販されたMicro-ATX Caseの中で最小と思われる製品は Chenbro PC719 ではないだろうか。寸法は 300×90×326mm≒8.8L。このCaseはTFX電源仕様なので、pico化すれば更に小型化可能。予定のM/B ASRock B75M-DGSの寸法は226x183mm。LP仕様の拡張Cardを2枚挿した時、270x90x245mm≒6.0L 程度に収まりそうだ。並みのMini-ITXより小さいMicro-ATX Caseならつくる意味はあろう。

では、2枚の拡張Card は何を選ぶか、あれこれ思案の末、PT3とSound Cardに決めた。ところが LP&PCIe-x1仕様のSound Cardは製品が少ない。他の部品との釣合いを考えれば、候補は ASUS Xonar DSX あたりだが、音が硬めで気乗りがしない。Riser Cardを使ってFull-HeightのPCIe-x1Cardを載せることも可能だが、そうするとCaseが大きくなり極小Micro-ATXの実現は難しくなる。仕方ない、取って置きの Auzen X-Fi Forte 7.1 を載せることにしよう。

Auzen X-Fi Forte 7.1の使いこなしは少し面倒。問題点は二つある。
先ず、発熱による不調がWeb Site上に散見する。症状が重い時は熱死するとか。よって 60x10mm Fanを抱かせた。もう一つの問題点については検証中。解決策が見付かってから述べよう。
B75M-DGSのChipset Heat sinkは貧弱なので40x10mmFanを載せた。(室温20℃
 40mmFan 2500rpm → PCH温度 40℃台前半
 40mmFan 停止 → PCH温度 70℃超
Auzen X-Fi Forte 7.1 (2013.2.20)

Auzen X-Fi Forte 7.1のもう一つの問題点は原因不明のNoiseにある。所謂White Noise系ではなく、楽音に歪んだ音を重さねたような甚だ不快な音がする。この現象は起動1時間後くらいから徐々に悪化し、2時間も経ては誰でも判るほど酷くなる。但し、連続運転しなければ起こらないいので、原因を特定するまでに一月以上かかった。そして、
 ① 再起動すると直る。
 ② 動作を中断し Auzen X-Fi Forte 7.1のAudio Modeを変更すると直ることがある。
 ③ Control PanelからAuzen X-Fi Forte 7.1のLevel Propertyを開き、未使用の入力
   を全て [ 0 ] に設定すると改善されることがある。
などの対策を実行した。前から承知していた①と②に加え、今回はWeb情報から得た③の方法により症状は大幅に改善された。その後順調に動いているが、もしまた発症するようなら、その時は別の手立てを考えよう。

さて、2013.1.27付の節で紹介した Stereo誌付録 USB-DAC LXU-OT2 のその後ついて述べよう。多くのAudio機器がそうであるように LXU-OT2もまたAging効果が現れてきた。つまり、使い込むことにより導入当初より音が良くなったのだ。基板上の部品は未だ交換していないが、小型SPで聴く限り十分な音質と言えよう。これならForte7.1の不具合が改善されなかった時の後釜に使えそうだ。しかしながら、音の善し悪しは「気のせい」によることが多いので、もう少し聴き込んでから判断しよう・・・

6.37LのMicro-ATX Caseをつくる (2013.2.25)

今年の2月は寒い。減量に努めた所為もあって骨身に沁みる。そうかと言って、いつまでもぬくぬくと炬燵に丸くなっていては物事は前へ進まない。重い腰を上げて工房作業を開始しよう。

さて、前に述べた通り、これまでに市販された最小Micro-ATX Caseは Chenbro PC719(300×90×326mm ≒ 8.8L) と考えられるが、自作するならその程度で妥協せず、更に小型化したい。 電源をpico化すれば6L台の実現は決して難しくない。ただし、BD Driveは諦め、搭載Strageは SSDx1 + 2.5"HDDx1 で我慢することになる。では CaseをSlim形式として具体的な寸法を割り出してみよう。

6.37L Micro-ATX Case
奥行 (後から)
高さ (上から)
横幅 (左から)
裏板
1.5mm
天板
2.0mm
側板
2.0mm
透間
1.0mm
補助板 
2.0mm
L型Angle
2.0mm
M/B
183.0mm
排気 Fan
14.0mm
M/B上
86.0mm
透間
25.0mm
透間
5.0mm
M/B厚
1.5mm
吸気 Fan
14.0mm
M/B
226.0mm
M/B裏
5.0mm
補助前板
1.5mm
透間
4.0mm
補助板
1.5mm
通風空間
16.0mm
底板
2.0mm
L型Angle
2.0mm
化粧前板
3.0mm
側板
2.0mm
奥行
245.0mm
高さ
255.0mm
横幅
102.0mm

 上の表から得られた寸法は  245 x 255 x 102 mm = 6.37 L
 因みにINWIN WAVYの実寸は 264 x 265 x 112 mm = 7.84 L

よって、予定の寸法はINWIN WAVYの17%減となり、Micro-ATX Caseとしては最小の部類に属することになろう。 実は、更なる小型化も可能である。そのためには、吸排気Fanを92mmから80mmに変更すればよい。 → 245 x 255 x 90 mm = 5.62 L
そうしないのは Noctuaの92x14mmFanが大層気に入っているからである。

準備工作 (2013.2.27)

手先の器用さを求められるAlumi加工技術は劣化しやすい。 これは、楽器の演奏と同じで 3日も空ければ鈍り始め、1月もすれば元の木阿弥となる。
 ・糸鋸刃の取り付けと張り加減
 ・素材を送る速度と方向の安定性
 ・直線切りの要領
 ・曲線切りの要領
 ・刃を交換する時期の見定め
など、理屈だけでは思うに任せず身体的な熟練が要求される。今回の場合、Alumi工作は2ヶ月振りとなる。いきなり再開しても求める精度は期待できない。そこで、準備運動ならぬ準備工作を行うことにした。

選んだ工作物は VGA CoolerのFan取付金具である。別頁でHD7850の改装を行った時、Heatsinkの形状に難があって先送りにしたCard"GIGABYTE GV-R785OC-2GD"を再生することにした。Fan取付金具は一見簡単そうにみえるが、実際につくってみると案外面倒。精度が甘いと取り付けに難渋する許りか、Fanが歪み異音発生の原因になりかねない。 金具は小さくとも直線切りと曲線切りとが含まれ、腕慣らしには手頃だ。

