あれこれテストする XII

2011/10/23 AMD Bulldozer FXシリーズが発売された。今回は6Coreの FX-6100と4CoreのFX-4100の二種のみ、8CoreのFX-8150は先送りになった。ところが、AMD史上最悪のCPUとか、それが原因で社長の首が飛んだとか、Web上の評判は頗る悪い。喩え僅かな差でも大きく取り上げられるのが世の常なれば、そうした悪評を俄に受け入れることはできない。 (2011.10.31)
 抑も2011/10/23は如何なる日か。眞子さま二十歳の誕生日であると同時に吾輩の誕生日でもあったのだ。

AMD Bulldozer FX-4100 (2011.10.31)

何故か不評の品には関心が向く。少しでも良いところがあるなら応援したくなる。とまたまた天の邪鬼の虫が騒ぎFX-4100を購入した。では、M/Bはどうするか。新型CPUの能力を確かめるためには動作が確かで安定性のある製品を選びたい。しかしながら、Bulldozer対応のM/Bはまだ少ない。ならば、Web上にレポの上がっている「ASUS SABERTOOTH 990FX 」にしよう。CPUクーラーはENERMAXの新製品ETD-T60-VDでよし。ビデオカードはGTX460が嫁入り先を待っている。電源はお盆PCから一時流用しよう。

よって、BulldozerテストPCの部品構成は、
 【CPU】 AMD FX-4100
 【CPU Cooler】 ENERMAX ETD-T60-VD
 【M/B】 ASUS SABERTOOTH 990FX
 【MEM】 DDR3 1866 4GB×2
 【VGA】 Inno Vision GTX460
 【SSD】 Crucial m4 64GB
 【PSU】 Seasonic SS-650KM
 【Case】 まな板
 【OS】 Win7Pro64
とした。

定格動作時の結果は下表の通り。(比較のために Phenom II X6 1055Tのデータを添えた)

CPU
AMD FX-4100
Phenom II X6 1055T
M/B
ASUS SABERTOOTH 990FX
Memory
DDR3-1333 4GBx2
GPU
Inno Vision GTX460
OS / ForceWare
Win7Pro64 / ForceWare 285.62
Windows Experience Index
7.2 7.4 7.5 7.5 7.9
7.4 7.4 7.5 7.5 7.9
3DMark06
Score:14728
SM2 : 5764
SM3 : 7239
CPU : 3846
Score:17012
SM2 : 6402
SM3 : 7960
CPU :5247
3DMark Vantage
Score:11210
GPU :12119
CPU : 9152
Score:12662
GPU :12221
CPU :14201
FF14
High:2709
High:2904
Superπ104万桁
22秒
21秒
Yume1024×768最高
81552
81798
Windows Experience Index
実行時ピーク消費電力
227W
244W
3DMark06
実行時ピーク消費電力
216W
225W
Prime95
実行時ピーク消費電力
149W
160W
OCCT power supply
実行時ピーク消費電力
260W
287W
アイドル時消費電力
60W
73W
* 以上全て定格動作時のデータである。
* 組み立ててから凡そ10時間運用した。その間にトラブルなし。

次に、OCしてみよう。
 【OC_00】 定格動作
 【OC_01】 Memory Clockを1866MHzにUP、他はそのまま。
 【OC_02】 ASUS推奨のターボモード、CPU Clock 4.5GHz

OC
OC_00
OC_01
OC_02
CPU Clock
3.6GHz
3.6GHz
4.5GHz
Memory Clock
1333MHz
1866MHz
1600MHz
CPU
AMD FX-4100
M/B
ASUS SABERTOOTH 990FX
Memory
DDR3-1866 4GBx2
GPU
Inno Vision GTX460
OS / ForceWare
Win7Pro64 / ForceWare 285.62
Windows Experience Index
7.2 7.4 7.5 7.5 7.9
7.2 7.8 7.5 7.5 7.9
7.3 7.8 7.5 7.5 7.9
3DMark06
Score:14728
SM2 : 5764
SM3 : 7239
CPU : 3846
Score:14685
SM2 : 5734
SM3 : 7210
CPU : 3855
Score:17284
SM2 : 6994
SM3 : 8073
CPU : 4716
3DMark Vantage
Score:11210
GPU :12119
CPU : 9152
Score:11151
GPU :12046
CPU : 9118
Score:12043
GPU :12287
CPU :11365
FF14
High:2709
High:2713
High:2880
Superπ104万桁
22秒
22秒
19秒
Yume1024×768最高
81552
81899
82037
Windows Experience Index
実行時ピーク消費電力
227W
230W
245W
3DMark06
実行時ピーク消費電力
216W
220W
229W
Prime95
実行時ピーク消費電力
149W
150W
-Error-
OCCT power supply
実行時ピーク消費電力
260W
263W
281W
アイドル時消費電力
60W
60W
60W

上の二つの表をどう読むか・・・

ASRock 880GMH-U3S3 (2011.11.10)
ASUS SABERTOOTH 990FXは格好いい。
迷彩色キーボードとよく似合い、
眺めるだけなら十分に満足できる。

しかしながら、上表の通りFX-4100のパフォーマンスは物足りない。とても最新のCPUとは思えない。能力はPhenomII X6 1055Tの約73%、価格差がベンチ結果にそのまま現れた。その上、OC時の安定性に問題がある。Web情報によれば定格動作時でもBSODが現れるとのこと。将来のFX2シリーズに期待をかけ、今回のFXシリーズは専ら話題提供CPUとして遊ぶ他はないのだろうか。それでも敢えて長所を探せば、
 ・メモリアクセスは良好。DDR3-1866動作に問題なし。
 ・A8-3850に較べてGPUが内蔵されていない分発熱は低い。
 ・付属するCPUクーラーのヒートシンクは少し大きめで冷却能力は悪くない。
程度で寂しい限りだ。

