PSU


電源に関する頁がないので新たに起こした。(2021/08/06)
悩めるSFX電源 (2021.08.06)

ATX/TFX電源には、Idle~軽負荷時にかけての効率が優れた電源は幾つかあるが、SFX電源はそうでない。 これまでに試したSFX電源は、80+ Platinum仕様であっても満足の行く結果は得られなかった。せめて"TFX電源 In Win IP-P300KF7-2 Platinum"並みのSFX電源はないものかと探し回ること○年、新製品が登場する度に注意を払ってきた。

先月、○○社から80+Gold SFX電源Seriesが発売された。550W~850Wまで4種の内、550W仕様の製品を求めた。
 ・全Plug in方式。本体の仕上げは良好。価格は高め。
 ・Cableは必要にして充分。Flat Cableはそれ程硬くない。

早速、以下の組合せでTestした。
 【M/B】 ASRock A520M-ITX
 【CPU】 Ryzen 5 5600X
 【GPU】 ASUS GTX1050Ti

SFX vs TFX
Maker
○○社
In Win
Model
***
IP-P300KF7-2
形式
SFX
TFX
80Plus
Gold
Platinum
容量
550W
300W
Prime95実行時消費電力
Max 120W
Max 117W
動画再生時消費電力
平均 48W
平均 43W
Idle時消費電力
27W
22W
電源Fan Noise
賑やか
Fan交換済 静か

期待は裏切られた。
 ①のIdle~軽負荷時にかけての消費電力は、②に較べて5W高い。
 ①の高負荷時消費電力は、②に較べて3W高い。
 ①の電源Fan Noiseは盛大。Fan交換は必須。
 但し、①/②とも動作の安定性は良好。

悩めるSFX電源 II (2021.08.31)

前節で頓挫したSFX電源をどうするか。Idleから軽負荷時にかけての消費電力が
In Win IP-P300KF7-2 と較べて 5W も高くては使い途に困る。ならば、
 ・諦めて捨てる。
 ・WattCheckerを見ないようにする。
 ・兎に角 Fanを交換し温和しくさせる。その上で処遇を考える。

そこで、FanをNoctua 92x14mm PWM Fanに交換した。その際、Fan Cableを引き出すために電源Case Coverの一部を切り欠いた。
その結果、
Fan Noiseは激減した。
これで完全に保証対象外。
当然、交換も返品も不可。
実は、以前から電源に依る音質の差を薄々感じていた。picoPSUとSFX/TFX/ATX等の箱形PSUとでは高音域も低音域も再生音が微妙に異なり、どちらが良いかは判断しかねていた。これまでMusic-PCを仕上げる際は、いつもpicoPSUを選んできたので、1台くらいSFX電源仕様のMusic-PCがあっても良かろう。

問題はM/B選び。Fanを交換した電源は、そのFanをM/BのPWM Fan Socketに繋ぐことになり、CPU Cooler / Case Fan / 電源Fanの最低3個必要になる。そうした条件に見合うMini-ITX M/Bは、我が家では手薄なのだ。

GaN ATS120TS-P120 (2021.09.11)

「ATS120TS-P120は、GaN(窒化ガリウム)を用いたFETを採用することで、従来のAC Adapterよりも小型化・軽量化を実現したModel」との謳い文句に釣られて購入した。

そこで、以下の通り3種のAC Adaptorを比較した。
左の写真上から順に
① Replacement AC Adapter
Model ST-C-150-12000/12505
12V/12.5A 150W

② Switching Adapter
Model 2F120A-1210000
12V/10A 120W

③Adapter Tech
Model ATS120TS-P120
12V/9A 108W
各Adapterの容量と寸法は、

AC Adapter 01
容量
寸法
Replacement
AC Adapter
ST-C-150-
12000/12505
12V 12.5A
150W
170x85x45mm
0.650 liter
Switching
Adapter
2F120A-1210000
12V 10A
120W
167x70x38mm
0.444 liter
Adapter Tech
ATS120TS-P120
12V 9A
108W
130x50x33mm
0.215 liter

【M/B】 ASRock H510M-ITX
【CPU】 Comet Lake Pentium G6405
【MEM】 DDR4-2666 4GBx2
【M.2】 WD Blue 500GB NVMe
【PSU】 picoPSU-160-XT
【OS】 Win11 22H2 Build 22454.1000
の時、消費電力とAdapter表面温度は、(室温:27.5℃)

AC Adapter 02
容量/体積
150W
0.650 liter
120W
0.444 liter
108W
0.215 liter
Prime95実行時
消費電力
50W
50W
47W
Adapter表面温度
31.6℃
33.2℃
34.2℃
動画Upcon再生時
消費電力
15W
15W
15W
Adapter表面温度
28.2℃
29.2℃
30.6℃
Idle時
消費電力
5W
5W
5W
Adapter表面温度
27.8℃
28.0℃
28.4℃

・③GaN ATS120TS-P120の体積は②の1/2、①の1/3。容量に対して充分小型。
・Idle時/動画再生時の消費電力は、3者とも同値。
・Prime95実行時消費電力は、③が①②より3W低かった。
・Adapterの動作時表面温度は、体積が小さいほど上昇した。
・Adapterの鳴きは、3者とも認められなかった。
・但し、③の価格は②の4倍、①の3倍。総合的には②が優位。
 置き場所の都合によっては③を選ぶことになろうか。

・今後、できれば消費電力80~100W時のDataで比較したい。

GaN ATS120TS-P120 II (2021.09.13)

前節のTestでは消費電力50W程度に留まり、得られた結果は3者とも近く、値段の差に見合う利点は見いだせなかった。そこで、消費電力100W程度で試すことにした。
 【M/B】 MSI H410M Pro
 【CPU】 Comet Lake i3 10105
 【MEM】 DDR4-2666 8GBx2
 【SSD】 Intel 330 Series 120GB
 【PSU】 picoPSU-160-XT
 【OS】 Win11 22H2 Build 22454.1000
結果は以下の通り。参考のために我が家で最も効率の良い電源 In Win IP-P300KF7-2 PlatinumのDataを添えた。(室温:26.5℃)

AC Adapter 03
In Win
IP-P300
KF7-2
Platinum
容量/体積
150W
0.650 liter
120W
0.444 liter
108W
0.215 liter
Prime95実行時
消費電力
104W
101W
94W
88W
Adapter表面温度
34.6℃
35.0℃
36.2℃
-
動画Upcon再生時
消費電力
16W
16W
16W
16W
Adapter表面温度
27.2℃
27.4℃
29.8℃
-
Idle時
消費電力
8W
8W
8W
8W
Adapter表面温度
26.8℃
27.2℃
28.0℃
-
WMP連続再生時
消費電力
10W
10W
10W
10W
Adapter表面温度
29.8℃
32.8℃
39.6℃
-

・Idle時/動画再生時の消費電力は、4者とも同値。
・③のPrime95実行時消費電力は、①より10W、②より7W低かった。
・Adapter動作時表面温度は、体積が小さいほど上昇したが、その差は僅か。
・これは中々良さそう、と思ったのも束の間のこと。

以上、各Adapterが充分に冷えた状態で起動し、10分間放置後、凡そ20分かけて計測した。ところが、WMPで長時間連続再生すると、消費電力は10W程度にも関わらず、Adapter表面温度は大して下がらないどころか、③は40℃近辺に落ち着いてしまうことに気付いた。これはもう少し検証の余地がありそう。

尚、Adapter表面温度計測 → AND AD-5617

 PCG3