2mm厚のAlumi端材から切り出した
曲率半径2mmと4mmの曲線切りがある
曲面の仕上げは金具を万力に固定して行う
Fanを固定する個所は埋込Nutを用いた
Noctua NF-A9x14に金具を取り付けた
(左上の取付穴は金具を使わず直接Spacerに固定する)
2ヶ月振りの工作は予想通り精度が思わしくない
2枚目のHD7850 Noctua Version
これで完成、見た目良し 
動作試験は未だ

自作Case4号機の素材は本日到着予定・・・
Periwinkle (2013.2.27)

改装なったHD7850について記しておこう。動画SoftやVideo Cardの試運転に用いるSourceは大体決まっている。その中に「ティンカー・ベル」がある。 内容はともかく、絵が綺麗なので発色や精細感の確認に都合がよく、この2年ほどお世話になっている。そして昨日、同シリーズの最新作「ティンカー・ベルと輝く羽の秘密」を入手した。
 ・第1作 ティンカー・ベル
 ・第2作 ティンカー・ベルと月の石
 ・第3作 ティンカー・ベルと妖精の家
 ・第4作 ティンカー・ベルと輝く羽の秘密

第1作は「春」、第2作は「秋」、第3作は「夏」、そして第4作は「冬」の部とのこと。4作品の中では今回の 「輝く羽の秘密」 が最も気に入っている。 その理由は幾つかあるが、何と言っても新キャラ「ペリウィンクル」の魅力にある。

ペリウィンクルとティンカー・ベルは双子の妖精。羽の模様は全く同じ。二人が近寄ると光り輝く。 ティンカー・ベルの容姿がポッチャリ系なのに対して、 ペリウィンクルはやや細面でスタイルは秀麗。 髪型はレディー・ガガのスタイリストによってデザインされたものとか。 表情は控えめながら、数あるディズニーキャラの中でも飛び切りの可愛らしさ・・・



さて、ペリウィンクルをWeb上で調べたら、
  学 名:Vinca minor
  英 名:Periwinkle
  和 名:ヒメツルニチソウ
  別 名:グレーターペリウィンクル
  科 名:キョウチクトウ科
  属 名:ツルニチニチソウ属
  性 質:耐寒性のつる性常緑多年草
  原産地:南ヨーロッパ、北アメリカ
  栽 培:株分けで増やす。日向、半日陰の湿った土を好む
  薬 効:薬用として止血に用いられる
  花 期:4~7月
  花 色:青紫色

早春に美しい5弁の青紫色の花を咲かせるペリウィンクル。つる性の常緑多年草。花壇の縁取りや釣り鉢に最適。葉も花も大きいグレーターペリウィンクル(Vinca major)と、一回り小さいレッサーペリウィンクル(Vinca minor)がある。両方とも葉に重要な薬用物質ヴィンカミンを含み、製薬会社が脳の薬の原料に用いている。

おっと、本題を忘れていた。 改装版 HD7850は、ノイズレベル/温度/消費電力/画質とも極めて良好である。よって述べることは何もないのだ。

Alumi Angle補助金具 (2013.3.3)

Periwinkle が可愛いからと言って、いい歳こいて Lolicon 三昧もあるまい。するべき事をしよう。

さて、Caseづくりの第一歩は「Alumi Angleを固定する補助金具」の調製から始まる。この金具の善し悪しがCase全体の精度だけではなく、組立時の効率に大きく影響する。過去の3作品はBolt Nutの位置が近すぎて締付に難渋した。今回は先ずその点を改良したい。方法は2つ。補助金具を大きくするか、Bolt Nutの穴の位置を再考するか。前者は M/Bを始め各部品の取り付けに問題が生じる可能性がある。そうなると、穴の位置を微調整する他はない。



幅25mm厚み2mmのAlumi平材に実寸図を貼り付けた。↑
 ・貼付自体結構難しい。 貼り直すと紙が伸びるので要注意。
 ・結局、夫々の穴の位置を前回に比べて1mm移動した。
 ・上の写真中、金具の間隔は1mm、穴の径は2.8mm。(写真は6個分、実際には8個使う

実寸図の貼付誤差を修正するために、
左の毛引(けびき/けひき)を使って穴の位置を確認する。慣れれば1/8mmくらいまで読み取れる。
Fan取付金具 (2013.3.6)

今日は3月6日、気温18℃。暖房のない工房に漸く春がやってきた。

さて、糸鋸盤の試運転をしたらどうも調子がでない。素材を送る速度が掴めず直線も曲線も思うように切れないのだ。本作業の前にもう少し練習しよう。 練習台は Auzen X-Fi Forte 7.1用のFan取付金具でよかろう。現在、市販の金具を使ってFanを取り付けているが、1点留では不安定。せめて2点留にしたい。 生憎Card上に適当な穴はなく、Bracketに新たな穴を空けることになる。

手が悴むこともなく無難に切れた。
どうにか勘が戻ったようだ。

 写真上:市販の平金具。
 写真下:今回つくった金具。
素材は2mm厚のAlumi板。
取付穴に埋込Nutを仕込んだ。

Auzen X-Fi Forte 7.1のBracketは幅15mmの折り返しがあり穴開けに好都合。
FanはAINEX CFZ-5010Lを載せた。

これでForte 7.1の発熱問題は解決できる・・・
Marking技法 (2013.3.8)

Alumi板の穴開けは決して簡単ではない。正確に描いた図面を素材に貼り付けても、狙い通りにMarkingすること自体相当難しい。PC Caseの場合、3.0mmまたは1/8inchの螺子が多く使われるが、仮に 3.0mm螺子の時は 3.2mm、1/8inch螺子の時は 3.5mmの穴を開けるとすれば、許容される誤差は0.2mm程度となる。ところが、一般的なCenter Punchでは希望通りの精度でMarkingすることは難しく、視力の優れた人でも相当な熟練を要するであろう。ましてや視力の衰えた者(自分のこと)にとっては至難の技となる。そこで、少しでも正確なMarkingができるように工夫を重ねてきた。

先ず、木工用の錐を使ってみた。かなり正確なMarkingはできるものの別の問題が生じた。穂先が鋭利なため、その維持がかなり面倒で作業効率の点で難があったからだ。
次にレーザー光線を使った位置決め装置を導入したが、光線が太くて精密加工には向かなかった。その後、あれこれ試した結果、以下の方法に落ち着いたので纏めておこう。