ならばFX-4100はどう使うか。ATXケースに入れて場所塞ぎにしたくない。できればMini-ITX、百歩譲ってMicro-ATXに留めたい。そこで、FXシリーズ対応の小型M/Bを探した。Mini-ITXはなく、7枚のMicro-ATXが見付かった。その中からUSB3.0&SATA3に対応するASRock 880GMH-U3S3を選んだ。このM/Bは新製品ではなく2011/04発売とのこと。少々気に入らないがBIOSのUpdateに期待をかけよう。

求めた880GMH-U3S3のBIOSバージョンが判らず、先ずAthlon II X2 250eを載せて確認した。BIOSはVer.1.20だった。(FXシリーズに対応するBIOSはVer1.50から) 次に、SABERTOOTH 990FXで使ったSSDをそのまま繋いで起動した。990FX関係のドライバを削除し、880GMH用のドライバを入れて再起動をかけた。ところがPOSTしない。BIOS初期画面のまま凍り付き先へ進まないのだ。CMOSクリアー・電池開放・メモリ交換などを行ったが変化なし。

そうだ、IntelのM/Bと同じ症状ではないだろうか。Intel DH67CF・DH61AGは光ドライブをUSB接続した時、メディアが空の場合にPOSTしなかった。案の定、BDドライブを外したら直ちにPOSTした。この症状はBIOSをVer1.50にUpdateすることで解決した。

次に、Athlon II X2 250eをFX-4100に差し替えて電源投入。無事に起動したものの動作が安定しない。 再起動に失敗したり、シャットダウンしても電源が切れなかったり、どうも様子がおかしい。原因は直ぐに判った。SABERTOOTH 990FX関連のシステムサービスが取り切れずにエラーを起こしていたのだ。再インストールすればよいのだが、その手間を惜しみ、「管理ツール」→「サービス」から不要なサービスを停止することで対応した。
次に、BIOSを最新版のVer.1.70にUpdateした。

ASRock 880GMH-U3S3 + FX-4100 + DDR3-1866 4GBx2 + HD6670 の時、
 【Windows Experience Index】 7.2 7.7 7.0 7.0 7.7
 【3DMark06】 11317 (SM2:4171 SM3:5191 CPU:3875)
 【3DMartk Vantage】 7258 (GPU:6800 CPU:9100)
 【FF14 high】 1445
 【Yume1024×768最高】 61145
 【Superπ104万桁】 23秒
 【Windows Experience Index実行時ピーク消費電力】 154W
 【3DMark06ベンチ時ピーク消費電力】 148W
 【Prime95実行時消ピーク費電力】 145W
 【OCCT power supply実行時ピーク消費電力】 208W
 【アイドル時消費電力】 47W
だった。

さて、別ページ「新たなメインPC」用の小物部品が揃った。 道草も程々にしておこう・・・

Noctua NF-F12 PWM (2011.11.30)

PC用のファンはノイズ・風量・消費電力等、一昔前に較べてかなりよくなった思う。ファンもまた人ぞれぞれ好みがあるようだが、自分の場合はNoctuaとENERMAX製品を多用してきた。どちらもノイズの耳当たりが柔らかくPCを静音化する上で重宝している。 惜しむらくはNoctua製品にPWMファンはなく発売が期待された。

その待望のNoctua製PWMファン「Noctua NF-F12PWM」が先日発売され早速入手した。箱を開けたらファン固定用のネジ&防振ゴムの他に何やら見慣れぬ部品が入っていた。
 ① 300mmのExtension Cable NA-EC1
 ② 100mmのY-Cable NA-YC1
 ③ Low-Noise Adapter NA-RC6
①は延長ケーブル、②は二又分岐ケーブルであることは直ぐに判ったが、③は何だろうか。テスターで当たったら、4芯の内1本が100Ωを示した。要するに抵抗を挿入して減速する部品だった。マニュアルを見たら1500rpmの最大回転数を1200rpmに減速するとのこと。

このファンにはもう一つ特徴がある。ファンの四隅にゴムパッドが埋め込まれ防振措置が施されている。これならファンを取り付ける際に別途防振部品を用意する必要はない。

付属品を確認した後、本機で試すことにした。現在の部品構成は以下の通りである。
 【CPU】 AMD FX-4100
 【CPU Cooler】 Silver Stone SST-NT06-E
 【M/B】 ASRock 880GMH-U3S3
 【MEM】 DDR3 1600 4GB×2
 【VGA】 SAPPHIRE HD6770
 【SSD】 Crucial m4 64GB
 【PSU】 Seasonic SS-650KM
 【Case】 まな板
 【OS】 Win7Pro64

Noctua NF-F12 PWM 付属品一式
これは親切だ。
コーナーパッド
これも有り難い。
NF-F12 PWMの本体ケーブルは200mm。
定格値は 12V・0.6W・0.05A
Silver Stone SST-NT06-Eに載せた。
アイドル時800rpm程度で十分。

今回の部品構成では、高負荷時のCPU温度は46℃程度に留まり、ファンの回転数は850romを超えなかったため、終始静かだった。(室温:23.7℃)
HD6770のファンもNoctuaの90mmファンに替え、約1000rpmに設定した。(4個所ビニタイ留め)
 PCG3