【Markingは3段階に分けて行う】
 ①先ず、千枚通し・木工用の錐・罫書きなど、
  穂先の鋭利な工具でAlumi板に貼り付けた実寸図に印を付ける。
  中でも「罫書き」は針の交換が簡単なので使いやすい。
  この時、紙だけに穴を開けるつもりで軽くMarkingする。
  その加減は ②で用いる工具の穂先が自然に馴染む程度とする。
 ②次に、やや太めの千枚通し、または革工芸用の錐を使って再度Markingする。
  この時、極小玄翁(頭の重さが100g以下の玄翁=金槌)を使って軽く叩く。
  叩き加減は ③で用いるCenter Punchの穂先が自然に馴染む程度とする。
 ③次に、Center Punchを当てて小玄翁(頭の重さが100~250g程度の玄翁)で叩く。
  叩き加減は Dril Bitの穂先が自然に馴染む程度とする。
  この時、振り下ろす力の加減ではなく、玄翁の重さと落下距離で調節する。
  強く叩き過ぎると1~2mmのAlumi板は簡単に歪むので要注意。

写真上から順に
罫書き、革工芸用の錐、精密Center Punch
写真上 : 極小玄翁 (頭の重さ75g 柄はグミ材で自作)
写真下 : 小玄翁 (頭の重さ150g 市販の曲り柄を使用)

軽く叩く時は柄の中程を握ると加減しやすい
春の祭典の後始末 (2013.4.10)

本頁では「極小Micro-ATX Case」の制作を目指しながら、このところ道草ばかりで、作業はなかなか進まず1月経ってしまった。暫く振りに火を入れたら、どうも今一つ動画の動きが思わしくない。映画やAmimeを観る限りでは気付かずとも、Balletを観ると随所でもたつきを感じるようになったのだ。 春の祭典/火の鳥/Sylvia/くるみ割り人形/白鳥の湖など、どれも同じだった。現在試運転中のCPU/GPUは、Intel Celeron G2100T / 内蔵のHD Graphicsである。別頁で試作中のD33217GKEは、i3 3217-U / HD Graphics4000ながら、多少動きの鈍い場面はあってもどうにか堪えられるLevelだった。そこで Celeron G2100Tを手持ちのi5 2400Sに換えてみたら、動きの滑らかさは僅かに向上した。
つまり、Balletの再生に関する限り
 HD Graphics4000 > HD Graphics2000 > HD Graphics
と当たり前のことを目で確認させられたのだ。では、本機をどうするか。
 ① HD Graphics4000 を搭載するCPUを新たに求める。
 ② HD Graphics4000以上の能力がある HD5570 を挿す。
Haswell の発売を間近に控え、今更 HD Graphics4000仕様のIvyを求める気はない。HD5570搭載のCardは検証用に彼方此方で重宝しているので、本機には使いたくない。
仕方ない、HD6570を調達しよう。(見切品:4480円)

それにしてもBalletの再生は負荷が高い。
低SpecなGPUでは直ぐに馬脚を現す。
上に記したBalletの中でも、以下の場面は特に目立つ。
 「春の祭典」 村人達の群舞は動きが速い
 「火の鳥」 魔王の手下共の動きが激しい
その他、
 「白鳥の湖」 32回転演技をする場面がある
 「真夏の夜の夢」 妖精達の群舞も然り

「春の祭典」が高品位なAudio装置を要求することは事前に判っていたが、まさかVGAにまで及ぶとは・・・

さて、予想外な事態はそれだけではなかった。新たに求めた廉価Video Card HD6570が偉く静かなのだ。高負荷時は多少耳障りになるものの、低負荷/中負荷時は全く気にならない。それも其の筈、HD6570に搭載されたFanは、BDをかけ続けても15~16%の回転数を持続しているのだ。これまでに購入したLP仕様のVideo Cardの中では最も静かであり、Fanが劣化するまでVGA Coolerを交換する必要はないであろう。

写真上 : SAPPHIRE HD6570
写真下 : MSI HD5570 (改造済み)
HD6570は動きも発色も良好。

本頁の上の方で、
・・・これで漸くIntel IGP本来の実力が発揮されるようになったと言えよう。更に入念な調整をすれば画質は AMDのAPUに近づけるかも知れない。そうなると 「動画を鑑賞するなら別途Video Cardは必須」との見解は取り下げなくてはならない・・・

と述べたが、画質は良好ながら動きの激しい Ballet の視聴時にやや難ありと言わざるを得なくなった。 何とも節操のない話しだ。 この件もまた、DriverのUpdateで解決するのだろうか・・・

ASRock B75M-DGS (2013.4.11)

前節に述べたBalletの件、どうも腑に落ちない。そこで、Intel 内蔵GPUを使った他のPCと比較することにした。今回試した ASRock B75M-DGS 以外に該当機種は3台ある。結果は以下の通り。

M/B
CPU
GPU
Ballet 再生
Intel D33217GKE
i3 3217-U
HD Graphics 4000
良好
Giada MI-H67
i3 2100T  
HD Graphics 2000
良好
Intel DH61AG
Pentium G620T
HD Graphics
まあ良好
ASRock B75M-DGS
Pentium G2100T
HD Graphics
難あり
i5 2400S
HD Graphics 2000
やや難あり

ASRock B75M-DGSにG2100Tやi5 2400Sを載せた時より、Intel DH61AGにG620Tを載せた時の方が良好だった。これはどういうことか。未だ確証はないが B75M-DGS が疑わしい。このM/Bは、自分が求めた初版の後、間もなくVer.2が発売されている。新版を求めれば、その辺りの疑問は解けるかも知れないが気が進まない。 BIOSは昨年末以来更新されていない。

さて、ASRockのDGS-Seriesは貴重なM/Bだ。一般的なMicro-ATX M/Bの寸法に較べて一回り小振りなため、これなくして「極小Micro-ATX」の実現は難しい。そうなると、今回は同じSeriesのAMD版である FM2A75M-DGS を採用するか、B75M-DGS+HD6570 で手を打つか、もう少し悩むことになりそう。

Audio道楽時代、春の祭典を過不足なく再生するのは生易しいことではなかった。最終的に"Revox"まで行き着いたことを考えれば、今回の右往左往も仕方ないか・・・

bugは我にあり (2013.4.12)

未だ納得できない。 ASRock B75M-DGS に疑いを掛けるのは早過ぎるのではないか。 とかく不調の原因は、自分自信の "bug" によることが多いので、人の所為にするのは "七度" の検証後でなくてはならない。

もう一度振り返ってみよう。事の発端は Intel HD Graphics Driverが "9.17.10.2932"にUpdateされてからだ。それ以前のDriverに較べて格段に画質が向上し、新たに設けられた付加機能をFullに設定したことから始まる。その機能とは、上の方で述べた通り、

・・・これまでメディアタブは「色調整」だけだったが、新たに「画像調整」と「画像のスケーリング」の二つの項目が現れ、更に「画像調整」の中に「ノイズの低減」「鮮明度」「その他の設定:フィルムモードの検出」項目が加わった・・・

である。そこで「ノイズの低減」と「鮮明度」の設定を弄ってみた。先ず「鮮明度」の設定を変化させてみたが、Performanceが鈍ることはなかった。もう一つの「ノイズの低減(最新Driverでは"ノイズリダクション"と表記)」は項目が多いのでじっくり検証しよう。

「ノイズの低減」項目は アプリケーション設定 / ドライバー自動設定 / ドライバーカスタム設定の3種類から選ぶことができる。
 「アプリケーション設定」を選んだ時 ・・・ Performanceの変化は確認できなかった
 「ドライバー自動設定」を選んだ時 ・・・ Performanceの変化は確認できなかった
 「ドライバーカスタム設定」を選んだ時 ・・・ Performanceの変化がみられた

「ドライバーカスタム設定」には、更に「輝度」及び「輝度と色度」の二つの選択肢がある。「輝度」を選んだ時は、然程の変化はみられなかったが、「輝度と色度」を選んだら、明らかにPerformanceの変化がみられた。Intel HD Graphics4000に較べて、無印Intel HD Graphicsの場合は、到底無視できないほどにPerformanceは悪化した。

← 無印 Intel HD GraphicsのControl Panel の一部
最新Driverは 9.18.10.3071

「輝度と色度」の選択は要注意

よって、CPU及び内蔵GPUの能力が低い時は、「ノイズリダクション」の項目中、
 ・アプリケーション設定
 ・ ドライバー自動設定
 ・ ドライバーカスタム設定の「輝度」
の何れかを選ぶのが無難であり、たとえCPU及び内蔵GPUの能力が高くとも、ドライバーカスタム設定の「輝度と色度」を選ぶと、相当負荷が高まるので要注意、と言えようか。
つまり今回の問題は、その原因が B75M-DGSにあるのではなく、Intelの新しいDriverに対する認識が不十分であったことによる。 正に "bugは我にあり"の典型か・・・

Nanao CX240 (2013.4.14)

現在、机上に2台のDisplayがある。1台は仕事用のNanao CG245W、もう一台は道楽用の Nanao S2411Wである。そのS2411Wの画面が急に暗くなった。昨日の朝起きてSWを入れたらどうも様子がおかしい。いつまで経っても十分な明度にならないのだ。一瞬自分の目が劣化したのかと疑ったが、CG245Wの方は普段と変わりなく、S2411WのScreenManagerを調節しても一向に好転せず、S2411Wの不調は明らかになった。考えてみれば、購入以来6年間、殆ど毎日使ってきた。そろそろお迎えが来ても不思議はない。

さて、以前使っていた Nanao L885 は2003年から2011年まで8年間運用し、途中4年目でPanelを交換している。その時の費用は、何と72,119円だった。現在はその当時と較べてDisplayの相場は1/2以下に下落しているので単純には比較できないが、もし S2411Wを修理に出せば、新品が買える程の費用になることは十分に予想される。仕方ない、Displayを新調しよう。ところが S2411Wの後継機種が見当たらず、よくよく調べたらColorEdgeの下位機種であるCX Seriesが該当するらしい。

と言うこで、Nanao CX240 を選んだ。別頁で述べたPowerDVDの最新版 13Ultraは、Full-HDから超Full-HDへの"Up scaling機能"が付加されたとのことで、できれば 27"型にしたかったが、生憎 S2411Wの跡地に収まらず残念である。品物は本日到着予定・・・

FanつきDisplay (2013.4.15)

液晶Displayは私用公用ともNanao製品を使い続けてきた。今回の CX240-CNX は8台目にあたる。品物は注文から一日で到着。早速、梱包を解き机上に据えてSW-ON。どうしたことかFanが騒めいているではないか。Fan付きのDisplayは初めてだ。Web上で調べたら、CX240のFan Noiseに悩む人は多く、対応策について幾つかの記事が見える。

Fanの件は後回しにして、とにかく絵を観よう。先ず、付属のSensor"EX2"を繋ぎ、Manualに従いColorNavigatorをInstallした。難しいことはなく簡単に済んだ。では、試運転に何をかけるか。絵が綺麗で動きのある "Aeon Flux" が良いだろう。結果は、
 ・Contrastは適度、色階調は豊富
 ・白の抜け、黒の締りとも良好
 ・動画特性は前のS2411Wに較べてかなり良い

← 映画 Aeon Flux から

暗い画面も適度なContrastで見やすい
終始 Charlize Theron の美しい肢体に釘付け
見終わったらFanの音に興ざめ

矢張り FanのNoiseをどうにかしたい。Web情報に依れば80x15mmとのこと。該当するFanは手元にあり直ぐにでも交換可能だが、内部を弄ると保証外になる。決して安くはない製品なので、決断するまでに時間がかかりそう・・・

CX240 Fan交換 (2013.4.16)

視聴後の興ざめに堪えられず、一日で決断した。Fanを交換しよう。
 ・CX240を引っ繰り返し、2本の螺子を外す。
 ・複数本のMinus driverを使って裏板のHookを外す。
  裏から見て右側から順次左方向へ進めたら、裏板を傷付けずに外せた。
 ・FanはSanyo製 9PH0812M703(80x15mm)だった。

Fan Cableを切断し、雌型Fan Connectorを半田付けした。これで保証対象外になった。
換わりのFanは XINRUILIAN RDL8015S
減速用の抵抗器は、
 50Ωの時 → 僅かにFan Noiseが聞こえる
 100Ωの時→ Fan Noiseは殆ど聞こえない
その結果、50Ωに決めた。
【CX240 裏面】
Fan及び減速用抵抗器はいつでも交換できる。
これでCX240のFan Noise問題は解決した。
Never Growing Up (2013.4.20)

Avril Lavigne の新曲 "Here's To Never Growing Up" がWeb上に公開された。新Albumの発売も近いとのこと。

最近 Avril Lavigne をよく聴く。昨年9月、若い職員に「歌の上手いお勧めの歌手は?」と聞いたら Avril Lavigne を教えられ、以来 PC-Audio Test Album の1枚になった。
 ・Avril Lavigneの声は倍音成分が多く、周波数特性の確認に都合がよい。
 ・息継音の聞こえ方で、音の分離の善し悪しが判断できる。
 ・絶唱部分の歪み加減は、再生Softの適否やSPの許容入力を判断する目安となる。

等々 PC-Audio Systemの確認に最適なのだ。勿論、好きでなければ聴くわけがない。
 ・旋律や和音は極めて常識的で、年寄りにも全く違和感はない。
 ・旋律は親しみ易く、どこかの国の民謡や古謡を思い起こす。
 ・Syncopationの入り方と乗りのよいRhythmは快感。
 ・曲の構成は変化に富み単純な繰返しは少ない。
 ・声域は十分に広く声量も豊かで美声。裏声は極上。

さて、新曲 Here's To Never Growing Up は期待に違わぬなかなかの出来映えだ。歌もBandも申し分ない。取り分け Syncopationの入り方は益々磨きがかかり Thrilling でさえある。本人は "Here's To Never Growing Up" と歌っているが、歌唱力は確実に Growing Up している。 癖になりそう。

では Avril Lavigne を聴くためのSound Deviceは何がよいか。実はUSB-DACより上に述べたAuzen X-Fi Forte 7.1の方が似合うのだ。それもOP-AmpをMUSES01換えたら音の滑らかさが増し、一層魅力的な歌声になった。PCIex1仕様のLP-Cardの中では一押しと思われるが、既に廃版とのこと・・・

← ClickするとPVへ
GA-H61M-USB3H (2013.4.25)

このところ新型M/Bの発売がめっきり少ない。各社とも "Haswell" 待ちか。 その余波は本Siteにも及び、無理矢理こじつけたような記事でお茶を濁している。Caseづくりも事情があって中断している(現在は本来の木工房状態に戻っている)。Haswell が発売されるまでの繋ぎに何か適当な素材はないものか。そうした時は廉価M/Bから探すに限る。

さて、本頁の趣旨は「極小 Micro-ATX」である。候補とした
 ASRock FM2A75M-DGS 226 x 193mm
 ASRock B75M-DGS 226 x 183mm
の2枚より、更に小型の製品が発売された。
 GIGABYTE GA-H61M-USB3H 226 x 174mm
拡張Slotは2本だが、通常の2本目は空いているので3本仕様と同寸。
一世代前の仕様ながら、これは捨て置けない。

そこで、手持ちの部品を寄せ集めて、以下の構成とした。
 【M/B】 GIGABYTE GA-H61M-USB3H
 【CPU】 Core i5 3470T
 【CPU Cooler】 Thermolab LP53 + Noctua NF-A9x14
 【MEM】 DDR3 1333 4GBx2
 【SSD】 SAMSUNG 840 120GB
 【HDD】 WD 2.5"HDD 1TB
 【Sound】 Auzen X-Fi Forte 7.1
 【TV Tuner】 PT3
 【PSU】 picoPSU160-XT + 150W AC Adaptor
 【Case】 Obon
 【OS】 Win8Pro64

Auzen Forte 7.1はFanを抱かせて2Slot占有。

 M/Bの寸法は 226 x 174mm
 Mini-ITXは 170 x 170mm

毎度代わり映えのしない Obon組 ・・・
三面構成のCase (2013.4.26)

組立と言ってもObon上に部品を並べて接続するだけ、 面倒な作業は一切ない。Win8Pro64のInstall & Updateも問題なし。 特筆するべき点は Event Viewer に警告の少ないこと。今のところ"reg file"を弄る必要性は認められない。 また、
 ・i5 3470T 内蔵GPU HD Graphics 2500 用の最新Driver 9.18.10.3071が使えた。
 ・Sound Card Auzen X-Fi Forte 7.1はWin8用のDriverが見付かった。
 ・PT3の動作は Dirver/SDK/BonCasLink/TVTest/pt3Timer など不都合なし。
  pt3Timerの自動スクランブル解除もOK。

ここまで組立開始から凡そ3時間経過。設定に悩む個所はなく無事に完了した。何とも張り合いのないこと夥しい。要するに"GA-H61M-USB3H"の動作が安定しているからであろう。

さて、毎度口先だけで一向に進まないCase自作の件、今回は趣向を代えて限りなく横着を決め込もう。以前、一面構成の"Caseもどき"をつくったことがある。現在もそのまま使っているが、せめて天板と前板は欲しい。積み重ねができないCaseは場所を取り、SWが前面にないと不便極まりない。では、GA-H61M-USB3Hを "底板/天板/前板" の三枚構成で仕立てることは可能だろうか。もし三枚のAlumi板をSpecerや市販の金具で接合できれば細工は俄然簡単になり、短期間で完成する。Caseを自作するために3ヶ月も掛かり切りになることはない・・・

M/Bの採寸 (2013.4.30)

いかに安直なCaseと雖も採寸だけは正確に行いたい。前に別頁で述べた通り、M/Bはinchで寸法が決められているので、一般的なJIS規格の定規では目盛りの読取りに苦労する。自分の場合、inch定規で採寸し、後にmm換算する方法が最も読み取り誤差が少ない。

では GA-H61M-USB3H を採寸しよう。下表中の上下左右は、
 ・M/Bの上下は、I/O端子のある後を上、前を下と表した。
 ・M/Bを裏返しに置き、拡張Slot側を右、CPU側を左と表した。

GA-H61M-USB3H採寸表
計測位置
計測値inch
換算値mm
採用値mm
M/B横幅
8+7/8
225.43
225.4
M/B縦幅
6+27/32
173.83
173.8
左前穴
左前横
M/Bの左横から
1/4
6.35
6.4
左前縦
〃下から
11/32
8.73
8.7
右前穴
右前横
〃右横から
5/8
15.88
15.9
右前縦
〃下から
11/32
8.73
8.7
左後穴
左後横
〃左横から
1/4
6.35
6.4
左後縦
〃上から
1+5/16
33.34
33.3
右後穴
右後横
〃右横から
41/64
16.27
16.3
右後縦
〃上から
13/32
10.32
10.3
中前穴
中前横
〃左横から
6+7/16
163.51
163.5
中前縦
〃下から
11/32
8.73
8.7
中後穴
中後横
〃左横から
6+7/16
163.51
163.5
中後縦
〃上から
13/32
10.32
10.3

上の計測値に従ってCAD図面を起こし、M/B取付穴部分をくり抜きM/Bの裏面に当てる。M/Bと図面の穴の位置に誤差がないか入念に確認する。必要があれば図面を訂正し再度確認する。この作業を怠ると M/Bの据え付けに苦労する。
M/Bの穴に螺子を仮留めする。
仮留めした螺子に図面を当てる。
今回は一発で決まった。
五面仕様のCaseに昇格 (2013.5.2)

やはり予定は未定が常か。 安直な三面構成Caseの仕様を考えていたら、早くも予定が変更された。側板を簡単につくる方法が見付かったからだ。これで五面仕様のCaseに昇格し残る背面についても思案中。

その簡単な側板の作り方については追々説明するとして、先ず底板をつくろう。今回のCaseは枠組みを作らず、全ての部品を底板に連結させるため正にBaseとなる。これまで枠組みづくりの底板は1.5mm厚、折り曲げ処理をする場合は1.0~1.2mm厚のAlumi板を使ってきたが、一枚独立の底板なら 2.0mm厚にしたい。

よって、簡単な側板を導入したことによりCaseの横幅は16mm増し、仕上り寸法は、
  W270 x H102 x D215mm = 5.92L
構成は、
 ・Storageは SSD x1 + 2.5"HDD x2
 ・Fanは4個搭載
  CPU 92x14mm、Sound Card 50x10mm、Chipset 40x10mm、側面排気 92x14mm
 ・前板には Main SW + LED だけ
 ・右側面にUSB Hub
となる予定。体積が6Lを切るMicro-ATX Caseならつくる意味はあろう。

さて、その簡単な側板のために大量のSpacerが必要となる。予定では"雄雌螺子式丸形Spacer"を40個以上使う。前板の化粧螺子と併せ、螺子代だけで相当な金額になりそう・・

Blind風の側板 (2013.5.4)

Caseづくりで悩む点は数多い。通風口の処理はその一つ。
 ・好みに合う Fan Gard & Fan Filter がない。
 ・Punching Metal の開孔率は意外に低い。
 ・細かい網状のFilterは希望する仕様の製品が手に入りにくい。
 ・針金づくりのFan Gardは最も無難だが、見える所に使いたくない。

今回のCaseは当初三面構成で考えたが、Fan Gardについて思案していたら、ふと妙案が浮かんだ。幅10mm 厚2mmのAlumi 板をBlind状に積み重ねたらどうか。Alumi板の間隔を8mmとすれば、開孔率は80%となり風通しは申し分ない。小型の昆虫類は出入り自由になるが、不用意に指を差し込む恐れはなく、安心して運用できる。そして工作も簡単。Alumi材を必要な長さに切り揃え、それぞれ2個所の穴を開けるだけ。Spacerを使って固定すれば底々の剛性も得られる。

つくりは簡単
必要があれば内側にFilterを貼り付ければよい
工作時間は
 底板:半日 Blind風側板:半日

見ようによってはHeatsinkにも・・・
補助前板&後板 (2013.5.6)

補助前板を使わずに造作用の螺子を全て見せる方法もあるが、螺子の配置に何かと制限があり、美しく仕上げるのは相当難しい。化粧前板と補助前板を分けた方が返って早道。

さて、枠組仕様のCaseなら補助前板は1.0~1.5mmで十分だが、今回の様に補助前板が構造材の一部となる場合は少し厚手のAlumi板を使いたい。2mm厚なら埋込Nutを仕込むのに都合が良い。

それにしても成行仕立てのCaseは工作が楽だ。部材を順次組み合わせるだけなので作業は捗る。この際、後板を加えて六面仕上げにするべきであろう。

と言うことで、先ず補助前板をつくった。
今回もまたいつものSW&LEDを使う予定。
USB端子がないので作業工程はかなり少ない。
つべこべ言いながらも、結局後板をつくった。
剛性不足でCaseが歪むことはなく、予想以上に確りしている。I/O Panelの上部が殺風景で気になる。 (図面は剥がしていない)

残りは Storage取付金具、天板、化粧前板・・・
SSD&HDDの取付 (2013.5.8)
USB-HubのCableをHeader Pinに接続できる
よう改造した。
USB-Hubは右側面に取り付けた。
SSDは前板のAlumi Angleにぶら下げた。
2.5"HDDを2丁並べ、λ-Gell Sheetを宛がい1.5mmのAlumi板で挟んだ。締付過ぎないように12mmのSpacerを使って固定し、M/Bの上方に据えた。HDDはWDの新製品 WD10JPVX。

後板に径5mmの穴を38個所空けた。
拡張Card固定金具は未だ。

次回は化粧前板をつくろう・・・
前板と天板 (2013.5.9)
前板をつくった。 (3mm厚のAlumi板を使用)
右上に見える4個の小窓はただの飾り。
Blind風側板と後板の接合は、六角Spacer (丸いSpacerの左)を使い、後板の左右2個所で固定した。補助前板も同様。強度の点で問題はなかった。
天板をつくった。 (2mm厚のAlumi板を使用)
上の写真の丸形Spacer4個所で留めた。

今回のBlind風側板は細工が簡単なので、
もう一度どこかで採用することになりそう・・・
細部の仕様 (2013.5.10)
拡張Cardの固定は、L型Angleによる最も簡単な方法を選んだ。
前板右上の4つの窓は8mm角。
のっぺりして寂しいので空けてみた。
一応 "Windows"なのだ。
SWとLEDは毎度お馴染みの製品。
Insulator はAbeeのOption部品。
天板の固定に特殊螺子を使ってみた。

来週、Alumite加工業者に持ち込む予定・・・
5.86LのMicro-ATX Case (2013.5.11)

工作開始から10日も経たずに完成した。自分としては画期的なこと。その理由は三つ。
 ① 枠組仕立に較べて成行仕立は格段に簡単。
 ② Blind風側板は作業工程を大幅に減らした。
 ③ M/BやHDDなど取り付ける部品の全てをinch定規で採寸しmm換算したお陰で
   読取り誤差が少なく、切断や穴開け後の調整が楽だった。

では、今回の "成行仕立 + Blind風側板" は万能か、となるとそうは行かない。 例えば、出来上がったCaseを移動する時、側板の横桟に手をかけて持ち上げたらどうなるか。Caseの体積が10L未満でATX電源や3.5"HDDを積まなければ大丈夫と思われるが、全体の重さが?Kg以上になったら、横桟は曲がらずに持ち堪えるであろうか。
仍って、この横着仕立はMini-ITX or 極小Micro-ATX限定と言えよう。もし、中型のPCに応用するなら、横桟を三点支持に変更する必要がある。それでも10Kg辺りが限界か。

さて、自作Caseの良さは、何と言っても余剰空間の少なさにある。自分の場合、Mini-ITXもMicro-ATXも市販のCase使って組み立てると、必ず広大な空地が生まれる。酷い時は半分以上空いてしまう。そこで、汎用性を考えずに組み込む部品を限定し、
  W270 x H101 x D215mm = 5.86L
なるMicro-ATXとしては最小と思われるCaseをつくった次第である。

机周りにPCが増殖し置き場所に困るなら、選択肢は二つ。
 ① PC-Caseを小型化する。
 ② PCの新規組立をやめる。
まだ②を選びたくないので、当分①を実行することになろう・・・

出来上がった (2013.5.14)

Alumi材は表面処理をせず生地のままでは汚れ易く見栄えが悪い。是非Hairline&Alumite加工をしたい。処理後は指紋や疵などが付きにくく光沢は程よく、見違えるように仕上がるので、費用対効果は十分に納得できる。

さて、Alumite処理を業者に依頼するのは3度目。
 ・最初は 2011/3/8 持ち込み、翌日仕上り。
 ・2度目は 2012/12/11持ち込み、3日後仕上り。
 ・3度目は 2013/5/13持ち込み、即日仕上がり。

今回は、化粧前板 / 天板 / 後板 / 側板の桟全部を依頼した。底板と補助前板は黄銅製の埋込Nutを嵌め込んだためにAlumite処理ができずに外した。この2枚は通常は見えないところなので不都合はないが、次回からは別の手立てを考えたい。

持ち帰り後、早速組み上げた。SATA-Cable、Fan-Cable、SW&LED接続Cableなどを調製しながら組み込んだので 3時間程かかった。接続や半田付けに過ちはなく、一発でOK。
 ・各部の温度もNoise Levelも特に問題なし。 但し、Obon組に較べて高負荷時の温度は
  少し高目。 暫く様子を見た上で 92x14mmのCPU Fanを 92x25mmの製品に交換する
  かも知れないが、吸気Fanを追加する必要はなさそう。
 ・後面のI/O Panelや拡張Card固定金具は問題なし。
 ・Main-SWの感触は上々。LEDの明るさは適度。 USB-Hubの動作もOK。

【正面】
もし、4個の小窓がなかったら
相当寂しそう。

【仕上寸法】
W270xH101xD215mm=5.86L
【右側面】
USB-Hubはしっくり収まった。
【後面】
後ろ姿は可もなく不可もなく。

Caseの寸法は
 設計値:W270xH102xD215mm=5.92L  仕上値:W270xH101xD215mm=5.86L
たった1mmの違いではあるが、その理由は以下の通りである。

本Caseの側板は2mm厚の横桟を並べた簾仕様である。その横桟の調整時、一枚毎にCad図面を貼り付けて工作したのだが、切り出し後に図面を剥がそうとしたら「糊剥がし剤」を使い切って予備がなく、Sandpaperで無理矢理擦ったら、力が入りすぎて2mm厚のAlumi板が1.9mmに痩せてしまったのだ。 側板にその桟を9本使うので 0.9mm≒1mm 低くなった次第である。

Matome (2013.5.20)

完成から1週間経った。その間、気温の高い日が続き、5/15は室温27℃まで上昇した。Case組込後のCPU温度は、まな板時に較べて、Idle時 1~2℃、高負荷時 2~3℃ 高目になるが、今のところCPU Fanや吸気Fanを増強する程ではない。では、Noiseはどうか。排気Fanから吐き出される風がBlind状の側板にあたり、風切り音が発生するのではないかと懸念されたが、桟の間隔を8mm、Fanとの透間を7mm確保したことにより、その心配は無用だった。従って、廃熱及びNoiseの件は、気温が30℃を超えてから再検討することになろう。 その他、
 ・PT3の動作は録画再生とも全く問題なし。
 ・NICも順調で、Sleep後の復帰失敗は一度も無い。
 ・Chipsetの温度がIdle時でも70℃近くまで達するので 40mm Fanを載せたが、これは
  正解。一気に20℃も下がった。ChipsetにCase-Fanの風が当たらない場合は必須か。
 ・Auzen X-Fi Forte 7.1も音がこなれてきた。目下絶好調。
 ・HD Graphics 2500 のDriver 9.18.10.3071は絵が綺麗。半年前の惨状が嘘のよう。
 ・本Caseは W270 x H101 x D215 と小振な上、天板は無穴なので、どこに置いても邪魔
  にならない。他のPCもこの形式に改めたくなる。

Core i5 3470Tvs Pentium G2100T
Date
2013.5.15
2013.2.9
M/B
GIGABYTE
GA-H61M-USB3H
ASRock
B75M-DGS

CPU
Core i5 3470T
Pentium G2100T
CPU Cooler Heatsink
Thermolab LP53
Noctua NH-L9i
CPU Cooler Fan
Noctua NF-A9x14
MEM
DDR3-1333 4GBx2
DDR3-1600 4GBx2
SSD
SAMSUNG 840 120GB
Intel 520 60GB
PSU
picoPSU160XT + 150W AC Adaptor
OS
Win8Pro64
Win7Enterprise64
Windows8 Experience Index
7.2 7.5 5.1 6.2 7.7
-
Windows7 Experience Index
-
6.7 7.8 4.9 6.3 7.9
3DMark
Ice Storm  24327
Cloud Gate  2739
Fire Strike   293
Ice Storm  20506
Cloud Gate  2298
Fire Strike   286
3DMark06
Score:3784
SM2 :1206
SM3 :1524
CPU :3975
Score:3605
SM2 :1147
SM3 :1519
CPU :2686
3DMark Vantage
Score: 1868
GPU : 1462
CPU :11147
Score:1676
GPU :1337
CPU :6958
Superπ104万桁
10秒
14秒
Yume1024×768最高
16465
14951
消費電力 / 温度 / Fan 回転数
計測日
2013.5.15
2013.2.9
室 温
27℃
20℃
測定条件
GA-H61M-USB3H
+ i5 3470T
B75M-DGSI
+ G2100T
SSDx1+ HDDx2
+ PT3 + Sound Card
上記のCase入り
SSDx1
Obon組み
Idle時
消費電力
31W
17W
CPU温度
35℃
24℃
CPU Fan回転数
1060rpm
1020rpm
Prim95実行時
消費電力
Max 64W
Max 37W
CPU温度
Max 66℃
Max 40℃
CPU Fan回転数
Max 1500rpm
Max 1050rpm
OCCT 4.4.0
 PS実行時
消費電力
Max 74W
Max 50W
CPU温度
Max 68℃
Max 48℃
CPU Fan回転数
Max 1530rpm
Max 1060rpm

・Core i5の発熱量はPentiumに較べて相当高く、当然Fanの回転数も上がる。
・M/BがGA-H61M-USB3Hでは、Core i5 3470Tの能力を十分に引き出せないが、
 Caseの大きさ、即ちM/Bの寸法を最優先したので止むを得ない。
・Auzen X-Fi Forte 7.1の消費電力は9Wもあり、省電力志向に反するが、
 このPCは"AV-Center"なので、これまた致し方ない。
以上で本頁の締め括りとします。4ヶ月に亘り拙いRepoにお付き合い頂きましてありがとうございました。 (PCG3)
SilverStone SST-PS07 (2013.7.19)

一端は締め括ったものの、本頁で紹介したSmall Micro ATX M/Bを用い、職員用に新たなPCを1台組むことになったので、続編として本頁に加えておこう。

Case以外は手持ちの部品で間に合うはず。OSは使用するSoftの都合でWin7HP32。
 【M/B】 ASRock B75M-DGS
 【CPU】 Pentium G2100T
 【CPU Cooler】 Cooler Master Hyper TX3
 【CPU Cooler Fan】 Enermax Cluster UCCL9
 【MEM】 DDR3 1600 2GBx2
 【SSD】 SAMSUNG 840 120GB
 【HDD】 WD 2.5" 500GB
 【PSU】 未定
 【Case】 SilverStone SST-PS07
 【OS】 Win7HP32

Obonに組んでWin7HP32を入れた。Installは特に問題なし。動きも悪くない。必要なApplicationを入れて一丁上り。このままCaseに収めるのは忍びない。少し遊んでみよう。職員達が使うSoftの中にWin7HP32では動作しないものが一つだけある。Programの日付をみると1995~98年。このSoftは年に一度しか使わないためInstall時に見落とし、使う段になって古いWin2k-PCを引っ張り出して凌いできた。この際どうにかしたい。

そこで、VMwareを導入しWin2000をInstallした。Installと言っても至って簡単。別のPCで作ったWin2Kの仮想HDD Fileを持ってくるだけ。予定のSoftも問題なし。仮想OS上ながら、2Core2ThreadのPentium G2100Tでも軽快に動く。これにて一件落着か。

う~ん、まだ物足りない。何かするべきことはないか。そうだ、Sound Cardを足そう。実は我が社の職員達は仕事で歌(Gagaku)を歌うことがあり練習にCDをかける。このPCはその練習場の片隅に置かれる予定なので都合が良い。ところがM/B内蔵Sound Chip Realtek ALC662 では練習する気が削がれる。そこで、ASUS XONAR DSXを載せることにした。Ope-AmpはMUSES01に交換済み。SPはYAMAHA NX-A01。十分過ぎてお釣りが来る。

問題はCase。ASRock B75M-DGSの寸法は226x183mm。MiniーITX Case INWIN WAVYに収めることは可能だが風通しに難がある。このPCの置かれる場所は冷房の利きが悪く夏場の室温は30℃を超える。できれば余裕のあるCaseに入れて安心運用したい。そこで、市販のMicro-ATX Caseから"SilverStone SST-PS07"を選んだ。そうなるとATX電源が使える・・・

在庫整理PC (2013.7.19)

電源をどうするか。手元にある500W未満の空ATX電源は2種。
 ① Huntkey Ayakaze 300W 80+Gold
 ② Enermax EES400AWT 80+無印

①は生産が終了し貴重な存在。②は効率及びNoiseとも満足できず試運転しただけ。このPCは耳元から少し離れた場所に置くので ② を選んだ。もし、今回使わなければ押入れの邪魔者として一生を終えることになり、それでは余りにも不憫だ。

SilverStone SST-PS07に収める前に付属の120x25mm Fanを確認しよう。EES400AWTを電源検証Adaptorに繋ぎFanを回したところ予想に反する静かさ。以前、SST-PS07Wの時は、Fanがやや煩く7Vに落としたのだが、今回は12V駆動でも許せるNoise。どうしたことか、聴力が衰えたのか。そこで、SilverStoneのSiteを開いたら、
 PS07B → 2x120mm Fan 950rpm 18dBA
 PS07W → 2x120mm Fan 1200rpm 18dBA
とあり、白Caseと黒CaseとではFanの回転数が異なっていた。

80+無印のEnermax EES400AWTはどうか。
 ・picoPSU160-XTの時、Idle時消費電力 22W
 ・EES400AWTに換え、更に3丁の120mmFanと
  BD-Driveを加えた時、Idle時消費電力 30W
大いに不満ではあるが、今回は在庫整理PCなので良しとしよう。

ASRock B75M-DGS のPCHは熱くなる。
Idle時(室温28℃)
 40x10mm Fanなし PCH温度76℃
 40x10mm Fanあり PCH温度48℃
【後姿】
後FanはThermalTake 桜扇 ISGC-300から流用(120x25mm) Fan Con付きで使い易い。
【前姿】
2丁の前Fanは50Ωの抵抗を挟み減速した。
BD-Driveは BUFFALO BR-PI816FBS-BK。
Caseも中身も少し地味だが仕事用のPCとしては十分であろう。
 PCG3